2023年11月の記事一覧
詩:深夜の迷い子、彼女の影
「もう朝だよ」
そう告げる彼女の瞳は気だるげで
どんな言葉をかけるのが正解なのかわからず黙り込んだ私を見て
彼女は淋しそうに笑った
自販機は常に正解を照らす
輪郭をなくした車はどこへ行く?
「明日も月がのぼるといいね」
彼女が去った街灯の下で私は、
詩:空と海の交差点で
空の海を飛ぶ車があると聞いた
くじらの背に乗った私は頬杖をついた
「空と海はおなじものでしょう?」
地面に咲いた花が水の中で揺れる
魚は空に羽ばたいて鳥は海を駆けめぐる
「たのしいね」
「でも なにかがおかしいような?」