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ラスト5分で大号泣「君たちはどう生きるか」

宮崎駿監督作品「君たちはどう生きるか」、
夫と見に行ってきました。

以下、ネタバレがありますので、ご注意ください。


結果、素晴らしかったです。
宮崎作品でこんなに泣いたのは初めてで、自分でもビックリ。


小学生の頃になんとなく「風の谷のナウシカ」を観て衝撃を受けて以来、宮崎駿さんの作品は、すべて見ています。
大ファンです。

しかし特に近年、一度見ただけでは消化できない作品も多かったため、「まあ、とにかくまずは見よう」と、ことさらの期待などもなく、まっさらな気持ちで軽く見始めました。

すると…、
最初の1〜2分程度、眞人がお母さんの病院へ行こうとするところで、まず胸に迫るものがあって泣いたのですが、
そのあとは正直、眠気との闘い…w

まるで、村上春樹さんの小説のよう。
あるいは、キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」。
人が見た夢の話を延々と聞かされているようなファンタジックな内容…、
私はこういう物語が非常に苦手で…😅
ハードな1日だった前日の疲れも相まって、もう眠くて眠くて…、
実は一瞬、意識がなくなりました😂


しかし、ラスト5分ほどのところです。

ヒミが眞人をギュッとしながら、優しくこんなセリフを言いました。

「お前、いい子だな」

その瞬間です。

まるで悟りを開いた時と同じ。
瞬間的に眠気なんて吹っ飛び、私の胸の何かが弾け、心に、おそらく監督の思いがどストレートに届き、一気に涙が溢れ、止まらなくなってしまいました。

そういうことかあ…!!


浮かんだのは、二人の息子たちの顔。

お母さんが、「お前、いい子だな」って優しく抱き締めてくれる…。

周りをあざむくために自分で自分の頭を傷つけ、おそらくその罪悪感に無意識に苛まれ続けていた眞人…、
でもとにかく一生懸命生きている眞人…、
そんな眞人を全肯定してくれる、お母さんのたましい。

それは、いまだ未熟な人間というものを全肯定してくれている神の目線そのもので…。

なんか…、ウワーン…😭

そして、最後の最後、
階下の新しい家族たちに呼ばれて、支度を整えて自分の部屋を出ていく眞人…、
その姿を俯瞰で映している様子に、母の目線を感じて、さらに涙が…。

眞人、大きくなったね、これからも自分を信じて頑張りなさいねって。
母はいなくても、あなたを愛してくれる人はたくさんいるから。自分から心を開いて、みんなと一緒にもっともっと幸せになってと…。


母の目線…、それはきっと、監督自身の目線。

宮崎監督の、なんと大いなる母性。
人間への愛…。

まさかこんな大きくてストレートなメッセージを秘めた映画だったなんて…、
宮崎監督が、神の愛にも匹敵するような大きな大きな愛で、私のこともまるごと愛してくれている…、
この映画を通して、伝わるかどうかなんて関係なく、人類すべてを愛し励ましてくれている…、
そんなあたたかな感動が津波のようにドーンと胸に押し寄せて、
まったく無防備だった私は、もう押し流されるまま…、
涙が止まりませんでした…。

しかし、エンドロールが終わり、劇場が明るくなり見渡してみたところ、
泣いてるのは、劇場ど真ん中に座っている私一人w
あら?そうなの😂??
鼻水をすすり上げながら泣き続けている私に、夫も首を傾げながら苦笑😅
「そうかあ、お前は泣けたのかあ。オレはよく分からんかったー」と。

なんとか涙を止めようとするのだけど無理で、シアターを出たあとも胸の熱さと涙が止まらず、その後用事があって急いで帰る夫と別れて、飲食スペースの椅子に座ってしばらく心を落ち着けてから、帰宅した私でした。


母なる宇宙…。
大いなる母性…。

私は子どもを産み育てている母の経験がすでにあったから、見つけることができ、感動できた気がしています。

しかし、この映画を作ったのは男性…、
男性でありながら、マリア様のような大いなる母性愛を宿し、表現する宮崎駿…、
「天才」だと、改めて思いました。

そして、映画のそこかしこに散りばめられた過去全作品へのオマージュ、
それは、宮崎監督らしいユーモア、これまでジブリ作品を愛してくれた人々へのサービス、心からの感謝のように思いました。
そもそも主人公の眞人は、まるでアシタカだし、
その他にも、クスッ&ニヤッとする場面が満載w
夫とも、「あれはこうだよね!」「あそこはこれでしょ?!」と、延々楽しく語り合いましたよ😊

