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「The Lady in the Van」

原題:The Lady in the Van
監督:ニコラス・ハイトナー
作国:イギリス
製作年・上映時間:2015年 104min
キャスト:マギー・スミス、アレックス・ジェニングス

 如何にもイギリス、どこまでもイギリス、どこを割ってもイギリス要素満載の映画。社会的奉仕に関してはイギリス王室から率先しているように富める人の暗黙の了解としての行動規範が一般の人にもある、このことがそもそも映画のbaseであるからアメリカや日本ではこの種の映画は製作できない。卑屈さをはじめとする負の人生観を持ち合わせないVanで暮らす老婦人が全く無関係な人の玄関先に15年Vanを止め生活を送った中での交流の言葉を使うには若干語弊がある様子を描く。隣人愛に付け込む感もなく夫人は自分の権利の様に其処に住み始める様子に正直観始めは抵抗感があった、感謝やお互いさまが微塵もないように最初は物語が進んでいくことも影響か。
 ヨーロッパのよくある映画の淡々と物事を追っていく手法でありながらミステリを読んでいるかのようにある時点からそれは変化し、彼女の虚言に見える世界の事実を一つ一つ種蒔きながら終盤その種を花咲かせる。派手さが無い映画を牽引するのは脚本云々ではなく大女優のマギー・スミスの演技。凛とした貴族を演じたイメージが強いだけにホームレス役は別の面を大いに見せる。因みに実話を元にしている。
★★★

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