クイーン×ディズニー考察①
クイーンとディズニーには、密接な関係があるとにらんでいます。
特にクイーン初期(1973~1978年)の作品には、ウォルト・ディズニーが関わっていたころ(1920年代から1967年)の古典・長編アニメーションの影響がサウンド面などに若干みられると思います。
まずは、シンデレラやピーターパンといった、ディズニー長編アニメーションの歴史を振り返りたい。
ディズニー
特に旧ディズニーで注目したいのは、音楽が素晴らしいということです。
アニメもストーリーも当然素晴らしいですが、音楽の要素もかなり大きい。
楽しい音楽ももちろんあるが、魔法のようなロマンティックな雰囲気を作り上げている。
そもそも、最初ディズニーは「シリー・シンフォニー」やミッキーなどの出てくる白黒の短編アニメをやっていました。
ディズニーの歴史
※ディズニーのガチなファンではないので、いくつか間違っているかもしれません。ご了承ください。
1.短編映画時代
1931年にシリー・シンフォニー・シリーズの「花と木」でアカデミー賞をとりました。
その後も毎年のようにこのシリーズで次々とアカデミー賞をとり、
次に作ったのが、「長編アニメーション」です。
2.長編アニメーション開始
1937年に初めて長編として作ったのが「白雪姫(snow white and seven dwarves)」です。
これが大ヒット。
制作費は当時の約150万ドル(1ドル100円なら1億5千万円)で、興行収入は4億ドル以上で、300倍くらいのもうけ(?)です。
その後も1940年代は「ピノキオ」や、芸術とさえ言える「ファンタジア」などを発表。
制作費は前作の1.5倍ほどで、前作ほどではないが5分の一くらいヒットする。
「ダンボ」でちょっと制作費も収入も減るが、
「バンビ」でまた中ヒット(「白雪姫」に比べ、制作費も収入も半分強で、300倍もうけ)。
これらの作品が戦前のものというのがまず驚きですが。
当時子供の私はこれが自分の生まれるはるか前のものと知らず見ていました。当時(4,5歳ごろ)は古い時代のものが生理的に嫌いだったのに、気づきませんでした。むしろ気づいていたにせよ、この古さはカッコよしでした。
3.戦時中
その後は第2次世界大戦も始まり、ラテンアメリカのプロパガンダなども関わりつつ、南米風の作品や、「ミッキーの豆の木」など数分の短編アニメをつなぎ合わせた様な作品が続き、これは制作費とトントンくらいの収入で、ヒットというほどではなかった。(しかしビジネス面では南米での知名度は上がったと思う。しかも一部実写。)
しかし実はここら辺は大好きな作品です。
4.黄金期とウォルト兄弟の死去
そして1950年、「シンデレラ」を発表。
これこそ、ウォルトがやりたかった作品。
これは、製作費は「白雪姫」の2倍と、肝入りだっただけあって、数年ぶりの小ヒット。
(同時にディズニー初の全編実写映画の「宝島」も発表。)
その後も、毎年のように、
アリス、ピーターパン、わんわん物語
を発表し、製作費はどんどん上がり、収入も小ヒットを維持していく。
次の、「眠れる森の美女」は製作費600万ドルと、当初の4倍に踏み切ったが、収入は下がってしまった。
しかし次の「101匹わんちゃん」では、「バンビ」以来の中ヒットになる。
製作費400万ドルくらいに戻したが、2億ドルの収入。つまり50倍。
今でもビラン(悪役)「クルエラ」も人気ですね。
次の「王様の剣」は流れから言うと収入効率まあまあなものの、
1966年に65歳で、ウォルトが亡くなると、1967年公開の「ジャングル・ブック」は遺作となり、中ヒット。
(64年には実写を含んだ「メリー・ポピンズ」発表)
1950年の「シンデレラ」からここまでを、ディズニー「黄金期」というらしい。
5.黄金期と暗黒期
ウォルト亡き後も、何とか維持していく。
兄(ロイ)が引き止められてアニメーションを続け、
「おしゃれキャット」は、まあまあの収入に。
