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◇The Burren バレン 巨人のテーブル

 ゴールウェイを出発したのは昼食後、モハーの断崖は16時過ぎまで居てしまった。波音に耳を澄ませ、風を探し、風に吹かれながら歩く。それだけでも十分楽しく、気が付くとゆっくりと時間は過ぎていた。
 モハーの自然の景観を壊さない様造られた崖に半ば埋まったようなフォルムのビジターセンターも一通り見ると、この日の残り活動時間は微妙だった。 

 後でこの記録を目にした彼からクレームが付きそうだが云わせてもらうと、彼は自然、それに世界遺産など付こうものならもう迷わない程好きだ。
 一方、私は教会、デザイン性が高い物に惹かれる。この二人がタッグを組んでいる。
 「巨人のテーブル」名前からしてどこまでも怪しい、胡散臭い。
 ガイドブックには時々落とし穴があり、著者の感性に全く同意しない場所の記載がある。私のアンテナには「怪しい」とかかり、彼のそれにはどうも「行きたい」とかかった。
 モハーの断崖は再訪する可能性があるとしても「巨人のテーブル」はその機会はあるまいと判断して、そこに立ち寄りゴールウェイに戻ることにした。
 道は本当にこれでよいのか?と迷うほど狭い、車は私たちの車の他は殆ど走らない、日は暮れていく。彼は、「いや、無理はいいよ」と言葉にはしているが気持ちが乗っていないのは顕かで兎に角「テーブル」を探す。巨人のよね?と皮肉を云いたくなるが堪えて。
 やっとエリア入口を見つけ駐車し歩き出すが「巨人」のテーブルでしょ?どうして遠くから見えないの?上の写真がその様子。
 やはり詐欺に近い。救われたのは、私たちの他にもガッカリ組が居たこと。

 Burrenの語源ゲール語「Bhoireann」は「石の多い場所」を意味する。
 巨人のテーブルは時間を返して欲しい、の感想だが、この石の丘陵、正確には石灰岩の丘陵は初めてみる画だった。木が一本も生えていないことも不思議さに影響しているかもしれない。決して、火口のような荒涼した感はなく、寧ろ陽が射すと白く輝いてきれいなほど。

 彼の希望「巨人のテーブル」を無事見て帰路につく。慣れない初めての道を走行している為陽が沈まない内に少しでもゴールウェイに近づきたかった。アクセルを思い切り踏んでもらいたいという助手席の希望が届いたように標識に「100」の数字。これには二人して驚いてしまう。
 道路標識の数字を確認して欲しい。
 アイルランド驚愕Best3に入る一つが、日本の整備された農道程度のこの細い道で「100km/hr」を許可していること。改めて云うまでもなく話しの流れで解るように有料道路ではなく生活道路だ、それも一車線。
 彼は折角の許可があるにも拘わらず100km/hrを出すことはなかった。

       明るいが18:37、左手ずっと奥に目標ゴールウェイ。

 

 

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