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好きなお笑い 〜ルーツ編〜

1. 第一次テレビっ子時代(1980〜1990年代)

あの頃はコント番組がたくさんあった。ドリフもたけしもさんまもとんねるずも邦子もダウンタウンもウッチャンナンチャンも、みんなコントをしていた。
雷様、ひとみばあさん、仮面ノリダー、十二単衣に着替えたら、放課後電磁波クラブ、キャシィ塚本、板尾係長、マモーミモー、CHAKE and YASKA…、挙げればキリがないほど好きなコントがいっぱいある。
日常に潜む面白さを深掘りしたり、現実ではあり得ない生き物を生み出したり、毎日のようにシュールでおかしな世界が堪能できた。

また、アドリブやハプニングで予期せぬ展開になるのも好きだった。出演者たちが一瞬現実に戻って吹き出しつつも、なんとか演技を続けようとする姿が楽しかった。特に『ひょうきん族』でたけしさんとさんまさんが、『ごっつええ感じ』でダウンタウンの二人が、お互いアドリブで牽制し合いながらやり合う様子が好きだった。

中学受験のため、ゴールデンタイムに塾通いとなってしまい、一時期お笑い番組が軒並み見れず、私はしょんぼりしていた。しかし深夜まで真面目にせっせと勉強することで、今まで見れなかった深夜番組を見るチャンスが訪れる。
『タモリ倶楽部』はその時に出会い、以来大好きな番組となった。マニアックでシュールでおかしなことを真剣に語る大人がいっぱい出てきて、それが楽しかった。

受験を終え、自ら音楽を聴くようになる頃、ちょうど『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』や『うたばん』など音楽バラエティ番組が始まった。
フリートークが苦手だったミュージシャンの方々にとっては大変な番組だったと思うけど、曲とトークのギャップがあればあるほど人間味があって面白いなと思っていた中高生の私は、とても楽しく見ていた。

2. 観劇時代(2000年代)

大学・バイト・就職と多忙になり、気付けばテレビ自体、見る機会が激減していた。
そんな折、ラーメンズというコント師を教えてもらう。だが、私が幼少期に見ていたコントとはまるで違っていて、めちゃくちゃ驚いた。
彼らはセットや小道具をほぼ使わずに、限られたセリフ量で、コントの情景を舞台上に浮かび上がらせていたのだ。
こちらの想像力に委ねて貰えることの楽しさを知ってしまった私は、ラーメンズ関連のDVDを片っ端から観つつ、チケットが取れれば劇場へ足を運ぶようになる。

観劇三昧の2011年6月、片桐仁さんが出演する舞台「totsugi式」を観に行く。作・演出をしていたのは、TEAM NACSの戸次重幸さん。
当時私はTEAM NACSを知らず、「へぇ〜大泉洋(=うたばんに出てた人)と同じグループの人なんだ〜」くらいの認識だった。ところが舞台を観て、戸次重幸の魅力と面白さを知ってしまう。
そこからTEAM NACSに興味を持ち、『水曜どうでしょう』『おにぎりあたためますか 』『ドラバラ鈴井の巣』『ハナタレナックス』と片っ端から視聴。メンバー同士で牽制しながら行われるフリートークは抜群に面白く、役者の顔とのギャップに完全に惹かれていった。

3. 第二次テレビっ子時代(2017年〜現在)

バラエティが大好きな旦那さんと出会い、二人でお笑い番組を見る日々が始まる。

ある日『ゴッドタン』で「この若手知ってんのか?」という企画を見ていた。そこで初めて「ランジャタイ」という漫才師を知る。
突拍子もない設定なのに、マイムが上手いから分かるなぁ、と思ったものの、何故か見終わった頃にはネタの内容が思い出せず、さらにその後しばらく存在を忘れる。

しかし『にちようチャップリン』でヤンキーを折り畳んで鳩のエサにするネタ、『ネタパレ』でカジキマグロが何匹も体に刺さってしまう人(+手作り目玉親父を抱えた鬼太郎がチラ映り)、『有田ジェネレーション』でラーメンどんぶりからT.M.Revolutionが「HIGH PRESSURE」を歌いながら出てくるネタを見て爆笑。
ここまで来てようやく、私はランジャタイを認識し、好きだなと認識する。

彼らが出場した2021年末のM-1決勝は、テレビの前で思わず緊張&正座視聴していたが、大舞台でいつも通りはちゃめちゃに楽しみ、周囲を笑顔にしていく本人たちを見て、すぐに足を崩した。
と同時に「なんて最高な人たちなんだ!」と思い、その人懐っこい人間性含めて、より惹き込まれていくことになる。

よくよく考えてみれば…
・幼少期から好きなシュールな世界
こちらの想像力に委ねて貰えるマイム
・そんな我々の想像を牽制する様な
 アドリブ満載の予期せぬ展開
ギャップのある人間性
があるのだから、そりゃ私ハマるよね!と納得。
10月からついに冠番組が始まるとのことで、めちゃくちゃ楽しみだし、今後も楽しくテレビが見られそうで何よりだ。