71年にロイも亡くなり、予算を下げ「ロビン・フット」を発表し、すごいヒットとはいかなくても、製作費の20倍くらいの収入にまで回復。(「ロビン・フット」は52年にすでにディズニー実写されてる)
プーさんの完全版と一緒に、「ビアンカの大冒険」を発表すると、もうけ60倍になり、
その次になんと、
制作費を1200万ドルにしてしまう。ビアンカの10倍だ。
しかし収入も維持する。
そして次回の「コルドロン」では4400万ドルにしてしまう。
結果は初の赤字。収入は2100万ドル止まり。
ここれへんから暗黒期と呼ばれる。
かつてのアニメ・スタッフが抜け、独立してしまい、敵となる。
次回作はまた、製作費を1400万ドルくらいに戻し、赤字は免がれる。
次に3000万くらいにしたが、今度も大丈夫。
そしてついに、ルネッサンスが訪れる。
6.ルネッサンス(第二黄金期)
1989年、リトル・マーメイド。
アンデルセンの童話「人魚姫」をベースに現代風に生き生きと表現。
制作費は4000万ドルに戻してきたが、これは黄金期以来の中ヒット。
ウォルト兄弟が不在でも、ヒットすることを証明した。
白雪姫から始まり、シンデレラ、アリス、オーロラ姫(眠れる森の美女)などの系譜をくみ取って、久々に女の子や姫が主人公。
この主人公アリエルも、ディズニー・プリンセスとも呼ばれる。
1992年は、「美女と野獣」。
これは、初めて、超えられなかった処女作「白雪姫」を数字の上で超えた(当時の値段では感覚は違うかもしれないが)。
プロモーションの歌では、カナダの世界的歌姫セリーヌ・ディオンと、歌唱力の素晴らしいピーボ・ブライソンのタイトル曲も有名になる。
美女ベルは、黄色のドレスの似合うディズニー・プリンセスになる。
そしてついに訪れる転換期。
7.アラジン
1992年、「アラジン」。
監督はジョン・マスカーとロン・クレメンツ。
ウォルト亡き後に、ついに大ヒットした。
主人公は昔のアラビアの青年、アラジン。
ベースの物語は、「千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)」の「アラジンと魔法のランプ」。(スピン・オフともいわれている。)
ヒーローはいるものの、ディズニー・プリンセス「ジャスミン」も登場し、ピーターパンのウェンディのようなヒロインと言える。
ウェンディは時には勇敢で行動的なものの、割と母性の方がピックアップされるが、ジャスミンは姫でありながら自由な発想を持った自我をしっかり持った女性として描かれる。
ヒーローの相棒、ランプの精「ジーニー」も大変個性が強い。
この作品の特筆すべきことは、初めて中東が舞台となったこと。
しかも、中東の中でも、太古の旧約聖書やクレオパトラ関連など、よくある「エジプト」などではない。
ディズニーは童話ベースが多いので、昔のヨーロッパが舞台なことが多く、他に、提携先の南米、ジャングル、ディズニー兄弟亡き後もニューヨークなどはあったが、アジア系は初めて。しかもアラビア。
主題曲「ア・ホール・ニュー・ワールド」も大ヒットし、アカデミー歌曲賞を作曲者アラン・メンケンがティム・ライス氏とともに取得。
挿入歌もアラビア風のサウンドで、雰囲気を作り上げている。
アラジンがディズニーという会社にとって大成功だったのはわかるが、なぜわたしがこれほどにピックアップするのか。
それはクイーンに関わると思うからだ。
アラジンの話はおいておいて、次に進もう。
8.ライオン・キング(1994)
次回作が、前作を超えて大ヒットした「ライオン・キング」。
制作費も収入もアラジンの倍。
ミュージカルでもロング・ラン。
ジャングル・ブックなど同様、アフリカが舞台。
主人公はバンビ、101、わんわん物語などのように「ライオン」という動物。
ストーリーはバンビを思わせる。鹿王の子が、ライオンに置き換わる。(もしかしたらバンビに影響を受けた手塚治虫氏の「ジャングル大帝」も。)
エルトン・ジョンが作曲した主題歌は、前作と同じ、ティム・ライスさんが作詞。
そう、どちらもフレディに関係のある人物。
