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2023年11月の記事一覧
世の中に人の来るこそうるさけれ とは言うもののお前ではなし
朝、目が覚めるたびに思う。「今日こそは誰一人とも口をききたくない」と。
会話という行為には、とてつもない労力がかかる。幼稚園生のとき、家族で通っていた銭湯のおばちゃんに「ここのおふろはあついから、つぎはほかのおふろにいくの」と言った。おばちゃんは申し訳なさそうな顔をして、母はそれに恥ずかしそうに頭を下げていた場面を憶えている。
中学生のとき「一緒にトイレいこ」と声を掛けてきた同級生に「ト
「ありがとう」の呪い
西日がほとんど沈みかけていた。
私はいつものようにアルバイトに向かうべく、最寄りの駅へ向かう。到着して車から降りると、改札からは、今日の勤務を終えた人々が湧き出るように流れ出ているところだった。
ちょうど下りの電車が行ったところなのだろう。多くの人が一日の務めを終えたなかで、私はそれと反対に、上りの電車に乗って行かなければならない。
ガールズバーで働いていたときは、出勤が終電間際の時間だった