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キラークイーン意訳

キラークイーン和訳


(指パッチンで、時計の音)

「彼女」は、モエ・エ・シャンドン(フランスの同名会社の高級シャンパン)をキープしている、

自分の美しい飾り棚(キャビネット=内閣)に。

「ゲストの方々にケーキを召し上がっていただいて」、

口ぶりはまるでマリー・アントワネット。(フランスの元クイーン、史実ではないようだが「パンがないならブリオーシュ」という言葉が有名。革命で断頭台の露と消えた)


(「オー、シャンゼリゼ」の類似メロディ)

コース料理のように完璧に組まれた治療法、

クルスチョフ(フルシチョフ、ロシアの元政治家)とケネディ(キューバ危機時、前者と戦った元米大統領)のための。

いつでも、この素晴らしい宴(ショー)への招待状が、

あなたは断れない。


(ハープシコード)

キャビア(ロシアの高級珍味)に、煙草

洗練された作法

抜群に素敵


(コーラス)

彼女はキラー(最高の)・クイーン、

火薬、ゼラチン(透明できれいな色のついたゼリーや爆弾の原料、ギロティンguillotineに発音が似ている)

ダイナマイト(爆弾、非常に面白い人物、トラブル・メーカー)、レーザー光線付き

あなたの常識を吹っ飛ばすこと請け合い

いつでも

高く感じるかもしれないけどこの値段なら全然お安いほうですよ

めくるめく、食指が動きっぱなしの世界

お味見いかが?


2.

いざこざを避けるため、

彼女は決して住所を定めなかった

(レジスターの音、ガシャガシャガシャ、チーン、引っ越しによりお金がいくらでもかかる)

会話では、まるで男爵夫人のような口ぶりだった


中国からの殿方に会った、それから下って、

「九官鳥」の異名を持つ七色の声色を使い分ける漆黒の着物の粋な芸者「舞那」にお辞儀

それから、ふたたび、偶然に(サプライズ)。

もしあなたがそういうのがお好みなら。


パリ(フランスの首都)のオー・ド・パルファムが自然にただよった。

車たち。彼女は気にせずにはいられなかった

微に入り細を穿つ、完璧主義


(コーラス)


(ギターソロ)

(ピーターパンのフック船長の時計ワニのテーマ→ウクレレ風ハワイアン、ワウペダル)


帽子が落ちるやいなや

彼女は先ほどからのすました顔から喜んで瞬時に準備完了になる

(猫の疑似ギター音)

動くものに本能的にとびかかる遊び好きな愛らしい子猫のように。


そうかと思えば次の瞬間にはぱったり行動を止め、

また瞬間、ガス欠のようにしゅんとしおれたり。

確実にあなたを野性的に狩り立ててくる。

彼女は準備万端。あなたを狙って動き出している

(「キラン」というギター音)


(コーラス)

お試しあれ

(ヘリコプターのようなギター)


キラークイーン裏話妄想

このキラー・クイーンには色んな逸話があってとても語りつくせない。

1.時間はピッタリ3分。

2.この曲はクイーンがまだヒットしていない頃の1974年、ブライアンの肝炎で、クイーンの初のアメリカでのチャンスをフイにして帰国の後、病院に何カ月もいる間に他のメンバーたちによって作成され、彼が復帰して完成した、その後も十二指腸潰瘍で倒れたが。なのでギターソロ以外はギターが少ない。ブライアンは治らなかったら見捨てられると思い、他のメンバーはブライアンが戻らなかったらどうしようと思いながら過ごしていたと思われる。

3.ブライアンがクイーンの曲で一番気に入っているギター演奏はこのキラークイーンだと言う。しかし、初めて病室かなんかで聞いたときは、あまりに軽々しい感じで不安だったという。

4.キラー・クイーンがヒットして、マネジメント側は似たような曲を作ってくれと頼んだが、同じフォーミュラ(公式)は使わないという姿勢をとった。これは映画「ボラプ」でも見られる。レディガガで言うところの「バッドロマンス」だ。そして「ボラプ」が作られる。

