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AIのべりすと怪文書『金色の暴君、禁断の恋』

「うぎょー!!」
 オルフェーヴルは絶叫した。彼は前代未聞のスピードで成長している。そして、その速さは加速度的に増していた。
「うぴー! 俺は最強だぁああ!」
 オルフェーヴルは叫びながら、ぐんぐんと成長していく。
「うぴゃー!! 俺こそが最強なんだぁあ!」
 そう叫ぶ彼の体はどんどん大きくなり、ついに厩舎を破壊して外に飛び出す。
「うぴょー!! 最強になったぞぉおお!!」
 こうして、日本競馬史上最強の「そったらもん」サラブレッドが誕生したのである。ちなみに「そったらもん」とは北海道弁で「そんなもの」を意味する。

 数年後、オルフェーヴルは最強馬として名を馳せていた。その強さたるや、まさに無敵であり無敗であった。
 だが、そんな彼にも唯一の弱点があった。それは……異父弟ゴールドシップの存在だったのだ。
「兄貴ぃいいい! 勝負しようぜぇえええええ!」
「うっぴょおおおおおおおおおおお!!!!」
 こうして今日もまた、オルフェーヴルの悲痛な叫びが競馬場に響き渡るのだった……。

「やれやれだぜ」
 劉邦はオルフェーヴルとゴールドシップの対決を横目で見ながら、呟いた。彼はすすきのの居酒屋で一杯ひっかけていたところだ。
「お客さん強いねぇ~! さすが元ヤンだよ~!」
「うるせーよ」
 店員の言葉を聞き流しながら、酒を飲む劉邦。そこに1人の男が現れた。
「いよう! 久しぶりじゃねーか?」
 その男は高杉晋作だった。彼は相変わらずの風貌をしている。
「おう、お前か……」
「隣りに座ってもいいかい?」
「好きにしな」
 高杉は席に着くと、注文をした。しばらくして酒が出てくる。2人は酒を酌み交わしながら会話を始めた。
「あの2頭、相変わらずだな」
 高杉はオルフェーヴルとゴールドシップを見ながら言った。
「まぁ、兄弟だしな。仕方ないんじゃねーのか?」
「兄弟だからって仲良くできるとは限らないさ」
「そりゃそうだな」
 2人が話している間も、オルフェーヴルとゴールドシップの戦いは続いていた。お互い一歩も譲らず、一進一退の攻防を続けている。
「しかし、あいつらはどうしてあんなにも仲が悪いんだ? 同じ血を分けた兄弟なのによ」
 劉邦は疑問を口にする。それに対して、高杉は答えた。
「それは、お互いに自分こそが最強だと自負してるからだろうな。何しろ、あいつらの親父はあのステイゴールドだからな。負けず嫌いの血が騒ぐんだよ」
「なるほどな」
「でもよぉ、それならなんで俺ん家には来なかったんだ? 俺だって父親は同じはずだろ?」
 劉邦は自分の家にオルフェーヴル達が訪ねてこなかったことを不思議に思っていた。それに対し、高杉は答える。
「おそらくだが、劉邦の家に行けば父親のステイゴールドに会うことになるからだろ。それが嫌だったんじゃないか?」
「あー、そういうことか。納得したぜ」
「それにしても、あれだけ激しい戦いをしてても誰も止めようとしないなんてな。みんな薄情なもんだぜ」
「それだけ、馬が好きなんだろうよ」
「ふっ……違いねえな」
 2人は笑い合う。すると、そこで高杉はある提案をする。
「なあ、ちょっと賭けないか?」
「何をだ?」
「どっちが勝つと思うかってことだ。勝った方は相手に好きな命令ができるっていうルールでどうだい?」
「面白え、やってやるよ」
 こうして2人はそれぞれ自分の馬を応援し始めた。
「頑張れ! オルフェーヴル!」
「勝ってくれ! ゴールドシップ!」
 2人とも必死に声援を送る。そして……決着がついた。勝者は……
「やったぞぉおお!!」
「くそぉおお!!」
 勝利したのは……オルフェーヴルだった。高杉は悔しそうな表情を浮かべている。
「へっ、俺様の方が上だったようだな」
 劉邦は得意げな顔をしながら言う。
「約束通り、俺の命令を聞いてもらうぜ。高杉」
「ああ、何でも言えよ」
「今度、俺と一緒に飲みに行ってくれや」
「そんなことでいいのか? もっと無茶なこと言ってもいいんだぜ?」
「いいんだよ。俺はただ一緒に酒が飲めればそれでいいんだ」
「そうかい。分かったぜ」
 2人は握手を交わす。こうして、オルフェーヴルは再び最強馬の座を手に入れたのだった。

