どうやって休むんだったっけかなあ。

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  • 異類戀愛譚

    かみさまがむすびつけてくださった。しあわせかどうかは、ぼくらがきめる。

  • 夕暮れみたいな恋

    (ひとくくりの自由詩たち) 輪郭がぼやけるような。静けさに包まれていくような。まどろむような。とけて消え行くような。

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詩:ぼくはミュージシャンにはならない

どこにもいけない音楽を口の中で転がして 飴玉みたいに消えるのを待っている だれかの音楽を聴いていても満たされる 音楽に寄り添えれば生きていける 音楽の真ん中では生…

琅
1年前
11

急に寒い。でもまあそんなものよね、とおもう自分もいる。ストーブをつけるけれど温まりすぎてしまって、こたつをつけて落ち着く。結局、梅雨の時期もなんだかんだ寒くて、だからもうここ何年かは7月までずっとこたつが出ている。そして9月にはこたつを整える。休みが短くて申し訳ないな……

琅
2週間前
1

3月、餞に頂いた。ニョロニョロを探して写真を撮ったら、まだ袋の中にいるそいつもこちらを見ていた。可愛い。スナフキンの頰杖、可愛い。角砂糖でジャグリングするミィ、可愛い。実はスナフキンの向こうでムーミンが上目に商品名を見ながら食事をしている。可愛い。箱推し。愛故に美味しく食べる。

琅
2週間前
2

「可視化」すること。言外に含ませたり、背景に滲ませたり、遠回しに表現したりなどして(あるいは無意識的に含ませたり滲ませたり婉曲してしまったりなどして)形成されたヒドゥンメッセージが、時として明確な表出よりもはっきりとみえるようにしてしまう。隠したってみえる。みえないものもみえる。

琅
2週間前
2

「桜って散るんだな」と感じ入った朝。高速道路のインターを降りてすぐの交差点、信号を待つ間に小ぶりの桜の街路樹を見ていたら、ひらひらと花びらを散らした。風は無かった。咲き切ったんだな、とおもった。木や枝は離れていく花びらに見向きもせず、花びら側も未練もなさそうだった。春だった。

琅
3週間前
2

昨日、真夜中眠りにつこうとするとき。ベット脇の窓に月光のフレームがかかるのに見惚れた。カーテンで遮られて、けれど明るすぎて、ぼんやりと青く、空間を縫って入り込んだ月明かり。月と夜が生み出す、あのなんともいえない青の数々は、ただ世界は美しいという事実を呑み込ませる力がある気がする。

琅
3週間前
1

テレビからニュースを流しながら、膝の上で丸くなる猫を撫でる左手、スマホをいじる右手。花見日和のお天気のなか、この1週間のうちにほとほと人に疲れてしまって、出かける気なんかおきない。片割れみたいなひとと、可愛いねこと、うららかなサンルームでのんびりすると決めてる。極上の土曜日。

琅
3週間前
2

人見知りである。関係構築が苦手である。1人は平気である。だから随分前に「友人をつくろう!」という意志をもって振る舞うことをやめた。そんなことをしたら空回って1人反省会を繰り返すだけだと嫌というほど学んだから。無理のない範囲で、必要最低限で、いざというときは頑張れる自分でよかった。

琅
3週間前
2

まだ少し雪が降るのを心配する町から桜盛りの街まで、毎日行き来する生活。40分高速道路を走る間に、冬終わりから春の始まりまで季節が流れているらしい。まだ残っている雪がだんだん見えなくなって、まだ咲いていないはずの桜の色が少しずつ広がっていく。楽しいね、とおもう。シンプルな気持ち。

琅
3週間前
1

チョコチップスコーンておいしいよなあ、と思いながらそれを食べるランチどき。今日のお昼はあんドーナツとチョコチップスコーン。エネルギー補給のために、好きなものだけ食べる。栄養だのなんだのを気にしないわけではないけれど、こうも緊張の連続だと食べる行為そのものを避けてしまいがちなので。

