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非正規社員がプチ差別を感じる瞬間って?

最近の統計では、男性の雇用者の約20%、女性の約50%が非正規社員なのだそうです。正規社員(もしくは正社員)と非正規社員の違いは雇用形態の違いです。非正規社員は、保障が十分でなかったり、雇止めや解雇のリスクが大きいことは広く知られています。一方企業としては経営環境の変化に対応するためにある程度人材の流動性が欲しいので非正規社員の比率を増やしているという事情があります。いずれにせよ双方納得の上の雇用ならよいのですがそうでもないことが問題に闇を落としています。雇用関係の変化が社会、経済に与える影響は多大なものがあります。しかしそれを社会問題として論じるのは別の機会としましょう。

さて、ここでは非正規社員が日ごろ感じるちょっとしたプチ差別の瞬間を集めてみました。些細なことなのかもしれませんが、いらぬ劣等感や差別意識を味わったり、モチベーションが下がったり経営側から見てもメリットがないことが多くあると思います。経営者の方、人事の方、ぜひご参考としてください。なお筆者は新卒で大企業の正規社員として入社し20年あまり勤めてきましたがその後転職先で契約社員を経験しました。それまで見えなかった些細なことが見える瞬間もありました。なので一部は私の経験でもあります。

①そもそも「非正規」ってなに?
なにも「非」なんていうネガティブな文字を使わなくてもいいじゃないですか?「契約社員」というのも不自然です。正社員は雇用契約していないのでしょうか?(まあ、雇用契約に署名捺印した記憶はありませんが)

②誓約書と身元保証人が求められる
派遣会社を介した契約の場合は必要ないかもしれませんが、直接の契約の場合、更新毎に誓約書と身元保証人の署名捺印が求められます。40代で転職して80代の親に毎年身元保証人を頼むシーンを想像してください。いらぬ心配かけてしまいますよね。

③社員証の色が違う
これは結構よく見かけます。みな青いラインなのに、非正規社員は赤いラインだったりします。社員証がセキュリティカードを兼ねている場合が多いですが、セキュリティゲートは同じ権限で開けられるのに、なぜか色が違います。社内で挨拶するとき、社員証への視線を感じます。何のために確認しているのでしょうか?

④組織表の表記が違う
非正規社員でも、実力のある総合職はプロジェクトチームにも参加します。チームメンバー表を作成したり、プロジェクターで写したりするときに、非正規社員だけ表記が違うことが結構あります。例えば、カッコを付けたり、赤字にして、「赤字は契約社員」と付記したりするのです。プロジェクトの内容と雇用形態に何か関係があるのでしょうか?

⑤ボーナスがもらえない、福利厚生が使えない
まあこれは仕方ないのかもしれません。もともと年俸制だったりする場合もあるので。ただ、非正規社員の部長さんが、部下にボーナスの明細を渡すシーンを想像してください。これはちょっとキツイですよね。

⑥イベントやキャンペーンに呼ばれない
社内イベントや、キャンペーン販売などがよくありますが、非正規社員は対象外のケースが多いです。イベントの招待券が配られて、喜んだパートのおばさんが、「私も参加していいんですか?」と上司に聞いたら、「あっすみません何かの手違いです。対象外です。」と言われたらどうでしょう。周りの社員は立食パーティの料理の話をしているのに。

⑦メールアドレスが違う
さすがに連絡用にメールアドレスは供給されるのですが、名前ではない番号だったり、あきらかに非正規とわかるキーワードが付与されたりします。

⑧名刺がもらえないもしくは肩書がない
顧客対応があるのに非正規は名刺不要といわれることがあります。また一応提供されるが肩書がない場合があります。シニアの契約社員の場合さすがにばつが悪いです。

こういった非正規社員に対するプチ差別は枚挙にいとまがないと思われます。みなさんも他にいくつも思いつくのではないでしょうか?

おそらく差別する意図はなく、なんとなく、過去からの慣習に従っているだけなのかもしれません。企業の経営者、人事のみなさま、もしそうであるなら、なおさら、即刻改善してください。こういう細かな気遣いの積み重ねが社員のストレスを軽減し職場環境を劇的に改善すると思います。上記で上げた項目はどれもほぼコストゼロでできるものばかりです。

こういうプチ差別って、される側にならないとなかなか気づけないものです。現場のあなたも差別する側にまわっているかもしれません。普段の言動をぜひ振り返ってみてください。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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