意思決定と「身体感覚の言語化」。

質の高い意思決定を行えるようになりたい、というのは、多くの方に共通する望みだと思います。

そして、質の高い意思決定とはどんなものなのか?と言えば、
「しっかりした根拠があり、心の底から納得できる意思決定」
なのだと私は考えています。意思決定の結果は、やってみないとわからないことがほとんどですから、結果の良しあしはさておき、根拠の質や納得度が大事と言えるでしょう。

では、そのような質の高い意思決定を行うためには、どんなことが有効なのでしょうか。今日はそんなお話です。

迷う時、人間には何が起こっているのか?

人間が意思決定に迷った時、心身では、以下の2つが起こっていると捉えると良いでしょう。

1)思考が整理整頓されていない・混乱している

意思決定に迷った時、人の脳内ではいろいろな考えが錯綜します。頭の中が考え事でいっぱいになることも珍しくありません。いわば、頭の中が整理整頓されておらず、乱雑な部屋のようになっている状態と言えるでしょう。

2)身体が緊張・動揺する

人の身体は、思考が整理整頓されておらず混乱している時には、緊張・動揺を引き起こします。また、その緊張・動揺の強さは、精神の混乱度合にほぼ比例します。この緊張・動揺が起こるからこそ、意思が定まらないことを俗に「ハラが決まらない」と呼んだりします。

思考の混乱や緊張・動揺を生み出すものは何か?

意思決定の場面で、上記のような思考の混乱や身体の緊張・動揺が起こっている時、その背景には、

「身体感覚として感じているけれど、まだ言語化されていない情報」

が存在しています。例えば「言葉には出来ないけど、何かモヤモヤする」なんて感覚を抱いたことは多くの方が経験していると思いますが、これも「身体感覚として感じているけれど、まだ言語化されていない情報」がある典型的なケースのひとつです。

そして、この「情報が言語化されていない」ということ自体が、思考の整理整頓と意思決定を妨げるボトルネックになっている(と同時に、身体の緊張・動揺も引き起こしている)ことがほとんどです。

逆に言うと、この言語化されていない情報を言語化していく(身体感覚を言語化して行く、と言っても良いです)ことが、思考の整理整頓を進め、質の高い意思決定を行う鍵となります。

「身体感覚の言語化」を行う具体的方法

身体感覚を言語化していくためには(noteで書ける範囲では)、以下の2つを並行して行っていくことが有効です。

1)意思決定に関わる情報・考えをノートなどに列挙していく。ノートなどに意思決定に関わる情報・考えを書いて行くことは、既に言語化されている領域の情報を整理整頓し、言語化されていない身体感覚を言語化するための余裕を心身にもたらします。

2)散歩など、身体を積極的に動かすことで、身体の緊張・動揺をほぐしていく。散歩などを通じて、緊張・動揺をほぐしていくことは、身体感覚を積極的に感じ、言語化を進めるのに非常に有効です。

「感覚の言語化」が出来ると「ハラが決まる」。

身体感覚の言語化ができると、思考の整理整頓を妨げていたボトルネックが消失するため、意思決定のプロセスは大きく前進します。それとほぼ同時に、その感覚が生み出していた身体の緊張・動揺は収まり「ハラが決まり」ます。

このようなプロセスを経てなされた意思決定は、根拠がしっかりしており、本人にとっての納得度も高く、身体の深いところからの安心感・信頼感・スッキリ感などを与えてくれるものとなります。

逆に、言語化されていない身体感覚をそのままにしてなされる意思決定では、このような感覚はまず得られませんし、意思決定の根拠も不明確なままになりがちです。

「身体感覚の言語化」を活用した意思決定で得られる感覚には特有のものがあるため、ある程度慣れると、自分が本当に身体感覚を言語化できているか?質の良い意思決定が出来ているか?をかなりの精度で自己診断することも可能になります

「感覚を言語化する力」が、意思決定力を高める。

身体感覚を言語化する力は、意思決定の場面で実践を繰り返すごとにどんどん高まります。そしてその力が高まることは、意思決定力をダイレクトに高めてくれるものです。ご興味ある方は、ぜひ実践してみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?