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アメリカ大学受験の道のり① 〜大学紹介・受験必要書類〜

はじめに

こんにちは、avocadoといいます。今年(2020年)の秋からアイオワ州にあるリベラルアーツ大学グリネル大学に進学しています。ここでは複数回に分けて自己紹介として今までの大学受験の道のりを紹介したいと思います。今回は自分が進学しているグリネル大学についての紹介と、アメリカの大学受験に必要だった書類について説明します。

グリネル大学とは

グリネル大学はアメリカ、アイオワ州にあるリベラルアーツ大学の一つです。リベラルアーツ大学とは4年間でBachelor of Arts(教養学士)を取れる大学のことで、大きな特徴として、1. 学部生のみ(院生がいない)2. 高校みたいに少人数 3. 基本的に文理関係なく何でも好きな授業が取れる ことが挙げられます。日本の大学や他の大きな大学と違って専門的な専攻は大学院に入ってからなので(例えば医学、工学、ビジネスとか)、「就職に使える知識を学ぶ」よりは「一生使える教養」みたいなのを大事にしています。

グリネルでは特に「自由と多様性、社会的自立と責任」を大事にしていて、学生一人一人に沿った教育やコミュニティの形成をしてくれます。特徴的なのはOpen Carriculumを採用していて、学生は一年次に取るチュートリアルというディスカッションのクラス以外、必須で取らなければいけない授業はありません。基本的に学生個人が取りたいと思った授業を自由に取れるようになっています。

授業は少人数制でほとんどのクラスが2~30人程度で開かれます。生徒と教授の比率は9:1と教授へのアクセシビリティが高く、教授との研究がしやすいことも特徴です。

(上記のリンクでVirtual Tourを体験できます)

自分の通うグリネル大学はアメリカのリベラルアーツ大学ランキングで14位の大学です。(U.S. News 2020)また学部生への教育は3位にランクインしています。アメリカ大学情報誌Princeton Reviewはグリネルの「教室での体験」を全米7位、「奨学金」を3位と評価しています。(Princeton Review 2021

リベラルアーツ大学は研究大学と違って研究より教育に力を入れているため、そのレベルをランキングで測るのは難しいですが、受験するときの参考にはなると思います。大学のアドミッションページではランキングについてこのように紹介しています。

"We think that our story speaks for itself. But it’s also nice to hear what others have said about us." (私たちのストーリー自身が私たちを物語ると信じます。ですが他の人が私たちに何を言ったのかを聴くのも大事です。)

グリネルへの合格率は約20%とやや高めですが、SAT(アメリカ版センター試験)の合格者平均は1430(下位25%と上位25%の範囲は1370〜1540)と全受験者の上位5%以下であることから世界中から優秀な人たちが集まっているのだと実感します。

どうやって入るの?

日本の大学と違ってアメリカの大学を受験するためにはテストスコアやエッセイなどいろいろ準備しなければいけません。各大学で少しづつ必要書類が違いますが、ここで書いたことは一般的にどの大学でも必要だと捉えていただいて構いません。(以下は受験生を読者に想定して書かれています。読み飛ばしていただいても結構です。)

1. TOEFL iBT / IELTS
英語が公用語でない高校に通っていた人は英語力を証明するためにTOEFL iBTまたはIELTS(一部のみ)を受験します。どちらもReading, Listening, Writing, Speakingの4技能を試験するテストで、英語をあまり使わない人は特に、まず最初に勉強する必要があります。自分はTOEFL iBTを複数回受験しましたが、TOEFLはPCで3時間かけて受験するテストなので、英語力より集中力が試されます。この受験形式の得意不得意には個人差があるので、高2のうちに早めに受験することをお勧めします。トップレベルの大学を目指す人は120点満点中100点以上を目標にするのが一般的ですが、州立の大学や理系の大学などでは90点、80点でも大丈夫なところも多いので、自分の受けたい大学の最低スコアを確認してみて下さい。

2. SAT / ACT
アメリカの受験と言ったらまずこれ!アメリカ版センター試験のSATまたはACTを受ける必要があります。Reading, Grammar, Math(, ACTのみSciences)を試験するテストで、毎年5~6回開催されます。受験会場が限られているので1~2ヶ月以上前に予約しておくことをお勧めします。SATはペーパー形式で、ACTは日本で受験するとPC形式で受験します。どちらもアメリカの高校生用に作られたテストなので、日本人にとってはReadingがかなり難しく作られています。どちらも対策用参考書や塾の講座がたくさん準備されているのでそれらを活用して勉強することをお勧めします。

3. 高校の成績・GPA
受験するときに高校3年間の成績証明書の提出を求められます。学校が英語の証明書発行に対応していないこともあると思いますので早めに先生に確認してみて下さい。GPAは高い方が好ましいですが、低くてもテストスコアが高ければカバーできます。

4. Common Application Essay / Coalition Application Essay
アメリカの大学はほぼ全てがCommon ApplicationまたはCoalition Applicationの最低どちらかの出願プラットフォームを採用しています(例外...UC Schools, MIT, etc.)これは一つの出願フォームを通して複数の大学に出願できるシステムなので、1. 住所や家族構成など一般情報を一度書くだけで済む、2. 出願の管理がしやすい、3. 大学によってはワンクリックだけで追加の出願ができる、などのメリットがあります。一番重要なのはエッセイで、全大学に共通して提出する650 words以下のエッセイを書く必要があります。これはテストスコアや課外活動・受賞歴と違い出願者個人のパーソナリティやアイデンティティを自由に表現できる唯一の場なので、エッセイを読んだだけでどれだけその人物像を知ってもらえるか、が大事になります。またCommon (Coalition) Applicationには課外活動歴を10種類書く欄と受賞歴を6種類書く欄があります。これまでの高校生活で勉強以外に何を頑張ってきたのか書けるところなので、高3までに課外活動に精力を尽くすことをお勧めします。

5. 推薦状
多くの大学が高校の教師、担任、受験カウンセラーの先生からの推薦状を要求します。多い大学だと3人の先生から、一般的には2人の先生からの推薦状を用意する必要があります。成績証明書同様に学校へお願いが必要な書類なので、早めに準備をすることをお勧めします。

6. Supplemental Essay(s)
全大学共通のエッセイの他に大学独自のエッセイ課題が与えられることが多くあります。内容は「なぜこの大学に行きたいのか」「なぜこの分野を学びたいのか」など様々なことを聞かれます。字数は一般的に300 words以下が多く少ないですが、大学によっては複数のエッセイが課されることもあるのでよく確認して下さい。

5. SAT Subject Test(s) / AP Test(s) / IB Diploma
一部の大学では教科別SAT Subject Testのスコアが利用できます。科目は数学1, 2、生物、物理、化学、アメリカ史、世界史、言語で、毎年5~6回受験できます(SATと同時開催なので注意)。AP Testは大学の単位に使えるテストで、日本では受験が難しいため必須ではありません。Subject Test同様に教科別で、受験した科目が得意なことをアピールできます。IBテストはIBプログラム認定校の生徒が受験できます。他と同様提出は必須ではありません。

以上が大学出願に必要な主な書類です。テストだけでなくエッセイや成績の提出など、何かと面倒なので計画的に準備することが非常に大切です。

次回、 受験生活のタイムライン、大学で学ぶこと

次回は実際に自分がどのような受験生活を送ってきたのか、これから大学で何をしたいのかについて紹介します。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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