子どものころ庭に孔雀がいた

夏らしいことをしよう。ということで今回は怪談を。と思ったが霊的な体験をしたことがなかった。かわりに子供のころの不思議な話を一つ。

「赤い夢」を知っているだろうか。赤い夢は、はやみねかおるさんの小説で出てくる言葉だ。一言で言うと「夢か現実かわからない世界」。最初に読んだときは現実と夢は区別できるだろと思った。でもよく考えると子供のころは区別がついていなかったかもしれない。

子どものころ庭に孔雀がいた。

あの家の窓の外、アンズとクチナシとグミの木の間に翼を広げたオスの孔雀がいた。ヒスイ色の羽が日光に当たって宝石のように輝く。気高く凛とたたずみ羽を広げる孔雀。あれは幻とは今となっても思えない。

が、家族に聞くと孔雀はいなかったという。普通に考えるとそりゃそうだ。セレブの家じゃないし家に孔雀がいるわけがない。

今でもなぜか孔雀が好きだ。伊豆大島では動物園の孔雀が噴火跡と同じぐらい印象に残ったし、館山や筑波や富士宮でも孔雀と出会ったことを不思議と覚えている。そういえば一番お世話になっているスーパーマーケットもピーコックだ。僕の守護霊(パトローナム)を魔法で呼び出したら孔雀なのかもしれない。

今度孔雀に会ったらあいさつしておきたい。よくわからないけどこれからもよろしく。ところで庭であったことなかったっけ、と。

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