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3. スイス・サンモリッツとレーティッシュ鉄道

私は鉄ヲタです!鉄道が好きすぎて鉄道系の会社で働いて、役職を生かしてレアな車両を自分の企画で展示したりしていました。

そんな鉄ヲタが憧れるスイスの鉄道に乗車したい!あの、ぐるっと大回転する赤い電車に乗りたい!そう思って、この旅行ではレーティッシュ鉄道のベルニナ急行乗車をハイライトとしました。

ベルニナ急行はサン・モリッツというスイスの山奥の駅から乗車できます。
サン・モリッツはスキーで有名な高級リゾート地で、世界的なスキーの大会が開催されているそう。この日もそのへんの雪道を本気のクロスカントリーで移動するカップルを見かけました。

物価も宿泊費も高いリゾート地。ここでは駅近くの小ぢんまりとした家庭的なホテルに宿泊。それでも結構なお値段でした。駅徒歩5分とありましたが、雪深い山の上にあるので駅まで送迎を頼みました。

ホテル ヴァルトハウス アム ゼー Hotel-Restaurant Waldhaus am See
Tel: +41 81 836 60 00
住所: Via Dimlej 6, 7500 St. Moritz
Web: http://www.waldhaus-am-see.ch/en-us/

周辺には観光スポットもあるそうなのですが、12月のスイスの雪山は雪深くて子連れでは全く移動できませんでした。
子どもには防寒用の毛皮の長靴を履かせて人生初の雪遊びをさせました。
今回は冬のヨーロッパということで、コロンビアやパタゴニアといったアウトドアメーカーのフリースや防寒アイテムにユニクロのダウンを組み合わせて寒さを凌ぎました。

翌朝は8時半ごろのベルニナ急行に乗車して、ティラノに昼前に到着の予定です。事前にチケットはレーティッシュ鉄道の公式ページから予約し、座席も指定しておきました。日本語ページは稼働していませんが、英語ページできちんと情報も予約も完了できました。
ベルニナ急行は人気があるので日本の旅行代理店で予約代行をしてくれます。手数料が加算されますが英語での予約が不安なら、そういった代理店を使うのもアリです。

駅のホームでプリントアウトしてきた予約票をよく見たら、予約したのは急行ではなくて各駅停車の便??!
慌てて窓口で問い合わせると「急行じゃないけれど、ほぼベルニナ急行だ!大丈夫!」と言われます。これ、絶対大丈夫じゃないパターンだと呆然としました。

しかし、ホームに出てみると車体には「ベルニナ急行」の文字が!!
どうやら、ベルニナ急行と同じルートを通る各駅停車だけれど、ちゃんと展望車両も設けられている、ということだったようです。

座席もきちんとファーストクラスで予約されていました。これで約2時間の電車旅で大人片道8,000円くらいです。各駅停車のファーストクラスなんて使う人がいなかったらしく、この日は我が家が貸し切りでした。

レーティッシュ鉄道の路線図です。赤い部分が世界遺産に登録されている路線だそうです。
ベルニナ急行に加えて氷河急行も人気が高いけれど、氷河急行は乗車時間が長いのでベビ連れでは難しい!と思い、今回はベルニナ急行にしました。
10年以内に氷河急行も絶対に乗るぞ!!と心に決めています。

サンモリッツを出てしばらくは白銀の世界が続きます。スイスの山々を塗って走る赤い列車が美しいです。

この辺は国境に近い山岳エリアなので人家はほぼなく、ぽつりぽつりとスキー客のロッジがある程度でした。

車掌さんが息子に記念切符をくれました。
「この車両は貸し切りだから、好きにしてくれていいよ!」と言われ、息子は車両中を行ったり来たりしていました。
この切符はこっそり私の宝物にしよう、と思っていたのに、1ヶ月の旅行で紛失してしまいました。本当に悔しい!!!!

時々、上り(下り?)列車の待ち合わせがあります。真っ白の世界に赤い列車のカラーリングが映えます。

イタリアに近づいてきたところで、ベルニナ急行の最大の見せ場であるオープンループの『ブルージオ橋』に差し掛かります。

急勾配を360度の円を描いた橋で一気に下る姿は、もう圧巻!!先頭車両がほぼ見えるので景色とともに車窓を楽しむことができます。
もし時間があれば、レンタカーでこの橋に行って地上から見たい…いや、それは次回だな。

周囲が雪景色から緑の大地に変わると、そこはイタリア。
スイスからイタリア側の国境にある『ティラノ』という駅に到着しました。この駅は箱根登山鉄道と姉妹鉄道らしく、カタカナの駅名標がありました。

ティラノ駅にはキオスクと、駅前に小さかなカフェ兼レストランが2軒ほどあるだけの小さな村です。
ここからイタリアの旧国鉄RFIに乗り換えてミラノへ向かいます。

ティラノ~ミラノ間の列車はRFIが運営していることを事前に確認済でした。しかし、冬季の運行はずっと未定で出発までティラノ~ミラノ間で列車が走るかはわからない状態でした。
RFIに問い合わせてももちろん返信などありません。
レーティッシュ鉄道側に確認すると、「通常は冬季でも列車は運行されているが、最新の時刻表がまだ更新されていないので運行の有無は現時点ではわからない」という返事がきました。
いや、連絡線とはいえ他社の運行情報に対して律儀に返事をくれるレーティッシュ鉄道に驚きです!

取り敢えず、駄目ならティラノからミラノまでタクシーを使おうと決めていました。その際はタクシーは駅で呼ぶしかなくて、15,000円くらいあればミラノまで辿り着けそう、というところまで調べておきました。

蓋を開けてみれば、ティラノ~ミラノ間の急行列車は1日に3~4便出ていて、1時間くらい待っただけでミラノ行きの電車に乗れました。乗車してから2時間半でミラノ中央駅に到着です。

ミラノ中央駅は悪名高くて、リュックを切られて盗まれる、とか、目を話した隙にスーツケースが無くなるなどの軽犯罪が多く、周囲でも被害にあった人は数しれず。しかし、駅ビルができたりと綺麗に改装されていて、そこまで悪質な雰囲気は感じませんでした。

イタリアはアテニナラナイと聞いていましたが、着いた瞬間からヤキモキさせられてホッとさせられて、と振り回されました。イタリア歴の長い主人は「This is Italia!」と言い放ちました。

ミラノではミラノ中央駅から2kmほどにあるAparthotel Isolaというアパートに部屋を借りました。
ヨーロッパでは民泊の方が条件の良い場所に泊まれるケースが多いように感じます。お手頃なのに広くてキッチンもついていて子連れにはありがたかったです。隣が大型スーパーだったのも助かりました。
ただし、ヨーロッパの建物にエレベーターが付いているケースは稀で、ついていても入り口が階段とか、ものすごく狭かったり、扉を自分で開閉するタイプの年代物という場合が多いです。せっかくエレベーター付きの物件にしたのに、建物の随所に階段があり、ベビーカーでの移動に苦労しました。
それ以外はミラノ中心地の北部にあって移動もしやすく便利でした。

これからしばらくイタリアの都市を転々とします。

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