5.ライブではメドレーの一部としてギターソロまでの2番までしか演奏されない。弾き語りで「パリ」の香水のところは、会場によってロンドンやトーキョーに変えて歌ってくれる。レディガガでいうブライアンとの共作”You and I”も、弾き語りでネブラスカをトーキョーのバーにしたり、ウィスキーをサキ(sake)に変えてくれたりする。この曲はブライアンの「手をとりあって」と同じく、アフター2011年3.11の日本を支えてくれた。誰も放射線汚染の日本に来ない紅白に現れ、ボーン・ディス・ウェイとともにパフォーマンスしてくれた。ビデオ出演だったが、SMAP SMAPには生演奏。タイトルのYOUのドイツ語の:oみたいな文字は、モエ・エ・シャンドンのフランス語の文字にも見られる。

などなど。


特に、シアーハートアタック制作あたりはかなりドラマチックで、仲間の危機やマネジメントとの見えない闘い、リードとの出会い、夜明け前といった感じで心を揺さぶられる。

もっとここら辺を重点的に映画化してほしい。


そんなことを思うキラークイーンであった。


ありがとうございました。

文法解説


まずタイトルのkiller Queenについて。


killは「殺す」だけではない。

痛みや電気などを消す、なくす、怒らせる、困らせる、笑い死にさせる、時間をつぶす、など、日常でもよく使う。

クイーンやフレディの詩にもよくでてくる。love killsとか、kill for your love、To much love will kill youなど愛の関係や、デスオントゥーレッグズのkill joy(「興ざめ」が表面上の意味)、ライブレコーディングのlive killersなど。


形容詞killerは、しゃべり言葉で「cool(いいね)」みたいな意味で使われる。

ロジャーさんは、フレディの弾く「ボラプ」のさわり「ママ~just killed a man」をはじめて聴いたとき、あとの苦労も知らず「killer!」とほめたので、ロジャーさんの口癖かもしれない。

名詞は、殺人者のほか、lady-killer(魅力的男性)という言葉もある。


「クイーン」は言わずもがな。彼らバンドのこと、または彼らの見えないリーダー。

Killer Queenは、どちらも、「k(クッ)」というKの発音で始まる。



詩の一番。


最初の言葉はkeepsで、いきなり、「彼女she」から始まる。

cabinet, cake, と、Kの発音の頭文字が続く。


cabinetは、シャンパンなどを飾る豪華な飾り棚のほかに、大文字だが、内閣、イギリスでは「閣議」などの意味もある。


キャビネットと韻を踏む「マリー・アントワネット」は、

民衆がパンもないほど貧しい時に「ではブリオーシュ(イギリスでケーキといえる)を食べればいいじゃない」と言ったことが有名だ。史実は別として。

モエ・エ・シャンドンもM始まり。どちらもフランス産。

マリー・アントワネットはハプスブルグ家のマリア・テレジアの娘。オーストリアのクイーン、テレジアは子供たちに政治的な結婚をさせ、マリーをフランスのルイ16世に嫁がせる。

この曲は、映画ボラプでもあったように、「トップ・オブ・ザ・ポップス(TOTP)」という英版NHKみたいな番組に出た時のビデオが残っているが、MVではない。

フレディは「マリー・アントワネット」の発音時に眉根を寄せるので断頭台が見えているかのよう。


ケーキを食べさせるthemとは、次に出てくる。


KruschevとはKhrushchevが正式らしいが、ロシア語なのでわからない。

KeneddyもKコンビ。

前に「閣議、内閣」と言っていたのはこの伏線だと思われる。

また、1960年前後の核戦争の恐怖を思い出させる。

これは地球がなくなるかもしれない終末感にあふれる事件であった。


この険悪なコンビもremedy(レメディー:ケネディーと韻「エェイー」を踏む)で治療してしまうのが、built-inの仕組みという。

何が組み込まれている(built-in)のかは定かでない。

cabinetのモエ・エ・シャンドンのことなのか、ケーキなのか、それら全体のことなのか。


ここまで、彼女の家の中の話で、要人を使用人を使ってもてなしているような感じがする。


タイトルのKの頭文字での多用(発音上のK)と、フランス関連のM2こ。sheがあるので前半はSも地味に多い。


At anytimeは頭文字一致ともいえる。「いつでも」はコーラスでも出てくるし、最初の指パッチンは、時計も表すかもしれないと疑っている。

時間表現も後で3連続で出てくる。


招待はinvitation。遠いが、モエ・エ・シャンドンと韻を踏む。

declineは断る、退く。

2番の同じ位置、inclinedで韻を踏む。

can'tも発音「K」。イギリスでは「カントゥ」だが、アメリカ式のキャントに聞こえる。

declineの中にも「k」がある。


ここまでが詩の1番と言える。

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