見出し画像

不満の持つ魅力

不満買取アプリというものを知っているだろうか。誰でも自由に不満を書き込み、それを買い取ってもらうというものだ。例えば七味唐辛子に対して「賞味期限までに使いきれないからもう少し小さくして欲しい」などとジャンル問わず自由に書き込みが可能で、共感したものに「いいね!」を付けることもできる。

このアプリと出会ったきっかけは新規事業立ち上げに関しての本だ。不満から着想を得るという事業の作り方の中で、このアプリが紹介されていたのだ。いろいろな意見を見てみると、思わず「それは仕方なくない!?」と笑ってしまいそうなものもあるが解決策を立ち止まって考えると頭の体操のようで面白い。

「カップ焼きそばUFOの塩分濃度が高すぎる。たまに食べたくなるから減塩タイプが欲しい。」といったピンポイントのものもあり、この投稿には多くの共感が集まっていた。

不満買取アプリを見る様になって感じたことは自分の視野の狭さだ。外注もスタンダードになってきているのに、自分に見識のある分野にばかり目が向いていたと反省した。なんでも手を出せばいいわけではないが、関心は広く持っておくことで入ってくる情報量も多くなってくる。

話は私の不満に映る。私はマッサージが好きで、疲れを感じるとマッサージを受けに行く。基本的に同じところに行くのだが、出先でふらっと店に入るのも好きだ。

しかし、出先でのマッサージは始まってすぐに帰りたくなることも少なくない。腕がない人に当たってしまったと一度感じると、そこからは残り時間が早く過ぎて欲しい。せっかくの贅沢が我慢に急変するのだ。

最初に疲れているからと長めのコースを選んで、下手な人に当たってしまったら最悪だ。逆に、この人ならもっとやって欲しいと感じたのに、延長ができないパターンもある。

「初めに1分でもマッサージを担当いてくれる人との手合わせがあってからコースを選べるようにして欲しい!」という不満が自分の中にあったことを知った。

不満買取アプリで頭の体操を始めたら、普段流していた不満に注目するようになり、解決策を考えるようになっていた。すると、「自分がマッサージ店を経営するなら淡路島のロケーションを活かして、カップルで楽しめて、、、」などと無意識に発想を膨らませていたのだ。

今回の本のように、何か情報を得た時に意識しているのは、とりあえず行動に移すところまでやってみることだ。本を何冊読んでも行動が変わらなければ意味はない。自分の考えを入れずに一回は素直に受け止めることの重要さを再確認できた。

アウトドア施設というBtoCの接客を伴う事業をしていると、クレームは避けたいと感じてしまう。しかし、そんな声こそ価値があるという当たり前のことを今一度意識しようと思えた出来事でもあった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?