過剰忖度の弊害 (15/365)
「忖度(そんたく)」という言葉が2017年の流行語大賞に選ばれたのはまだ記憶に新しいところです。
もともと、「忖度」の意味は、新明解国語辞典には
とあります。しかし2017年には政治スキャンダルきっかけで流行したので、最近は、上司や取引先との利害関係に配慮して譲る、気を遣うというネガティブな使い方が多いように思います。
日本にはもともと「遠慮の文化」がありますよね。それ自体は美徳と言える部分もあるとは思います。上司に対する忖度も、組織の潤滑油として機能する場合もあるでしょう。
しかし、それも行き過ぎると弊害が生まれることがあります。私はこれを
「過剰忖度問題」
と呼んでいます。
ケーススタディしてみましょう。ある企業の田中さんが役員の島田さんに提案した企画案について、同僚の小島さんと会話している想定です。
(すべて架空)
ポイントは、小島さんの
の部分ですね。小島さんの配慮は適切なのでしょうか?忖度が行き過ぎると真意を見誤ることがあるので注意が必要です。特に相手が役員だったりするとこういうケースはどこの会社でも日常茶飯事です。
これは、結局コミュニケーションエラーの問題に他なりませんから、うまくいくことがうまくいかなくなりますし、様々な疑心暗鬼が派生して組織の雰囲気も悪くなっていきます。
日ごろから、フラットに会話できる環境をつくることがとても大事です。上に立つ人も自分が裸の王様になっていないか目を配る必要があります。耳の痛い進言をしてくれる部下を重用せよというのもそういうことですよね。
なんて言われてないですか?アマチュア扱いだと思いませんか?
さて、田中さんの企画の顛末です。田中さん、違う部署の部長の富山さんに相談しました。富山さんは大学の先輩で信頼できる人ですし、島田常務ともつながりの深い人です。
富山さんのようにオープンでフラットなコミュニケーションを心がけたいものです。もちろん相手へのリスペクトは忘れずに。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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