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雨 #描写遊び

日常を押し出し、ひとり窓の外を眺めていた。

私の瞳って、
どこまでの空間を 包み持てるのかしら?

珍しい角度の問いを見つけ、拳をはずませる。
眼球を頭の中へ引き込み 扇状に開き、景色を捉える。

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すると、頭の中に
       ポン、トポン…トン、トゥリン♪
煌めく音色が降ってきて 可笑しい。


理由を求め、瞳たっぷりに包んだ光景から 繋げられた先の記憶を辿る。
---粒々した突起が散りばめられた重厚感ある塊が、
   堂々と胸を張り 果てしなく回転する。
---優しく添えられた繊細なコームの先端は、
   否応なしに 不規則な反射で機敏に弾かれていく。


うん、そっくり。
籠った笑みが溢れる。


***

その日は 手をかざすと、
肌を通して ずっしりと水滴のまるみを感じられる、
そんな空模様だった。

柔らかく押され しなる枝の先に茂った葉々は、
否応なしに 不規則な反射で 機敏に弾かれていた。

瞳を惹きつける魅力を備える、   
--あのオルゴールの秘部とそっくり。


窓の中で広がる現実に、
ありったけの勿体をつけ 弾き煌めくの音色を重ね、
ほのかな空想世界の甘みを楽しむ。

とっても 贅沢。


時間が許すのを確認し、
ここから繋がりそうな先を 夢見心地に探し過ごす。

私の空模様が 冴えゆくのを待つ。

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