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【ピアノ日記】自分とシンクロ率高い作曲家(吉川隆弘さんのリサイタルを聴いて)

6月10日の月曜日、武蔵野市民文化会館に、ピアニスト吉川隆弘さんのリサイタルを聴きに行きました♪

こんなプログラム。前半がベートーヴェンのソナタで、後半が小品集。前半は、ベートーヴェンが現代に生きていたらまさにこんな感じかも?! と思わせる、アク強演奏で、髪型も稲垣吾郎さんのような長めの前髪を揺らして弾くのがなんだかベートーヴェン感があり、とてもよかった!

そして打って変わって後半は、ショパンの小品やラヴェルなど、軽めでおしゃれ系の選曲。なんですがこれがまた、ショパンなのに、「えっと、、、リストですか?!」と言いたくなるようなクセ強演奏で🤣、ここまで強烈な個性が突き抜けていると聞いていて気持ちよく、「いいぞもっとやれ!」と叫びたくなってしまうのでした。
こういうコンサートって楽しくていいですね。おぉ、こんなのもアリか! と、自分の引き出しも増えます。

それで、聞いていて思ったことですが、自分とシンクロ率の高い作曲家っていますよね。好きで、自然な気持ちで弾ける作曲家。
吉川さんの場合、ショパンよりベートーヴェンの方がシンクロしているように見えた。ショパンは吉川さんという個人のフィルタを通してショパンをこう解釈した、という感じだったけど、ベートーヴェンは、「ご本人様ですかっ!?」と思えてしまう演奏だった。

私の場合はモーツァルトで、シンプルで素直できれいなところが好き。ショパンやフォーレの優しくて繊細で美しいところも好き。
ベートーヴェンも変わらずずっと好きなんだけど、アク強めの部分は別に好きじゃない(謎にsfの連発とか…)。時折現れる、憧れに満ちた美しいメロディが好きで、そこを弾きたいがために弾いている。作品101の1楽章とかもう大好物。でもアク強い部分は全然自分とシンクロしなくて、「なんじゃこりゃあ」と思いながら弾いているので、いつまでたってもベートーヴェンっぽい演奏に聞こえない🤣(ロマン派の曲みたいに聞こえちゃう…)

そこから話は発展して、、、
最近私が疑問に思っているのは、その作曲家の一般的にこうだと思われている様式感で弾くのって、どの程度まで必要なのかなーっていうこと。その作曲家の個性はもちろんあるけど、弾く方の私たちにだって個性はあるわけだし、その作曲家がもし現代に生まれ変わって色んなタイプの演奏を聴いたら、「まぁ自分はそうは弾かないけど、そういうのもイイね!」と言ってくれるんじゃないか(サンソン・フランソワの熱情なんかスゴイ)。
あと、様式感もへったくれもない子供の演奏がヤケに生命力があって面白かったりするのも、忘れちゃいけないポイントのような気がするんだな。

吉川さんはミラノ在住とのことで、そういう自由な演奏にも、イタリアの風を感じる。日本のお教室だと、先生から「もっとショパンらしく弾きましょうね」などとやんわり言われてしまうのではなかろうか、と危惧してしまう🤣

そして、こういう演奏を聞くと、色んな面で自分の殻が破れる。「私も外国でピアノの勉強してみたいな?」なんて夢を思い描いてしまったり。
留学ねぇ。本格的なものは難しいけど、短期ならヨーロッパで勉強できるんじゃないかしら。他のジャンルなら、アマチュアが海外で短期留学なんてよくある話だろう。クラシック音楽はプロ志望しか留学しちゃだめなんて、きっと固定観念だよね。それにヨーロッパでは、もっとクラシック音楽が身近というか、プロアマの区別が日本より少ないんじゃないかな〜、なーんて、勝手に想像しています。
もし行けるとしたら、言語も風景も大好きなフランスで勉強したい✨(妄想)

ちなみに武蔵野市民文化会館での公演は、1〜2千円の激安価格でクラシック演奏が聴けるのでお勧めです!
最近方針が変わったのだろうか?以前は普通に5〜6千円くらいの価格だったと思うのだが…。
ただし発売時刻にネットに貼りついてゲットしないと、すぐ売り切れちゃいますよ!(年会費千円で友の会に入ると、さらにもう少し安くなります! 武蔵野市民でなくても入れるよ👍)

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