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淡路島日記36【回顧編】淡路島の自転車のおじさんがヒーローだった

淡路島にきて
思うことは、人が親切。
みんなじゃないけどたいていの方が親切です。

・ジョーシン電気の店員さん
・淡路くらし総合相談の方々
・三井住友銀行の銀行員の方
・平松食堂のオーナーさん
・別所水産の方々
・川上不動産の方
・八木牧場のオーナーさん

みんな親切にしてくれます。

親切をするときに労をおしまない。でもこのことに驚きはありません。
淡路島の人が親切なのは、ずっと昔から知っていました。

それは、小学2年の夏休み。
大阪から家族旅行で淡路島に来ました。
当時はまだ、明石海峡大橋がなく大阪からフェアリーに乗ってきました。
車をフェリーに乗せ、洲本港に到着し観光などを楽しんだんだと思います

ずいぶん昔のことであまり色々なことは覚えていないのですが、その旅行の中でとても思い出深い出来事が起きました。

車をどこかに停め、観光か何かをして戻ってきたら、父親がカギがないと言います。なんとカギが車の中にぶら下がったままになっていました。

そうです。父親が車のカギを車の中に置いたままカギをロックしてしまっていたのです。

昔の車は、今とは違って、ドアノブのところを手で引きながらドアを閉めるとカギがロックできる仕組みでした。
それをする時にカギを車の中に置き忘れてしまうともうカギを開けることができなくなってしまいます。
観光に来たのに、車に乗れない最悪の事態に父もかなり焦っていた。

狼狽しながらどうしようかと家族でオロオロしていたその時

向こうから自転車に乗ったおじさんがのろのろとこちらにやってきました。

どうしたんや?
と声を掛けられて父が事情を説明すると、そのおじさんは、

何か期待できるような頼りがいのある表情をしました。

そして「ちょっと待っとき」

と言って、またのろのろと自転車に乗って去っていきました。
それからかなり時間が経っても戻ってきません。
諦めかけたその時、

向こうから、またのろのろとおじさんが戻ってきました。

右手には、細い棒を持っています。先がU字型に曲がった針金でした。
そこからの動作が神業のように早かったです。

その針金を運転席のガラス窓の下の隙間に深く差し込むと
”くいっ”と引き上げました。
そしてら、”ガチッ”という音とともに車のロックが見事に解除されました。

おー!と感動していたら

おじさんは、何事もなかったようにそのまま自転車に乗って右手を軽く上げ、またのろのろと来た道を去っていきました。

子供心に強烈に印象に残るカッコよさでした。

淡路島旅行で鮮明に覚えているのはこの出来事だけです。

子供の頃のこの記憶が僕を淡路島に連れてきたのかもしれません。


今日もお読みくださりありがとうございました。


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