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【予告】連載予定・Effectorz(エフェクターズ)

 眼鏡を通してみるその風景は、無人で寂れた普通の街並みだった。アスファルトが日光を反射し、遠くを見ると逃げ水か大気の揺らぎの様なものも、偏光のサングラスを通して確認できた。
 先行して歩いていた緋崎は足を止めた。
「あそこの破れたフェンスの上にシャツの切れ端がある・・・・そうだ、破れ目の右上だ。あれが【まだら蛇】トオルがやられた場所だ。
 そこから右手奥に7mのアスファルトの上・・・・あそこにある。壊れた眼鏡が【山高】エリックが死んだ場所。<蚊の禿>のど真ん中にいる事に気付かなかったんだ。」
「遺体はどうなったんですか?」
ゾーンで遺体など残るものか。首だけ飛ばされて身体だけ残ったとしても、次に同じ場所に来た時にはああ言った何かしらの痕跡が残って、他はすべて消えている。」

 今回は年明け前後から構想中だった新作中長篇の予告をUPしたいと思います!
 舞台は近未来の日本、来訪によって世界の6か所にゾーンという人知を超える危険領域が発生しました。ゾーンは虫や動物が消え、人も住めない領域ですが、モノポール発生物質、永久電池、細胞活性化物質など人類の科学を超える素材が生成され、それを独占する軍産共同体が国家や国連と同等か、あるいはそれ以上の支配力を持つ社会情勢となっています。
 しかし、公的機関や軍部の許可を得ずゾーンに侵入し、それを売り捌いて生計を立てるストーカーが、裏舞台で活躍します・・・・
 更に、ゾーンへ不干渉を教義とする無干渉主義教団、裏でゾーンの新発見物質をストーカーから得ようとする大学機関、生成物質を使って革命を企む集団等々、様々な人間模様が交錯する群像劇を予定しています。

 と、ここまで書いていってSF好きで気付いた方も多いかと思いますが、今回は旧ソ連のストルガツキー兄弟『ストーカー(路傍のピクニック)』、そしてタルコフスキー監督『ストーカー』の設定と世界観のオマージュとして、用語は可能な限りそのまま&補正を加えながら書いて行く、スリップストリーム作品になりますね。

 正直、自分は怠惰な性格なものでw少しでも創作意欲の加速になるかと予告編をやってみました!序盤は小説版『ストーカー』とあまり差が出せないかもしれませんが、早めに自分のテイストを出せればと思います。
 コメントや応援頂ければとてもうれしいです、では近日序章を公開する予定ですので、何卒宜しくお願いいたします!

拓也 ◆mOrYeBoQbw

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