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思い出をいつまでも

2022年
自分にとって、人生のターニングポイントとなった年。

4年間付き合った彼女へのプロポーズ、そして入籍まで駆け巡り、夫婦になったから年だからだ。

2021年12月、自分と同じくらいに、いや、自分よりも彼女を大切にしたい...と思うきっかけとなる出来事があった。
そんな出来事があった矢先、目的もなく街を歩き、たまたま見つけたブライダル店に入り、婚約指輪を眺め、一目惚れし、即日購入。
そして、プロポーズ、両親への挨拶、顔合わせ、入籍。

想定外の出来事もあり、決してトントン拍子で進めたわけではなかった。だが、そんな立ちはだかる壁もふたりで乗り越え、現在に至っている。

入籍から4ヶ月経ち、真夏の日差しが差し込む7月のある日、妻が口にした。

「バカラのグラスを見に行きたいの」

バカラ…?
なんとなく聞いたことあるような...
ピンときていないが、近くの百貨店にあるとのことで、着いて行くことに。

百貨店に入り、普段は足を運ばない婦人服やリビング雑貨のフロアへ。
足早に歩く妻。
その先には…鮮やかな赤を基調としたお店にクリスタルの輝きを放つグラスが並んでいた。

あぁ~!バカラってグラスのお店かぁ…映画で見たことあったかも!

そんなことを思いながら、ワクワクを抱きながら、輝きに吸い込まれるように店内へ。

ワイングラス、ウォーターグラス、デカンタ、ピッチャー、花瓶...
どこから見ようかな…と迷っていたら、

「これ、いいと思うの」

妻の手には、タンブラー。
「Baccarat クリスタ タンブラー 2022」と書かれていた。

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程よい大きさ、ずっしりとした高級感を感じる重量感、そして、
門出を祝い、無限の可能性を感じさせるような力強く、優しい輝きがそこにあった。

すごい...。
めちゃくちゃきれい...。

言葉を失うほど綺麗で、一瞬でバカラの世界観に引き込まれた。

横から見た時は気付かなかったが、底には2022の年号が刻まれていた。

プロポーズして...結婚して...色々あった年だったな...。
そういえば...「2022」という年号をしっかり残していなかったかも...。
記念の年として、こういうのもありかもね。

そんな会話をし、妻と自分の分として、2個入りを購入した。

こんな高級なグラスを傷つけてしまったら嫌だし、特別な日だけかな...
なんて思っていたが、購入したその日、さっそくお酒を注ぎ、少し身分が高くなったような錯覚を感じながら...晩酌を楽しんだ。

今では愛着が沸き、カクテル、アイスコーヒー、ジュースと何でも注ぎ、大切にしながらも普段使いするようになった。

いつか...妻と大喧嘩して、口を利かなくなる日が来るかもしれない。
寄り添い合おうと努力しても、うまくいかない日が訪れるかもしれない。

そんな時、深い溜息をつきながら、飲み物を口に運ぼうとして…
「2022」が目に入ったら...
今年の色んな出来事を、気持ちを思い出したりするのかな。

キラキラ、ドキドキ、ワクワク。
そして、思い出と希望、可能性がたくさん詰まっているバカラのグラスで、今日も、明日も、この先もずっと、乾杯したい。

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