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別府 鉄輪 地獄めぐりにひたすらイチャモンをつける話し

Sightseeing spots with Boiled Onsen springs in Kan nawa town, Beppu city, Oita prefecture

別府に来たら「地獄めぐり」が有名ですが、言うなれば諸条件で色合いや状態が個性的な温泉が集まったエリアで、その個性的な温泉たちを景勝地として見て回りましょう、というもの。

鉄輪エリア周辺にあるので、鉄輪温泉に宿泊していれば徒歩やバスで見て回れます。

一番の名所とされている「海地獄」はコバルトブルーの温泉で、ほぼ沸騰しています。
きれいな色だね~、なんて思っていても入れません。

ですが、敷地内に足湯があってタオルも貸してくれるので、ゆったりポカポカのんびりできます。
子供は案の定、足を滑らせて全身びしょ濡れになりました。

蓮の花咲く温室があったりと、敷地は地獄めぐりの中でも一番大きかったです。

次は「血の池地獄」で、その名の通り真っ赤な色の温泉です。
お湯の成分が酸化して赤くなっているそうで、一番古い観光スポットだそう。
こちらも足湯があるので、ほっと一息できます。

「はい、ここで写真撮影してください」の図

この時点で疑問が湧き上がってきたのですが、なんでこんなユニークな場所を、こんな取ってつけた観光地みたいな設えにしちゃったんだろう?と。
もし、これがハイキングをしていて、山の中に突然あったらびっくり!
よりインパクトもあると思うんですよね。

ご丁寧に池の淵をコンクリで固めて柵まで付けて、はいここで写真撮影してくださいね、って。
そんなお仕着せの観光スポット、誰が体験したいんだろう?
確かに見学しやすいかもしれないけれど、形も雰囲気も自然から程遠くて、そんなほぼ人工物見せられてもへぇ~、ですよ。
もっと自然に近い形で見れたほうがびっくりして、ちょっと行きにくい位のほうが有り難みありません?

蔵王のお釜とかそんな感じですよ。
たくさんバスツアーの観光客を呼びたい時代は終わったので、何かもっとやり方あると思った次第です。

こちらの「龍巻地獄」も同じく、なんでこんな設えしちゃったの?です。
温泉の間欠泉だそうで、内部で蒸気が溜まっていって、耐えきれなくなると温泉とともに吹き出してくるそうです。

が!これも人工的な岩で囲って、ご丁寧に階段状の観客席を作って、何?これからショーでも見るの?って雰囲気です。
ハイキングをしていたら、あれ?周辺の木や岩の色が変色してない?と思っていたら、お湯が噴き出して「おおーっ!」ってゆう方がドラマティック。
コンクリの観客席じゃなくて、ウッドデッキから見る方が断然雰囲気あると思うけど、どうなんでしょう?!

確かに見やすいけどね、でも風情全くゼロ。

白っぽい温泉は「白池地獄」と言って、熱帯の魚を飼育しているミニ水族館というのがウリ。

これも、やるならこんな薄暗い小さな水槽じゃなくて、本当に池で泳がせればいいんですよね。

はぁ、そうですか、ピラルクですか?え?ちょっと大きな熱帯魚ショップですか?という絵面です。
流石に白池地獄に入れたら温度の関係で難しいと思うので、そこは水質と水温を調整するとしても、、、昭和の観光地から脱却して欲しい!

白い泥がポコポコと沸騰しているのは「鬼石坊主地獄」で、沸騰ポイントだけを石で囲って池みたいにしています。

これも、敷地全部を泥の池にして、長い橋でも掛けて、沸騰ポイントはガラス窓付けるとかして、上から見えるようにしたら良いと思うんですよ。
池の鯉見てるんじゃないんだからさ、ポコポコと沸騰しているスリルを上から見るとかしないと。

個人的には板を渡して、落ちたらやばい!みたいにしてもいいけれど、それは本当に大事故になるのでやらない方がいいかもですが…
隣の池が沸騰しているな、みたいな見え方はとても残念。

地獄めぐりの入口となる場所にあるのが「鬼山地獄」で、言うなればワニ園です。

沸騰している池はあるものの、隣の建物は何故か?ワニをイメージ?して、東南アジアのマレーシアやインドネシア風のデザイン。
何がしたいの??!!!
ここ日本だよね?大分だよね?別府だよね??
なんで東南アジア?

昭和の観光客にとって東南アジアもワニも珍しかったのかもしれないけれど、今となっては、地獄めぐりにこれらの要素を入れる必要があるのか不明。

ワニもコンクリと金網に囲まれた場所に数匹ずつ入れられて、温泉なのか不明な泥水の中で動かずにじっとしていて、だから何?という状況。
きれいな色の温泉をかけ流しにして、個体数や雄雌などをもう少し整理して、全員まとめて飼育して迫力のあるワニ池とかにした方がいいのでは?

ダメだ、、、文句が止まらない。。

かまど地獄」は竈の形をしたところから煮えたぎった温泉が湧いていて、本当に煮炊きの竈として使われていたそう。
このかまど地獄は地獄めぐりの中で一番観光地っぽく設えられていて、ここだけは人工的な見やすいスポットとして残して、後は全部、自然に戻したり、見やすさよりも体験スポットみたいにした方がいいと感じました。

正直、かまど地獄は多彩な沸騰泉があって色々見れるので、これはこれで完結した観光地として見たい人向けとして残しやすいかな、と。

アレンジとして昔の体験とか言って、煮炊きをしてなにか食べるというのアイディアは思いついたものの、感染対策で飲食をコンテンツにするのは現実的ではないので、観光バスツアー向けの昭和スタイルの観光スポットとして置いといていいか、と思いました。

ここまでひたすら地獄めぐりに対して文句ばかりつけてきましたが、世界中の様々な観光地を巡っている中で、日本の観光スポットが抱える「昭和を脱却できていない」問題に憤りを感じています。

イマドキの人が求めているのは、特別な体験であって、「はい、看板の前に立ってくださ~い!はい、チーズ!」じゃないんですよね。
SNSの浸透拡大とともに、ある程度の情報は全てスマホから入ってくるので、殆どのモノやコトが既視感につながっています。
よほどの「へぇ~、こんな場所あったんだ!」「すっごくキレイ!!」レベルじゃないと、人の心は動かなくなっています。

先日も華厳の滝を見に行った時に、Z世代の子が「思ったより、ショボくね?」と言っていて、そうだよなぁ~、インスタとかでドローンで撮ったすごい角度から撮影した迫力のある華厳の滝とか見ていて、それ想像してたんだよな、きっと。てなるんですよ。

それは悪いことではないし、これから経験とともにリテラシーもつけながら現実とのギャップを埋めていくことも必要だけど、それでも、昭和スタイルの観光スポットのままだと若い世代には響かなくなっていきます。
「いいよ、うちはシニア向けだから!」と開き直っていると、シニアたちは身体が動かなくなって、巡る系のスポットはどんどん人が来なくなり、観光バスで横付けして見れるような場所しか行かなくなります。

そろそろ、日本全国の昭和な観光スポット、考え直してみませんか?

※別府も鉄輪も良いところだったので、文句ばかり言って申し訳ありませんでした。でも、アレはないよな~、だったので言っちゃいました、済みません。

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