粕汁をつくりました
年明け早々心の病の不調が続き、もともと正規でもない労働者として使い物にならなくなってしまった。
そのうえ実家にいさせていただくのが申し訳ないので、いい加減料理を始めてみることにした。この家における自分の価値が欲しかった。
先週の木曜日の昼頃、夜勤を終えた母が、「粕汁が食べたい」と材料を買って帰ってきた。
「カスジルとは何?」状態の私に、母が以下のレシピを見せる。
(参考にさせていただきました。)
なるほど、酒粕の汁物かと分かったが、食べたことのない私に味付けまで任せてよいものなのだろうか。
不安な私をよそ目に、起きたら粕汁が出来上がっていることを期待して、のんきな母は眠りについた。
料理初心者&粕汁初見の私は、レシピを全力で信頼し、身を任せて作り始めるしかなかった。
1、鮭の処理
まず鮭に熱湯をかけ、くさみをとるところから始まるのだが、それすら人生で初めて行う作業である。
綺麗な真オレンジの鮭に豪快に熱湯をかける。すると鮭の表面がゆでた後のような色に変化して、そんな変化がおこると予想すらしていなかった私は大焦りした。
2、野菜を切る
次に大根、にんじん、しいたけを切っていく。
しいたけを石づきをとり薄切りにすると、汁物でよく見る形になった。
大根とにんじんは短冊切りにする。短冊切りもピンとこなかったが、調べたら効率よくうまくできたと思う。
そして切った野菜たちを鍋に入れる。家族分作るので、非常に大きな鍋を母が出してくれたのだか、なんだか炊き出しを行うような鍋だ。
3、酒粕、牛乳、味噌を混ぜる
次は味付けに使用するものをあらかじめ混ぜておく作業だ。
酒粕と人生初対面を果たす。
昔ながら和食に使われるものということで、味噌などと同じような見た目だと勝手に思っており、なんだか想像とは違う見た目だなぁという印象がした。
これを溶けやすいよう細かくちぎるのだが、チーズに似たにおいがして不思議な感じだった。
そしてちぎった酒粕、あたためた牛乳、味噌をなめらかになるまで混ぜる。
4、野菜を煮て、味付けをする
野菜を入れておいた鍋に出汁を入れ、火にかける。
野菜が柔らかくなったら、切った鮭と3で混ぜたものを投入する。
しばらく煮込んだら完成だ。
さて、味見なのだが、前述したとおり粕汁を食べたことのない私が味見をしてよいのだろうか。
味の正解がなにひとつわからない、そもそも口に合うのかすらわからないが、一口飲んでみる。
おいしい。粕汁ってこんな味なのか。
酒粕の味ははじめてだが、まろやかで優しい。
正しいかはわからないがこれで良しとし、特に味の調整はしなかった。
少しの量の味見でおいしいとは思ったものの、正直どれくらい食べられるか不安だったが、最近あまり計画性のない私は思い切ってどんぶりに盛り付けた。
結果、しっかりおいしく食べきることができた。味見の時と変わらずまろやかで優しく、全然しつこくなかった。
特に汁がおいしくて、具材を食べていたいというより汁を飲んでいたいという気持ちが大きかったので、次は汁多めに作ることを母に提案したら、具が食べたいと却下されてしまった。
しかし私はこの食べ物に思ったよりハマってしまったなぁと感じる。あまり早くにリピートすると、家族から不満が来るかもしれないので、期間を開けてからまた作ろうと思う。
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