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Mackerel38 NFT|アバランチがweb3事業をはじめるまでの記録 Vol.5

最初(Vol.1)から読む

簡単すぎるあらすじ:
アバランチは広告制作会社として25年を迎えた節目の年に、web3事業という、まだ不透明で広大な海原に足を踏み入れることになりました。


先にお伝えしますが今回も人物回です。


ありがたいことにこのnoteは、わたしが想定していたよりも多くの人の目に触れ、もったいなくも「読んでるよ」「良いね」と言っていただけることが増えた。自分では何の手ごたえもないまま気楽に書き始めた言葉が、誰かに届いて、そして評価されるこの感覚は、とても不思議で、とてもありがたく、背筋が伸びる思いである。
 
けれど、それと同時に「良く見せたい」「がっかりされたくない」という欲の芽が自分の中でグングン育つので、何もなかった時よりもひとつひとつの言葉や行動が少しだけ怖くなったりもする。

わたしにとって「期待」は、とてもありがたく、そして怖いものだと、この仕事を通してまざまざと感じている。
 

ということで、前回以上になかなか筆が進まなくて更新日前日まで差し迫った日曜の夜に、時間のなさと内容のまとまらなさに口の中がパッサパサになりながらこれを書いています。今日もよろしくお願いします。


ただ、世の中には、人の期待を三度の飯より好み、プレッシャーまでも残さず平らげながら輝く人もいる。
 
それがこの人。
アバランチ不動のアートディレクターである。

大盛を愛し、日が暮れると牛乳にパンという張り込みスタイルの夜食をコンビニに買いに行く男。


佐々木さんは、褒められ期待されるたびに強くなる、少年ジャンプのような人だ。
 
「この人と仕事がしたい」と思ってもらうことは、働く上で究極の強みだと思うが、佐々木さんと仕事をしている人と出会うたびに、「どうしてみんなそこまで佐々木さんが好きなんだろう」と思ってしまうほどに、人に信頼され、愛されている。
 
褒め言葉を謙遜することなくニッコリ受け取り、その期待を食らいまたもう一段高い期待に超えるために、平気な顔で努力し続けられる。相手に喜んでもらうために、自分のことのように相手のことを考えられる人。

何より怖いのが、それを自然体でやっているところだと思う。
近くで見てると、尊敬と同時に凄すぎてちょっと引く。
全員悪人だと思いながら生きているわたしと違って、純度200%の性善説で生きていそうな人である。

例えば、会社を表すものは何かと問われたとして、その答えは製品やサービスの時もあれば、経営者のネームバリューや歴史の長さと、企業によって違うものだが、アバランチを表すものは「人」で、そしてその「人」の成分の多くが佐々木さんなのだと思う。
 
ここで働いてもうすぐ7年、わたしはこれを事あるごとに感じてきたけれど、今回のプロジェクトほどそれを強く思ったことはない。

ということでここからが本編です。


パッションの男・熊本さんの「みんなで世界一美味しいサバ缶を作りたい」という想いは、想像以上の男・サンディによって

・Discordで誰でも参加できるコミュニティを作る
・メンバーパスという位置付けでNFTを作り、NFT保有者限定のプロジェクトを作る
・Twitterやリアルでの宣伝・イベントを交えながら、コミュニティを広げる
 
 という方向で進んでいくこととなり、Discordの設定を白目のわたしとサンディで進める一方で、「メンバーパスとしてのNFT制作」もスタートした。

コミュニティとして発行するNFTの前提として、メンバーパスという位置付けではありながらもアートの側面を持たせる案と、シンプルに一般的な会員証の体裁を守っている、デザイン性は重視しない案の2方向が考えられたが、ここは迷わず前者に決まった。

そこからの細かなデザインに関しては全て、少年ジャンプの男・佐々木と、想像以上の男・サンディの間で話は進み、デザインの方向性も驚くほどあっさり決まった。間髪入れず、LPサイトのデザインもかたまっていた。
2週間足らずでデザインは本制作へ進んだ。

進捗共有中の様子。なんかもう既に良い感じである。


ついこないだまではできるのかすら疑って、むしろなくなってくれと願うほど道のりが遠かったこのプロジェクトが、いきなりとんでもないスピードで進んだのは、サンディの導きとプラスしてNFT制作の工程に迷いがなかったことがかなり大きい。

