結婚式準備

「結婚式の準備のカロリーは、低くないよ。」

結婚式を2週間後に控えたある日、夫が、もごもごしながら、言いにくそうに、何度も言うのをやめながら、私に「言って。言って。そこまで言うなら言って。言わないとかないやろ」と半ば脅されながら、催促された末に、しぼりだすように私に言った言葉だ。
不満を口にすることなどほとんどない夫が言うなんて、よっぽどなのだろう。

結婚式の準備で、女性が男性に対して寂しい思いをするというのはあるあるだが、例に漏れず、うちもそれだった。男女逆転だけど。

入籍後、二人で話し合った結果、親族のみで、挙式と食事会を行うことになった。
結婚式とは、夫婦が初めて二人でチームとして行う大きなプロジェクトだ。
私はやる気に満ちていたし、自信満々だった!
本で「家事は性差ではなく、得意不得意で分けるといい」と知っていたし、結婚式の準備なんて、
あ、それで喧嘩する夫婦とかいるんですね。楽勝ですね。我が家は対話を大事にしているんで。問題なんて起こるわけないです。と高を括っていた。
そして、学習したことはすぐに実行に移すところが私の長所だ!
ということで、得意不得意で結婚式の準備を分担することになった。
動画編集、夫。
司会進行台本、夫。
式場との連絡、夫。
その他の細々したもの、二人。
驚いたことに、蓋を開けてみると、ほとんど夫の担当だったのだ。
2週間前まで、そのことに全く気が付かなかったのだけど。
私の担当は花嫁の手紙だけだ。
花嫁の手紙なんて前回付き合ってた頃の3年前から書き始めてたし、6ヶ月以上前に書き上げた上に2ヶ月以上前には暗記までしている。
どんだけ前のめりなんだ。こわい。
友達に、結婚式の準備大変じゃない?って聞かれて、うちは親族だけなんで全然よー!とか言うてたこと、今となっては、口が裂けても夫には言えない。
夫、ごめん。
うすうす気がついてはいたけれど、もしかすると、私は社会において、ポンコツなのかもしれない。
そのことに気がついた瞬間、ポンコツだとわかってて、夫婦というチームを組んだ夫はすごいと、感謝が溢れて止まらない。

ちなみに夫にポンコツとわかっていながら夫婦というチームを組んだあなたはえらいよ。と伝えると、ポンコツを差し引いてもチームを組みたいと思ったんだよ。とのことでした。合掌。

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