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「オニごっこ」は凄いあそび

 僕が開催している巡回スクールや巡回指導の活動では、必ず「オニごっこ」を行っています。
 「オニごっこって、オニ役が逃げる役を捕まえるだけの子どものあそびでしょ!」と感じている方は多いと思いますが、その単純なあそびの中に「動きづくり」や「判断」「コミュニケーション」などスポーツだけでなく日常生活においても必要な要素が含まれています。

そのオニごっこに含まれている大切な要素の3つを説明していきます。

 <1つ目>動きづくり的要素

 動きづくりとは、幼児期の運動機能が急速に発達し、多様な動きを身につけやすい時期にさまざまな運動の刺激を与えて、運動機能を発達させる事です。  

 運動機能が発達すると、普段の生活で必要な動きや身を守る動きなど基本的な動きを身につけやすくなります。

 基本的な動きには「立つ」「走る」「起きる」「投げる」「蹴る」などを含め「36の基本動作」があって、オニごっこには、ルールによって異なりますが「36の基本動作」から、3種類から5種類くらいの基本動作が含まれています。

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<2つ目>判断的要素

 判断とは、広辞苑で調べてみると「ある物事について、自分の考えをこうだときめること。また、その内容。」とあります。

 その自分の考えをきめる判断は「認知・分析・選択・実行」の4つに分けることができます。

<オニごっこで逃げる時の判断を4つに分ける>
  認知:オニが居る位置や距離など今の状況を確認。
  分析:オニは、足が速い、まだ距離がある。
  選択:「離れる」「かわす」などの行動を選ぶ。
  実行:離れるように逃げるという実行をする。
 となります。
 判断したことが巧く行くと逃げられる、失敗すると捕まる。そのような判断の繰り返しを行う事で判断する力がついてきて判断力になります。

 判断力がついてくると日常生活での「寒いから上着を羽織る」とか「喉が渇いたから水を飲む」などもスムーズにできてきます。そこから毎日行われている事を先回りして行動できるようになったり、いろいろなことに挑戦する実行力につながってきます。

<3つ目>コミュニケーション的要素

 コミュニケーションとは、これも広辞苑で調べてみると「社会生活を営む人間の間に行われる知覚・感情・思考の伝達。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える各種のものを媒介とする。」と書かれてます。

 僕が行うオニごっこは、子ども達の年齢や動きの理解度によってルールを変えますが、ほとんどのオニごっこで起きているコミュニケーションの必要な現象は、オニが逃げ役を捕まえた時におこる「触った!触ってない!」論争です。

 そこに関して僕は完全に放っておきます。

 そうすると当事者同士で、話し合いやジャンケンなどで折り合いをつけるというか折り合いをつける事ができるようになります。

 コミュニケーション力がついてくると仲間と協力しての活動ができてきますし自己肯定感も高くなってきます。

 この3つの要素が「オニごっこ」という遊びの中に含まれていて、子ども達は楽しみながら身につけていく事ができます。

 これから皆さんが子ども達とオニごっこする時に3つの要素が入っているか見つけてみてください。


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