出雲一人旅③インタビューのお礼に碧玉をもらう
今回の旅の目玉その1、玉造温泉。
美肌温泉と勾玉を売りにしており、乙女心がくすぐられる観光地だ。
ここでかなり面白い出来事に遭遇したので、その記録を残しておく。
玉造観光でまず行くことにしたのは、閉館時刻が17:15と早い出雲勾玉資料館だ。
ホテルの浴衣に下駄の格好で勢いに任せて出発したはよいが、目的地までは700メートル徒歩10分。微妙な距離である。
せめて歩きやすい靴にしておけばよかったかな、と淡い後悔を抱きながら、下駄をカラコロ言わせて入り口に到着した。
小さな資料館の中には大きな撮影機材を背負った男性が一人、普通の客は私以外誰もいないようだった。
受付の方に「あら、その浴衣。どちらにお泊まりですか?」と聞かれ、ホテル名を答えると団体料金に割引いてもらえた。ラッキー。
館内に進もうとすると、撮影機材を背負った男性に声をかけられた。
「わたくし地元テレビの取材の者なんですけれども、『野菜で干支を表現する』企画について、よろしければインタビューに協力していただけませんか」
な、なんと。そんなこともあるのか。
これも縁かと引き受け、「作品ではなくインタビュアーを見ながら話して」などのダメ出しも受けながら、なんとかそれらしきことを話した。
インタビュー終了後、館内を見て回る。
私は、このような資料館は
①「我が家のインテリアにするなら、どの展示物がいいかな」という下見をする
②歴史や手法を学び、自分が同じものを作りたくなったときにどうすればいいかをざっくり知る
の2点を意識して散策することにしており、それゆえにとても楽しい。
①に関しては、以下の写真のものが特に好みだった。
いずれも両手のひらにおさまるサイズで、上品な艶にときめく。
いつか大きな家を持てるようになれば、庭を眺めながらこんな茶器でティータイムができれば最高だな、と妄想が捗る。
②についても、勾玉製作のいろはを学べて大満足。
あ〜楽しかった、道具を集めればその気になったら勾玉作れちゃうな〜!と楽しい気分で資料館を後にしようとすると、受付の方に呼び止められた。
「先ほどは快く引き受けてくださってありがとうございました。あの、こんなものしかないのですが…」
な、なんですって!?
わたくしは別にお礼のために引き受けたのではなくってよ!?
などと思いながら渡されたものを見ると、なんと大きな青メノウの原石ではないか。
しかも出雲の花仙山から発掘したもの、こここここれはかなり価値あるものなのでは。
鉱物好きとしてあまりにも血湧き肉躍る展開である。
お礼の価値にわたしがやったことが見合っていない気がするけど、いいのかなあ。
まあ、いただけるならありがたくいただこう。
というわけで、インタビューに答えたらお礼に碧玉をいただきました。
日本神話みたいでなんだか素敵。
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