琅
3週間前
2

桜流しの大雨、いよいよ講義が始まって、ふつふつと静かに燃えている感じ。新しい知識にも、誰かの思想を浴びせられるのにも、わくわくする。そうして自分の脳があれこれと思考を始めるのもいい。できれば、脳がぐるんとなるような、そういう目からウロコな思考をたくさん経験したい。リミット1年。

琅
3週間前
3

自分が車中にいるまま洗車される、というのが好き。ぐらぐら揺れたり、ガラスが泡まみれになったりすると「洗われてるー!」とテンションが上がる。されるがままの車を、スマホをいじりながら内側から眺め体感するこの異空間さが、たまらない。洗車機手前で下部洗浄するタイプの大雑把な感じもいい。

琅
4週間前
2

楽しいお出かけの予定でも、身支度の途中でふと「行きたくないな」と思ってしまう。口にすれば少しすっきりしてまた続きの支度を始めるんだけど、完成した頃には「はー!行きたくない!」という気持ちになる。声に出して、解消した気と思い込んで、お気に入りの靴を履く。この現象に名前はあるのかな。

琅
4週間前
1

休日になるたび、「あれをやらなくちゃ」「あれをやりたい」という思いで溢れるのに、いざその日を迎えるとたっぷり寝てしまう。とはいえお昼頃には目が覚めて、活動すればいいのにごろごろいじるスマホが時間を吸い取る。「まあいいか」っていつも自分を許すけれど、生きるってつくづく面倒くさい。

琅
1か月前
1

うっとりするネイル。お気に入りのアクセサリー。いつもの指輪。とっておきの洋服。最高の靴。嬉しいお祝いメッセージ。完全武装で臨む始まりの日。ETCカードがいつもの場所になくて焦ったけど、どうということもなく余裕綽々で間に合った。1年間の学生生活の初日としては上々かと。はあ緊張する。

琅
1か月前
2

まっさらなPCを箱から出すまでの心地。初めて触れるときの心地。まだ手に馴染まないままセットアップする心地。穏やかな喜びみたいな、静かなときめきみたいな、柔らかな感動みたいな、そういうささやかな幸福は、ぴたりと言い表せる言葉を上手に見つけられないまま、いつも通り過ぎていってしまう。

琅
1か月前
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固定された記事

詩:ぼくはミュージシャンにはならない

どこにもいけない音楽を口の中で転がして 飴玉みたいに消えるのを待っている だれかの音楽を聴いていても満たされる 音楽に寄り添えれば生きていける 音楽の真ん中では生き方を忘れてしまう きみを大切にしたいんだ ときどき味をもつ飴玉を分け合いたくてキスをする クスクス笑うからこれ以上正しいことはないね ぼくはミュージシャンにはならない 誰も知らない音楽をあなたの耳元に降らせる ピロートークはへたくそだけど上手に眠らせてあげる いつだって穏やかな沈黙が僕らに無いのは きみが名付

急に寒い。でもまあそんなものよね、とおもう自分もいる。ストーブをつけるけれど温まりすぎてしまって、こたつをつけて落ち着く。結局、梅雨の時期もなんだかんだ寒くて、だからもうここ何年かは7月までずっとこたつが出ている。そして9月にはこたつを整える。休みが短くて申し訳ないな……

3月、餞に頂いた。ニョロニョロを探して写真を撮ったら、まだ袋の中にいるそいつもこちらを見ていた。可愛い。スナフキンの頰杖、可愛い。角砂糖でジャグリングするミィ、可愛い。実はスナフキンの向こうでムーミンが上目に商品名を見ながら食事をしている。可愛い。箱推し。愛故に美味しく食べる。

「可視化」すること。言外に含ませたり、背景に滲ませたり、遠回しに表現したりなどして(あるいは無意識的に含ませたり滲ませたり婉曲してしまったりなどして)形成されたヒドゥンメッセージが、時として明確な表出よりもはっきりとみえるようにしてしまう。隠したってみえる。みえないものもみえる。