どんなNFTを作るか、そしてその販売のためにどんなサイトを作るか、というデザイン設計において、佐々木さんは多分、「左目と右人差し指の第一関節しか使っちゃいけません」とか意味のわからないことを言われても難なくできるはずだ。多分これは言い過ぎているし読み返しても本当に意味が分からないけど、そのくらい、制作において佐々木さんが困る場面というのは少ないと思う。

けれどわたしが、アバランチを表すものは人だと、そして佐々木さんだと思う所以はそこではない。

そう、これだけでは佐々木さんの正しい使い方とはいえない。
扇子をたたんだまま仰いでいるようなものだ。

佐々木さんは取締役でもあるので、もちろんこのweb3事業の「やろう!」の一声からずっとこのプロジェクトにいるわけだが、わたしがプロジェクトの頓挫を毎夜願っていた時も、サンディのおかげで急速に物事が進みはじめた時も、いつも静かに打ち合わせの席に座っていて、その間決してweb3に対して専門的な意見を述べたり具体的な指示を出したことはなかった。

けれど打ち合わせ中、「他の事例ではこの手法だったので」などと市場と一般論を持ち出すたびに、「多分違うよね」と佐々木さんは口を開いた。
 

投機目的の購入を追わないこと。

目的は美味しいサバ缶をみんなで作ることであって、それを実現するための方法がたまたまNFTを活用したコミュニティ形成であること。

自分たちで実際にweb3事業を立ち上げ完遂させることで、自分たちの今後の仕事に還元する、利益を追う事業ではなくチャレンジ事業であること。

アバランチがまた面白いことをやっているな、と思ってもらいたいこと。コミュニティのプロモーションもそのためのものであること。

そうして、様々な言葉でアバランチがこの事業をする意味を考え、言葉にし続けてくれていた。

コミュニケーションの根幹をブレさせないこと

これが、佐々木さんのこのプロジェクトにおける大きすぎる役割だと思う。
 

「コミュニケーションの根幹をブレさせない」
これは当たり前のことのようで、実は簡単ではない。クライアントからの要望や外部要因などで、気づけば少しずつズレていってしまうことも多く、結果、良い感じのものは作れたけど元々の目的とは違うものができあがってしまう、といったことが発生しがちである。
いくら見栄えの良いものができても、それでは課題を解決したり目的を達成することには繋がらない。

美しいデザインも、効果を生むプロモーションも、ズレた土台の上に建てては意味をなさないことを、佐々木さんは強く知っているからこそ、「違うよ」と手を変え品を変え話し続けてくれた。

例えば「そんなのわかってるよ」と言うひとがいたとしても、佐々木さんの言葉とあの時間は、とても重要なものだったと思う。 


こうして無事に大きく照準がズレることもなく、熊本さんの「やろう!」からスタートしたアバランチはじめてのweb3事業は、途中心が折れながらも推し進めた結果、今春公開となる。

…そう、
こう書いている今も、実はまだ出来上がってはいない。
ヒリついてきましたね。

でも、この期待とプレッシャーの波を乗りこなし、さらに強くなるのが、わたしたちアバランチなのである。


最後に、個人的な話をして終わりにしたい。

入社して1年目、給湯室の手拭きタオルをせっせと洗い、社内備品を発注する仕事に満足していたわたしを、部署も肩書きも無視して商業施設案件の社内打ち合わせに呼んだのが佐々木さんだった。

あの日佐々木さんは、テーブルをはさんで向かいに座るわたしに、
「そろそろ"ちゃんと仕事がしたい"と思ってた頃でしょう?」と言った。

このことを佐々木さんはきっともう覚えていないけれど、
わたしが「総務だから」を脱いで、何でもやってみようと思えたのは、
そしてそれを積み重ねた今、大変だけどほんのちょっとだけ自由に仕事ができているのは、
悔しいけどあの言葉があったからだと思う。

あの日からわたしは何度となく「今、ちゃんと仕事できてるだろうか」と自分に問うている。


どうしよう、褒めすぎたかもしれない。
きっとこれも食らいつくして、佐々木さんはまた輝くんだろうなぁ。


ということでお待たせしました、次回
「これがわたしたちのweb3事業です|プロジェクト公開編」です。

Vol.6を読む→

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