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[時の罠]

初版発行: 2014年7月10日*文庫版
著者: 米澤穂信、万城目学、湊かなえ、辻村深月
出版社: 文春
ジャンル: 小説

 こうしたアンソロジーは購入したことも無くて例えるには恐縮だが宝くじに似て外す可能性が含まれる。一方、好きな作家、ジャンルであればある程度自ら対象を絞り、アンテナも自分の興味に関しては磨かれる分外すことは少ない。結果から先に伝えると、私は★5満点中「1★」、残念である。
 好みではなくとも仕事上読んでいる作家が含まれ、基本的には4人共既知の作家。女性陣二方はあまり好みの作風ではない為、一冊で購入するにはリスクが高過ぎ敢えてアンソロジーで納得の文章に巡り会えないかと期待するが…。
 辻村の作品が4人の中で一番頁を割きそれも冒頭にあるが、申し訳ないが駄文。本当に貴女はこのことを書き伝えたかったのか?まだ、これまでの無駄に厚い上下巻二冊類の本の方が救いがある。誰をターゲットにしているのか理解できない。湊にしてもギリギリ中学生対象か。それを、「時」をテーマとだけにしてアンソロジーにしたのはかなり無理がある。男性陣との間に差が有り過ぎる。初出誌は共に別冊文芸春秋、万城目氏を除いて三氏は時期も同じ。
 このアンソロジーに限らず、道徳性や倫理観、人間性等を説くなど教科書に譲り、まるで写真に切り取られたような心象風景を温度低く短編小説に日本人作家は描けないのだろうか。


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