楽しく感謝を積み上げ、段々と盛り上がって、最後にバーン!ととっても大きな愛を伝える…、
私には、まるで打ち上げ花火のような印象の映画でした。

ふと、これは宮崎監督の「遺言」なのかもしれないと感じて…、
また涙…😭


この映画を通して宮崎監督が伝えたかったのは、
「人間」というものへの大きな大きな愛と励まし、
そして、ジブリファンへの心からの感謝だと、
私は思いました。


確かに、ジブリ映画である以上、子どももたくさん見に来ることは分かっていたはずで、
だから子どもたちにも楽しんでほしいと思って、冒険要素も入れて頑張られたのだとは思うけど、
でも昔ほどのワクワクな盛り上がりに至れなかったことは、監督の衰えとも言えるかもしれません。

でも、誰に忖度するでなく、自分の遺言を映像作品として表しかったのかもしれないし、
だとしたら、それをやり遂げ、全員にではないかもしれないけど、その思いを届けることができた監督は、やはり天才だと思う。

また、神の目線を持つに至り、このような素晴らしい作品を仕上げる才能を持ちながらも、決して偉ぶるでない、あのはにかんだ少年のような優しい笑顔の宮崎監督…。

その監督の笑顔が浮かび、
「きみはきみらしく生きればいいんだよ。大丈夫だよ。きみはいいやつだよ」って、
そんな監督の優しくて大きな神様のような愛が、とてもストレートに伝わってきて…😭

難解に見える人もいるかもしれませんが、
私は、この映画のメッセージは、すごくシンプルだと感じました。

難しいことを一切考えず、眠りそうな頭でボヤーッと見ていたのが、かえって良かった説も😂??

でも私は、もう何年か若かったら、こんな大きな監督の愛は受け止められなかったかもと思います。
母として、スピリチュアリストとして、頑張って生きてきた今の私だから、理解できたのかも。
なんというか、スピリチュアルおたく向けの映画のようにも思えw、だから私も、夫や家族には私が何に感動して泣いたのかはサラッとしか話しませんでした。
それはバカにしているとかそういうことではなくて、こういうのは言葉で伝えられるものではないし、ごく個人的なものだし、
人それぞれのタイミングがあると思うから。

実際私も、前作の「風立ちぬ」を観て、そこに込められたものに心が震えたのは、2度目の鑑賞の時でしたし😌
「千と千尋…」に至っては、何度も見てて私もすごく好きなんだけど、世界的評価を得ているのがイマイチまだよく分からずにいます😅
私は泣けないけど、夫は大号泣してる映画も、もちろんたくさんあるし、
すごくお若い方でも、母でなくとも、スピリチュアリストでなくとも、この映画からあたたかなメッセージを受け取られた方も、たくさんおられるでしょう。

絵画にしろ小説にしろ、いつどこで何を通して「それ」が訪れるかは、本当に人それぞれ。
その方に一番良いタイミングで、訪れるようになっているんですよね。


はあ…、とにもかくにも、やはり宮崎駿さんはすごい。
私は大好きです。
きっと監督自身にも、たくさんの葛藤や自責、悲しみや苦悩があり、迷いながら、深く深く内省しながら、生きてこられたでしょう。
それらすべての人生体験を、このような大らかな人間愛という境地にまで昇華された監督…。
その大らかな愛を、この映画を通して私にも届けてくださって、励ましてくださって、本当にありがとうございます。

それに、映画ってすごいなあ…。
一人一人との対話なんですね。
今回初めて実感しました。


「お前、いい子だな」

本当に、なんて素敵なセリフ。
ああ…、思い出してまた泣ける…😭
あいみょんさんの声、素晴らしかったです。

私も帰ってから、中学生の息子と小学生の息子それぞれに、同じことをしました。
(中学生の息子は正面からだと嫌がられそうなので、椅子に座っている隙に後ろからww)
二人とも、盛大なハテナ❓❓❓を飛ばしながらも、なんだか嬉しそうでしたよ😉💕

あとは、木村拓哉父さんの「眞人がセキセイインコになってしまったぁ〜!」も、いまだ無知で愚かな人間の可愛らしさと哀しさをユニークに上手に表現しておられるなあと思って、個人的にかなりツボでした😆


宮崎監督と同じ時代に生まれることができて、本当に幸せだと思いました。

監督始め、この映画を届けてくださったすべての方々に、心からありがとうございます✨

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