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正解はない

 学生から社会人になると違うことはなんでしょう。
 社会に出るとは、正解のない世界に出ることです。学生時代は試験があり正解を求められますが、社会に出てぶつかる問題は誰も正解は分からない、そのような正解のない問題に対処していくことと言われます。
 また、日本の教育は正解を求める、択一問題で一つの正解を求めることを訓練され創造的な答えを出す力を育まないとも言われています。
 一方で数学こそ正解を求める学問だと思われがちですが、数学は問題を解決する術を教える学問だとも言われます。
 正解が分からない問い(問題)に、どうにかして答えを出し、失敗し、行動し別の答えを出す数学的思考は問題を解く力を養う学問だそうです。

 社会に出て求められるのは、正解探しではありません。問題解決力は養っていかなければならない能力ですが、それ以上に問題を発見する力が求められます。

 

失敗は成功のの前

 正解探しから問題(課題)探しに変えた方が、多様性が高くなる気がしますね。正解はないし、正解は一つでもないです。失敗したら駄目だとかではなく、失敗から学ぶ、その失敗があったからこそ今がある、その次がある。
 失敗は、まだ成功していないだけ、成功するまでやってみる価値観を身に着けるのです。
 新人のころは失敗し成長しますが、年数を重ね失敗が許容されなくなる、評価で失敗がマイナスになるから、失敗を恐れ新しいことへの挑戦しなくなり成長が止まります。失敗したくない、変化を恐れる、挑戦しない、成長しない負のサイクルになります。
 失敗を許容する、変化を成長の糧とし挑戦する正のサイクルを廻しましょう。

 「失敗させる、成功させる仕事を経験させているか」「その職場はその経験ができるのか」「失敗、成功の意味をきちんと教えられるか」このことが向かい入れる企業、組織に問われているのです。
 
 新入社員に送るトップメッセージで一番多く出てくるワードは何でしょうか。
 おそらく「挑戦」です。以前大手企業数十社について調べた際、9割近くのトップが「挑戦」という言葉が使われていました。
 挑戦と失敗を奨励する文化、どの企業も目指してはいるが、どこかで止まってしまいかねないという課題が「挑戦」というメッセージに込められています。
 もう一つ、多く出てくるワードに「現場」が挙げられます。
 「現場」が大事というメッセージを言われるトップの方は多いです。「挑戦」と同じく、大事なのにほっておくと、その大切さが失われていく危機感から発せられる言葉です。

 私はあるメーカーの営業に配属されたのですが、新入社員のころよく「見たのか、聞いたのか、触ったのか」と言われたものです。実際にお客さんのところに行きもしない、見もしない、きちんと聞いてもいないで、机上で体裁を整えても本当に受注につながらない。
 お客さんと同じ絵が描けるか、お客さんのニーズをどのように具体的に分かる、なぜそのニーズが重要なのか、その背景、状況を実際の現場に行って観察する、体現する、確認する。ここまでは分かっているけど、ここのところが分からないと聞く、お客さんと認識を一致させることが大事です。

「現場」とは

 では、「現場」とはなんでしょう。材料メーカーの営業で行けと言われる現場は顧客です。製品が使われる現場は例えば工場の中を指します。製造ラインを指します。そこでの課題をつまなく観察し聞くことです。
 基本は現場にあります、実際に現場に入れないとしても、その使われ方について顧客と徹底的に話し合い同じ絵が描けることです。
 では、開発の現場は何でしょう?営業からあがってきた顧客課題を解決する手段を、持っている技術で考え試作する。その試作する「現場」ではないでしょうか。手を汚してはじめて開発と開発マンは言われます。
 そこでまた課題が出てきます。その課題を解決するための他の部署の「現場」があり、そこの協力を得て仕上げる。
 メーカーであれば、自社の工場の「現場」はまさに製造、作っているところですね。そこで歩留まりや品質の課題が出てきます。すると品質保証の「現場」ほか様々な「現場」で解決していく。
 そうして商品化され顧客に買っていただくと、また顧客の「現場」に戻ります。
 顧客に始まり顧客にかえる、これがマーケットインの考え方ではないでしょうか。
 あたりまえのようで、分かっているようでわかっていない、ものごとを進める、語るのにその意味、その先の意味を理解して、一言で終わらせないで伝えるのを意識することです。

 まとめ

 正解のない社会に出て、「現場」を廻り、問題を発見して、その解決に向けて「挑戦」していくことです。




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