「うぴょー!! 俺が日本競馬界最強のサラブレッドだぁああ!!」
 オルフェーヴルは種付けシーズン中だったが、相手の牝馬がなかなか妊娠しなかった。
「うっぴょー! まだ子供はできないのかよぉおお!」
 オルフェーヴルはイラついていた。彼は早く牝馬に子供を産ませて、最強遺伝子を受け継いだ馬を作りたかったのだ。
「うっぴょっぴょっぴょ! この俺に子供ができないわけがないぃい!!」
 オルフェーヴルは叫ぶ。だが、いくら叫んでも一向に赤ちゃんはできなかった。
「うぴょー! もういい! こうなったら無理やりヤッちまうか!」
 彼は牡馬である。牝馬ではない。だが、彼は牧草ロールを牝馬だと信じ込んで交尾を試みた。その結果……
「うぎょー!!! 痛い! 痛い! 痛い! 痛い! 死ぬぅううう!!!」
 オルフェーヴルの悲鳴が響き渡った。彼の体はズタボロになっていた。それでも、彼は諦めずに何度もトライする。
「うぎゃー! ダメだぁあ! 全然デキねぇぇえ!」
 こうして、オルフェーヴルは牝馬との交尾を諦めた。だが、同時に彼にとって新たなる野望が生まれた。
「こうなりゃ、人間とヤってみるしかねえな……」
 こうしてオルフェーヴルは人間の女性と交わることを決意する。
「よっしゃ! 行くぜー!」

 オルフェーヴルは意気揚々と札幌競馬場へと向かった。そこには、1人の女性がいた。彼女は競馬場で働いている職員であった。
「あの~、すみません。ちょっと聞きたいことがあるんですけど、劉邦さんの奥様の呂雉さんってどこにいるか知ってます?」
「呂雉さんですか? あの人は今、手稲にいるはずですよ」
「ありがとうございます。行ってみます」
 オルフェーヴルは礼を言うと、競馬場を出てJR車両に乗り込んだ。
「ふっ……待ってろよ! 呂雉さん。この俺の熱い想いを受け取ってください」
 こうして、オルフェーヴルは桑園から手稲へと向かっていくのだった。
 その後、オルフェーヴルは無事に手稲にたどり着いた。そして、劉邦の妻の呂雉を探す。
「ん? あれは……もしかして、あれが呂雉さんなのか!?」
 そこにいたのは清楚な容姿をした美女だった。紛れもなく、呂雉その人である。
「よーし、突撃じゃー!」
 オルフェーヴルは勢いよく彼女の方へ向かっていった。
「あのー! すみません!」
「あら、何かしら?」
「俺と結婚してください!」
「ごめんなさい」
「即答で断られただとぉおおお!!」
 オルフェーヴルはショックを受けた。まさか断られるとは思ってなかったのだ。
「なんで断るんすか?」
「私、既婚者だから」
「え? マジっすか?」
「ええ、本当よ」
「そんな……嘘だと言ってくれよぉおおお!」
 オルフェーヴルは泣き崩れた。
「あー、でも子供はいないわよ」
「ほ、ほんとか?」
「うん、だってあなた馬じゃない」
「うぎょー!!」
 オルフェーヴルは無念の絶叫を上げた。

 それからしばらくして、オルフェーヴルは落ち着きを取り戻した。
「ふっ……仕方ない。他の女を探そう」
 彼は再び桑園に戻り、札幌競馬場で働く女性のところへ向かった。
「うぴょー! また来ましたよ!」
「あら、どうしたの?」
「項羽さんの奥様の虞姫さんを探しているのですが、知りませんかね?」
「ええ、知ってるわよ」
「お! それは良かった。教えてくれませんか?」
「いいわよ。彼女はね……ハワイに住んでるわよ」
「うぎょー!! 何だそりゃぁああ!!」
 オルフェーヴルは旅費を捻出出来ず、色々とあきらめた。めでたしめでたし。

『金色の暴君、禁断の恋』(完結)

【ORIGINAL LOVE - あまく危険な香り】

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