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「『プラットフォーム資本主義を解読する』を解読する」が終わりました。

 当日まで毎日書き続けるnoteも書き終わらないまま、気がついたらもう1週間近く経っていたのでした。驚き。
会場や配信でご参加された皆さま、情報を拡散いただいた皆さま、誠にありがとうございました。ご参加された皆さまは是非、上記⬆アンケートフォームへご感想もお寄せ下さい。また、アーカイブ期間は10/15までとなっておりますので、引き続きお楽しみ下さい。アーカイブ未視聴の方もいらっしゃると思うので、本noteのご報告はふわっとさせております。
※冒頭と休憩前後、機材トラブルによりお見苦しい箇所があり申し訳ありませんでした。

 冒頭は「この本を作ることになった経緯」をお聞きするところから始まり、ケイン樹里安氏、編集の米谷氏との飲みの席きっかけということは前回うかがっていたものの、より詳しく聞けて、また在りし日のケイン氏の姿や情熱が蘇ってきて、飲み会でもSNSでもメディアへの寄稿でも論文でも、相手や媒体で言うことやスタンスを変えないケイン氏を改めてリスペクト。そして、それを形にした山本先生と米谷氏、水谷先生始め他の編者・著者の方々に本当に感謝です。

 その飲みの席で話題になったというレフ・マノヴィッチ※1の『インスタグラムと現代視覚文化論 : レフ・マノヴィッチのカルチュラル・アナリティクスをめぐって』へのケイン氏の書評は上記⬆サイトからPDFでダウンロードできるので未読の方は是非、併せてお読み下さい。なるほど〜となります。

 しかし、事前の山本先生との打ち合わせでケイン氏をメインに取り上げるのはやめようという話をしていました。今回登壇した3人にとってケイン氏の存在は大きく、また我々がこうして並んで話せるのも氏によるめぐり合わせによるものでもあるのですが、この「プラットフォーム資本主義を解読する」という本においては各章の各著者がそれぞれが独自の専門性と輝きや主張を放ち、各章がリンクしあって1冊の本になっているので、この本の目指すところや訴えたい所に重きを置きたかったのです。ふれしゃかラバーズやケイン樹里安ファンには物足りなかったところもあるかもしれませんが、ケイン氏ご本人も納得してくれたのではないかなあと思っています。(絶対見に来てたと思うしね!)

 そして、やはり蓋を開けてみれば、私と絵本のこたち店主熊谷さんとでは、全く引っかかる章も疑問点も違っていて、パーソナリティの違いもあるだろうけど、私(収入は非正規賃労働がメイン)と熊谷さん(個人事業主)では資本主義への関わり方が違うところも大きいのだろうなあと思いました。絶対に私では思いもつかない質問を大谷ばりに軽いフットワークでズバンと投げてくるので、やっぱりここで熊谷さんと出来て良かったなと思いました。

突っ走る問題意識のサトマキさん、飄々と語る山本先生、自分は素人ですポジションで質問を投げ込む熊谷さんという三人の絶妙な掛け合いを楽しませていただきました。冒頭で、プラ解誕生のエピソードが聞けたのも良かったです。
配信視聴参加のoba氏による感想

 oba氏の感想を見ると、この空気感は配信視聴の方にも伝わっていたようで(若干お笑いグループへの評価に見えなくもないですが)、やっている間は見せ方を意識する余裕も全くなかったので、一安心といったところです。
 また、そもそもこの共同企画でプラ解を取り上げたかった一番の目的である研究者と素人(一般読者)の架橋というところは、ある程度達成出来たのではないかと自画自賛。

過日はありがとうございました。  京都であるからと、事前学習せずに参加しました。本も読んでおらず、プラットフォーム資本主義とはなんぞや?と思いながら拝見していました。(資本主義自体も学問的に未勉強です) sns などから情報を抜き取って消費傾向を分析されて広告を表示することで成り立っていることは以前からあるだろうと感じていました。 問題はその情報を利用するのが企業だけにとどまらないのではないかという事が、私が最も疑っているところです。 具体的にいうと「政府」ですが、今回は資本主義というテーマなのだと思ってそこはスルーしました。  インターネットが普及するようになって、誰もが発信して受け取ることができるようになったことは20年前はメリットと思いましたが、すべての人が消費し、消費されるコンテンツのような存在になってしまうことは、それぞれ個人を尊重するという概念を希薄にしたと感じています。 他者を消費物として扱い要求する一方で、自分自身を消費される物として表現をエスカレートさせていくことで、ネット環境の中での暴力性が醸成されていったのだということに、議論を聞いている中で気づきました。  誰の意志でもない言葉や行為が、こういう状況から生まれて、ゆえに誰も責任を感じないという、世界に私たちは生きていて、どうすれば人間性を取り戻せるのか、という長い課題を感じていた次第です。
会場参加の匿名氏による感想

 こうして、それぞれの方が持ってる問題意識にリンクして、広がっていくのがこの本の特色というか魅力なので、ふれる人が増えれば増えるほど新しい論点や視点にも出会えると思います。私が司会でありながら話を飛ばせすぎる問題もあり、論点が行方不明になる場面もあったのでそこは反省しております。そのせいもあり、全然話し足りなかったので続きをまたやりましょう!と3人で話しておりました。

 企画段階から当日まで、当日から今日まで、プラットフォームの状況もSNSの環境も日々刻々姿を変えて行っています。このスピードに自分の心身を同化させずに、ものを考え、指先に意思をもてる自分でいるために、引き続き本書をツールとしてこの海を泳いでいこうと思う所存です。

 この度は皆さま、まことにありがとうございました!

サトマキ顔面復旧募金箱とJaewon Kim氏のZINE手押しの旅も終わりました。ご寄付及びお買い上げいただいた皆さま、ありがとうございました!
また、当日は熊谷さんのご提案により上記のように登壇者と会場参加者が同じテーブルに同レベルで位置する形になったのでした。これも楽しかった!さすが!


翌日は新幹線の時間まで河原をほっつき歩いていました。京都は空が広いですね。




※1 レフ・マノヴィッチ
ニューメディアの理論家・批評家・アーティスト、1960年モスクワ生まれ。

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