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絶海の孤島ー青ヶ島への行き方ー

Access to Aogashima island, Tokyo

日本で最も上陸難度が高い島のうちのひとつ、青ヶ島。

東京から350km離れていて、一般的な来島方法は八丈島からヘリコプターか定期連絡船で青ヶ島に上陸します

いくつかパターンがあるのですが、青ヶ島へ行くには八丈島からアクセスするしかないので、まずは八丈島へ行きます。
ANAが就航していて東京・羽田空港と早朝、昼、夕の1日3便が飛んでいます。
若しくは東海汽船のフェリーで東京・芝浦を22:30に出て、八丈島に朝8:55に到着する船便もあります。

青ヶ島へ行くヘリコプターは八丈島~青ヶ島~八丈島で折り返す、朝の1便のみ。
ANAの早朝便が定刻通りに到着すれば、そのまま青ヶ島へのヘリコプターに乗り換えられますが、フェリーの場合は受付時間に間に合わないので、八丈島で1泊してから翌朝のヘリに搭乗となります。

八丈島~青ヶ島の定期船は週3~4便とありますが、平均就航率は6割程度と、かなり低いです。
実際に青ヶ島の港を見ましたが、そりゃ着けないよ…という感じだったので、船で予定を立てることはおすすめしません。

島の宿も殆どが「ヘリを取ってから予約して」というスタンスです。

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ヘリの予約方法は愛らんどシャトルのサイトからオンラインで予約するか、予約番号に電話するかの2択。

そもそも1日1便で9席しかないので、かなりの競争率!
観光客も島民も使っているので、基本的に席は埋まっています。

但し、キャンセルもポツポツと出るので、電話でキャンセル待ちを入れておくのも忘れずに!
私は2週間位、毎日朝晩にキャンセルが出ないかチェックして、最終的に希望の便を予約することができました。

参考:「予約・空席照会|愛らんどシャトル

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もし、最後の最後まで予約が取れなければ、搭乗当日の8:15頃から空席待ち整理券に賭ける、という手もあります。

八丈島空港の愛らんどシャトルの受付に行き、この整理券を取っておくと、もし突然のキャンセルが出た場合には搭乗することができます。

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そして、予約した日に搭乗しようと思ったものの、外は風速18mの暴風雨。

愛らんどシャトルに問い合わせると「条件付き就航なので、青ヶ島に降り立てるか保証はできませんが、八丈島は出ます」と言われます。

でも、外はヤシの木が斜めになるほどの暴風で雨も強い…怖い…

恐怖に勝てずにキャンセルしてしまいました。

その後、青ヶ島の宿に1日延期の連絡をしてから、愛らんどシャトルに翌朝便のキャンセル待ちを入れました。

キャンセル待ちは電話で受け付けていて、前日の16時までにキャンセルが出たら予約窓口から電話が来ます。
受付番号をメモして、オンラインからクレカで決済すると予約完了となります。

16時までにキャンセルが出なかった場合は連絡がこないので、キャンセル待ちから自動的に外されて、翌朝の空席待ち整理券にトライになります。

我が家は3人中2人分は空きがあり、残り1名分をキャンセル待ちにしていたので気が気じゃなかったです。
でも、16時前に電話があって無事に3名分の席が確保できて、翌朝に飛べることになりました。

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この日も天候はあまりよくなく、12mの風が吹いていました。

風が怖い…と思っていましたが、ヘリは風には強いようで20mくらいなら飛べるとのこと。

ANAの1便が羽田に引き返したら、ヘリの搭乗が始まります。

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滑走路が近すぎて怖い…

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飛行機と違ってふわっと上に上がったら、そのまま飛び始めました。

人生初ヘリ!
あまりに恐怖で最初はドキドキしていましたが、意外と安定感があって、途中からは「これは大丈夫そうだ」と思えてきました。

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20分ほどのフライトで無事に青ヶ島に到着しました。

本当に垂直に離陸して着陸するので、飛行機と違って新鮮な感覚!

危ないので、少しでも立ち止まるとスタッフの方にヘリポートからすぐに退避するように促されます。

そして、ヘリを降りたと思ったら、すぐに搭乗する乗客が乗り込んで、ヘリが離陸していきました。


呆気にとられていると、荷物を渡されて解散になりました。

ヘリポートの待合所は小さな小屋で、ヘリが行ってしまったらがらんどう。

観光客は宿やレンタカー屋さんの送迎があるので、迎えの車に乗ってそれぞれの目的に向かっていきます。

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ちなみに、帰りのヘリは欠航になりました。

搭乗時間にヘリポートへ行って受付をしていると、カウンターのスタッフが携帯電話で話し始めました。
「ええ、ヘリポートは見えています。はい、え?条件付きですか?え?あ、はい、分かりました」と電話を切り、突然「今日の定期便は欠航です」と告げられました。

島民の人も「なんでだよ~、ヘリポート見えてるから飛べるだろうが!」と憤り、我々も一昨日の暴風雨で飛んでて、なぜ今日は欠航?と思ってしまいました。

ちょうど離発着時に強い雨雲が来るそうで、本部と協議の上で夕方に臨時便を飛ばすか決めます、とのことでした。

ヘリの運行上、朝イチ便しか飛ばせないそうで、このタイミングを逃したら夕方か、翌朝早朝に臨時便を出すことになるそう。

宿で休ませてもらっていると電話があり、夕方に臨時便が飛ぶことになりました。
島民は慣れているようで、夕方に飛ぶならいいじゃない~、という感じでした。

ゆるぅ~。

暴風雨でキャンセルして、翌日にキャンセル待ち。
帰島便は欠航になり、直前まで臨時便が出るのかヤキモキしながら待って、結局、半日遅れで八丈島に戻る。

これだけ見ると、予定通りに進めたい人にとってはストレスそのもの。

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というのも、青ヶ島への定期便は就航率がなかなかの低さ。

厳しい自然環境の真っただ中にある絶海の孤島・青ヶ島には、おいそれと簡単には辿り着けません。(中略)悪天候で足止めを食らうこともあるので余裕のある計画をたてましょう。出典:「青ヶ島MAP|青ヶ島村役場」

村役場のパンフレットにも平均就航率はヘリで80%前後、船で50~60割とあり、結構な確率で欠航しています。

我々が来島した時も天候不良が続いて、1週間以上船が来ていないと言っていました。
また、宿の人曰く「こないだのお客さんは1週間も帰れなかったから大変だったよ」と言っていたので、欠航はデフォルトのようです。

確率が高いとされているヘリも、梅雨時期は6割にも落ち込み、比較的天候が安定している季節でも欠航はあり得るもの、という感じ。

この欠航率とヘリの席数の少なさが、上陸難度最上級と言われる所以です。

だからこそのレア度と絶景なので、来る価値はあります!

が、まずは余裕のある日程を立てれるかどうか。そして、感染状況が落ち着くかどうか。
この辺の条件が整った際には、ぜひ、青ヶ島への上陸にトライしてみてください。

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