「自分との対話」が一人では難しいのはなぜか
わたしたちの中には「いろいろな自分」がいる。
たとえば、「新しいことに挑戦してみたい自分」と「失敗を恐れる自分」。
こんな風に対立する自分の声が次々に出てきていると、
「やってみたいけれど、でもこんなことが起こるかもしれないし・・・でもやっぱりやってみたいけれど・・・」といった風に、考えの堂々巡りが起こる。
堂々巡りはアクセルとブレーキを一緒に踏んでいる状態でもある。
アクセルとブレーキを一緒に踏むことでエネルギーが消費され、やりたかったことだけでなく、日常生活に向ける元気もなくなってしまう。
なんてことがわたしたちには日々起こっている。
そんな状態を脱する後押しになるのが「自分との対話」だ。
「自分との対話」と聞くと、「自分」という確固たる一つの存在があってその声を聞く、というように思うかもしれないけれど、実際には自分の中にあるいくつもの、時に矛盾していたり対立する声をそれぞれ聞いていく、ということが「自分との対話」であり、それによってわたしたちはより自分らしく、心が望む人生を生きることができるようになる。
とはいえ「自分の中の声を聞こうと思ったけれど、結局やっぱり堂々巡りになってしまった」ということがよく起こる。
自分の中にあるいろいろな声をしっかりと聞くことは意外と難しい。
なぜかというと、わたしたちの中には「いい感じに結論を出そうとする自分」がいるためだ。
「そうは言っても現実的には・・・」
「いろんな人にお世話になってきたし・・・」
「相手は相手の言い分があるだろうし・・・」
etc…
「いい感じに結論を出そうとする自分」は一見、バランス良く全体を見渡している視点を持っているように見える。
だからついつい、この声が出てくるとわたしたちは「そうだよね」と自分を納得させてしまう。
でもどこかで納得していなかったり、想いが残っている自分がいて、また同じテーマが何度も頭の中にやってくる。
実はこの、「いい感じに結論を出そうとする自分」も、自分の中にある「いろいろな自分」の一つ。
だから、この自分だけの言うことを聞くのではなく、この自分も含めて、やっぱり「いろいろな自分」のそれぞれの言い分を、しっかりと聞く必要がある。
ところが、この「いい感じに結論を出そうとする自分」の力は結構強烈で、自分ではそんな自分が出てきていることになかなか気づくことができない。
そんなとき、全ての自分の声を、平等に、フラットに聞いてくれる誰かの存在が前進の後押しになる。
自分だけだとついつい「そうは言っても・・・」となるところを、「こっちの声をもう少し聞いてみましょう」「あっちの声ももう少し聞いてみましょう」と引きとどめてもらうことで、それぞれの声をじっくりと聞くことができるようになる。
ただし、そんな風に引きとどめることができるのは、聞いている人がその人自身の中にもある「いい感じに結論を出そうとする自分」の存在に気づいていることが必要だ。
そうでないと、お互いの中にある「いい感じに結論を出そうとする自分」同士が結託して、結局他の声を深く聞くことができなくなってしまう。
まずは、少し立ち止まって
自分の中にはどんな声があるかな?
今出てきているのはどんな自分かな?
と耳を傾けてみる。
自分の中のあるいろいろな自分の存在に気づくことができると、それぞれの声にも耳を傾けやすくなる。
自分の中にあるいろいろな声をしっかり聞いていきたい方、関わる人が自分の中にあるいろいろな声を聞いていくことを後押ししたい方にはこちらの本がおすすめ👇
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