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独り言20240810

株価が大暴落したらしい。あまり経済のことは知らないし、知らないことを良いとも思っていないのだけど、あんまり興味が出ない。遠いどこかの国、例えばスイスかどこかの銀行の一室で、黒服を着た男たちが話し合って株価やら何やらを全部決めていて私の知ったところじゃないみたいなイメージがある。ダメな大人だ。

一応ちょっとは興味を持とうかなと思ってpaypayにあるだけのポイント500円をハイリスクハイリターンコースで運用している。何に連動しているのかもあまりわかっていないが、日本国内の経済動向と一致する時もあれば真反対の時もある。ただ何となくニュースで流れるグラフに呼応しているのはわかる。理由がわからないけれどびくんびくんと動いているグラフは、いかにも生きものの心拍なんかがもつ規則性からはいちばん遠いところにあるように思われて不気味だ。

五輪ではスポーツクライミング男子決勝があった。安楽宙斗選手はボルダリングで薄氷の1位を獲得したけれど、リードで思うように高度を伸ばせずライバル達から数手足りないところで落下してしまった。画面越しに見ているだけでも彼の緊張が伝わってきた。からだを強張らせながら細い手足を伸ばし、時には一手戻って動きを修正する様子はぎくしゃくとしていて、羽根に傷をつけてしまったアゲハ蝶を思い出した。逞しさと美しさの鱗粉は幾らか緊張で溢れてしまっていたようだった。

わたしは院試が控えていて、いくらか焦っている。もしかしたら落ちるかもしれないと思うとあまり寝付けず、むくりと起き上がって眠くなるまで教科書に目を通す。パリの舞台では同年代、あるいは年下の若者たちが日の丸という重圧の中で躍動している。わたしは合格率も非常に高い試験があるだけでナイーブになってしまうのに。わたしはもし落ちても来年があるのに。彼らには次のチャンスはないかもしれないのに。

この文章は推敲していないから読みにくいかもしれない。やり直しの効かないことにたくさん挑戦していきたい。五輪なんてたいそうなものではないけれど、休みの日に行ったことのない遠くに行くこととか、早起きしてケーキを焼いてみることとか、自転車を漕いで釣りに行くこととか、自動化された日常に浸かったわたしにとっては毎回が一回こっきりの本番で、唯一の記憶になる。おやすみなさい。


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