「桜って散るんだな」と感じ入った朝。高速道路のインターを降りてすぐの交差点、信号を待つ間に小ぶりの桜の街路樹を見ていたら、ひらひらと花びらを散らした。風は無かった。咲き切ったんだな、とおもった。木や枝は離れていく花びらに見向きもせず、花びら側も未練もなさそうだった。春だった。

昨日、真夜中眠りにつこうとするとき。ベット脇の窓に月光のフレームがかかるのに見惚れた。カーテンで遮られて、けれど明るすぎて、ぼんやりと青く、空間を縫って入り込んだ月明かり。月と夜が生み出す、あのなんともいえない青の数々は、ただ世界は美しいという事実を呑み込ませる力がある気がする。

テレビからニュースを流しながら、膝の上で丸くなる猫を撫でる左手、スマホをいじる右手。花見日和のお天気のなか、この1週間のうちにほとほと人に疲れてしまって、出かける気なんかおきない。片割れみたいなひとと、可愛いねこと、うららかなサンルームでのんびりすると決めてる。極上の土曜日。

人見知りである。関係構築が苦手である。1人は平気である。だから随分前に「友人をつくろう!」という意志をもって振る舞うことをやめた。そんなことをしたら空回って1人反省会を繰り返すだけだと嫌というほど学んだから。無理のない範囲で、必要最低限で、いざというときは頑張れる自分でよかった。

まだ少し雪が降るのを心配する町から桜盛りの街まで、毎日行き来する生活。40分高速道路を走る間に、冬終わりから春の始まりまで季節が流れているらしい。まだ残っている雪がだんだん見えなくなって、まだ咲いていないはずの桜の色が少しずつ広がっていく。楽しいね、とおもう。シンプルな気持ち。

チョコチップスコーンておいしいよなあ、と思いながらそれを食べるランチどき。今日のお昼はあんドーナツとチョコチップスコーン。エネルギー補給のために、好きなものだけ食べる。栄養だのなんだのを気にしないわけではないけれど、こうも緊張の連続だと食べる行為そのものを避けてしまいがちなので。

桜流しの大雨、いよいよ講義が始まって、ふつふつと静かに燃えている感じ。新しい知識にも、誰かの思想を浴びせられるのにも、わくわくする。そうして自分の脳があれこれと思考を始めるのもいい。できれば、脳がぐるんとなるような、そういう目からウロコな思考をたくさん経験したい。リミット1年。

自分が車中にいるまま洗車される、というのが好き。ぐらぐら揺れたり、ガラスが泡まみれになったりすると「洗われてるー!」とテンションが上がる。されるがままの車を、スマホをいじりながら内側から眺め体感するこの異空間さが、たまらない。洗車機手前で下部洗浄するタイプの大雑把な感じもいい。

楽しいお出かけの予定でも、身支度の途中でふと「行きたくないな」と思ってしまう。口にすれば少しすっきりしてまた続きの支度を始めるんだけど、完成した頃には「はー!行きたくない!」という気持ちになる。声に出して、解消した気と思い込んで、お気に入りの靴を履く。この現象に名前はあるのかな。

休日になるたび、「あれをやらなくちゃ」「あれをやりたい」という思いで溢れるのに、いざその日を迎えるとたっぷり寝てしまう。とはいえお昼頃には目が覚めて、活動すればいいのにごろごろいじるスマホが時間を吸い取る。「まあいいか」っていつも自分を許すけれど、生きるってつくづく面倒くさい。

うっとりするネイル。お気に入りのアクセサリー。いつもの指輪。とっておきの洋服。最高の靴。嬉しいお祝いメッセージ。完全武装で臨む始まりの日。ETCカードがいつもの場所になくて焦ったけど、どうということもなく余裕綽々で間に合った。1年間の学生生活の初日としては上々かと。はあ緊張する。

まっさらなPCを箱から出すまでの心地。初めて触れるときの心地。まだ手に馴染まないままセットアップする心地。穏やかな喜びみたいな、静かなときめきみたいな、柔らかな感動みたいな、そういうささやかな幸福は、ぴたりと言い表せる言葉を上手に見つけられないまま、いつも通り過ぎていってしまう。