とにかく、「アラジン」、「ライオン・キング」の2つはディズニーにとって、長らく打ち破れない大記録を打ち立てた。
次に進もう。
9.第2黄金期その後
1989年のリトルマーメイドから始まったルネッサンスは、'92年アラジン、’94年ライオンキングでピークを迎える。
しかし、リトマから10年の間1999年まで、毎年のように、ヒット作を打ち出す。
’95~99年まで、ポカホンタス(ネイティブ・アメリカの女性)、ノートルダム(フランスの背むし男とジプシー女性)、ヘラクレス(ギリシャ神話)、ムーラン(古代中国女性)、ターザン(アフリカ)。
私も子供時代の90年代以降にほぼすべて見ている。
しかしライオン・キング後も、ヒットといえる収入は維持しているが予算も上がっていく。
9.2000年から
2000年は、初心に帰り、「ファンタジア2000」から始まる。
ルネッサンスから比べて、あまり大ヒットしない期間が続く。2002年のスティッチがキャラとしてヒットしたくらい。
しかし、2000年代は、アニメだけでなく、続けていた実写もヒットする。
パイレーツ・オブ・カリビアンのシリーズや、ナルニア国物語などなど。
また、ピクサーと共同で、「トイ・ストーリー」や「モンスターズ・インク」などCG作品を作ったり。
または’83年からのディズニーチャンネルで、未来の歌姫キッズなどとドラマを作ったりしている。
クリスティーナ・アギレラやブリトニー、ヒラリー・ダフや、マイリー・サイラス、アリアナ・グランデなどなど。その映画も作ることも。
このように長編アニメ以外でも多角経営する。
そしてCGに移行する。
10.CGヒット期(2009年~現在)
最近の大ヒットはアナ雪。2013年の「アナと雪の女王(Frozen)」だ。
当時姉がアメリカにいたが、現地でかなりすごかったという。
ヒット期は、「プリンセスと魔法のキス」から始まる。
監督はリトマやアラジンのジョン・マスカー、ロン・クレメンツのコンビ。
2009年。主人公は初めてのアフリカ系女性。
その後ラプンツェル。
これもヒット。
新たなディズニー・プリンセスの誕生。
そして、
アナ雪。
エルサの「Let It Go(ありのままで)」は、レリゴーとして大ヒット。
「ウィキッド」などミュージカルの実力派女優「イディナ・メンゼル」さんがプロモーションとして歌います。
エルサという、最初、悪役設定だったアナの姉の生き方が共感を呼んで話題となった。
これは、後期ディズニーが、「アラジン」・「ライオン・キング」の記録を単独の力で打ち破った瞬間だと思われる。
そして、その後もベイマックスやズートピアなどヒットを飛ばす。最近はアナ雪2も。
また、旧アニメ作品の実写版もヒットしていて、
アリス(アブリル・ラヴィーン作詞曲)や、シンデレラ。
ハリポのハーマイオニー役のエマ・ワトソンさんがでた「美女と野獣」も大ヒット。アリアナ・グランデが主題歌をうたう。
ジャングル・ブック。
2019年は「アラジン」も実写化され話題に。
アンジェリーナ・ジョリー演じる「眠れる森の美女」のビラン(悪役)「マレフィセント」や、前述の101のビラン「クルエラ」も話題に。
ちょっと古いけど「ライフ・オブ・パイ」など全く新しい映画もちょこちょこ話題になります。
ドラマも、子供以外の作品も次々出ています。
医療系の「グレイズ・アナトミー」や、「デスペラードな妻たち」など。
映画「ボヘミアン・ラプソディ」もディズニーが20世紀フォックスを買収した影響で、ディズニープラスで配信されているようです。
このように、最近の詳しい動向はチェックしていませんが、ディズニーは復活を果たし。もう手の付けられないくらい巨大な会社になっています。
クイーンも少し似ています。
ここまでがざっとした歴史です。
本題
それでは、なぜ、ディズニーやアラジンがクイーンに関係あるのか。
というかありそうだけど、本当なのか、そこら辺を次回今までのクイーンの楽曲の考察とともに述べたいと思います。
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