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安達としまむら 「ムラ」が僕に教えてくれたもの

はじめに


このnoteに目を通していただきありがとうございます。

毎度お馴染みですが、ネタバレ注意です。

もう一度書きます。

ネタバレ注意です。

ムラを既に読んだ方が目を通す前提で書いていきます。



前回のnoteは


前回のnoteは目にしてしまった神話をほとばしる熱いパトスで思いのままに感情をぶちまけた、それはそれは残酷で目に余る記事でした。

ただそれも事実であり大事な結果です。

ムラを読んだ直後の新鮮な気持ちは本物です。なかったことにしてはいけないのです。だからムラを読んだ方は今抱いてる新鮮な気持ちを全力でアウトプットしてほしい。自分の気持ちに嘘はなく、むしろその今こそ本心だと思うからです。

では今回のnoteは何かといいますと、無事に賢者タイムを迎えたことで冷静にムラを振り返り、僕なりの整理された気持ちを分析していく自問自答のようなものです。

さすがに三日も経ち劇薬という名のレモンチューハイをグビっと飲めば心が安定するのです。びっくりしましたね。素面で感情が右往左往しているところにアルコールを入れると逆に安定するんですね。たぶんダメなやつだと思うのでオススメはしませんが、とにかく無事に賢者となった僕はそれこそ素面でムラを振り返ることができるのです。


桜の花びらが落ちるスピード


その前に二つほど章を挟みます。

安達としまむらは僕にとって安達に感情移入する物語です。

例えばバレンタインのエピソードでしまむら視点で書かれたストーリーがあるのですが、そこで占い番組を毎回見てキーワードを控えて名古屋駅の掲示板にメッセージを掲載するキャンペーンに応募する、なんて描写は一ミリも出てきません。
むしろキーワードを言い始めたところでテレビの電源を落とし、挙句占いに興味はないからもう観ることはないとまで言っています。

そうしてバレンタイン当日にしまむらからのサプライズを受け取るのです。

つまり読者は安達と一緒に「これからも仲良くしていこうね!島村抱月」のメッセージを見るわけで、しまむらさん言ってたことと違いますやん好き!!となり、やっぱり安達に感情移入する前提で書かれているんだなあと思ったものです。

経験上「恋をする」気持ちはすごくわかります。が、「恋をされる」となると、それは恋されてるなあ、好かれてるなあと気づかない限りいつもの自分です。

そのいつもの自分がしまむらなわけで、そして難解とっつきにくいと来れば感情移入においては難しいものがあります。

対して安達は素直に心情が語られ、しまむら大好きをどこまでも突っ走っています。恋を応援することはあれど、恋されることを応援することは全くないとまで言いませんが、そんなに機会のあるものでもないでしょう。

だから5巻でのしまむらの刃で爆発した安達に対し、しまむらの放った言葉は僕にも刃そのものでした。

6巻での飛翔で告白し、それが成功して付き合うことになったとなれば僕も飛翔しました。おめでとうが止まりません。

そんな僕にとって安達に感情移入する物語は、無事に恋人同士になれたとしてもなお変わることはありません。

ムラではどれだけ安達がしまむらのことを愛しているか、しまむらに思いがけず吐露している場面がありますね。本当に素直に、言葉を濁さず真っ直ぐに、自分がどれだけあなたを愛しているか、あんなに綺麗な告白は見たことがありません。

それを受け入れて愛されてるなあと感じとるしまむら。

難解だとは言ったものの、安達のことを好きになったしまむらと安達から愛されてると感じた気持ちは素直そのものです。

ずーっと安達を応援してきた身としては、桜の花びらが落ちるスピードにようやくしまむらが追いついたようでした。


抱月


僕は常に安達に感情移入していました。

そんな折にフォロワー様のごっちさんが執筆した記事を拝読しました。

非常に感銘を受けました。
ごっちさんはしまむらに感情移入されており、そういった方が見る安達としまむらの世界はこんなにも違ったのかと新しい視界が広がっていくのを感じました。

特に感銘を受けた箇所がこちらです。
長い引用となることをお許しください。

 しまむらの考え方・行動原理には、自分にとって共感するところが多々あるんです。が、「わかるぞ」と思っているのは氷山の一角。その共感をはるかに凌駕するこの人の難解さ。それをもっと読み解きたい。島村抱月という人間の組成をより理解したい。もっとその難解な思考を共感に変えさせてくれ。それが自分にとっての安達としまむらに対する最大の魅力であり、面白さであり、モチベーションに感じています。
 それゆえ、私の安達像の多くは「しまむらから見た安達」。安達一人称の話の中でも、安達から見えるしまむらの発言や行動から、しまむらの思考を想像する。
 そんな見方、読み方だったんだなぁ、と振り返ることができたわけです。

しまむらに感情移入すれど、やはり難解さは変わりなく。ただそこに向かって読み解きたい、もっと知りたい理解したい。安達視点で進行していてもしまむらの思考を想像する。しまむらを理解するために安達としまむらを読んでいる。

これは僕になかった読み方で、まだまだ知らない安達としまむらがあるんだと一気に世界が変わりました。

安達に感情移入されている方が多いのではないかと思うのですが、ぜひこのnoteを読んで頂いた方は上記リンクのごっちさんの記事にも目を通していただければ幸いです。


月を抱くとは


前置きが長くなりましたが、ここから賢者となった僕がムラへの感想を綴っていきます。

ちなみにチトさんとシマさんに関してはまだ完結していない部分がありますので、そこは今後考察記事にして触れていこうと思います。

さてムラですよ。

まず時系列でいえば、これは高校2年生の1月か2月、その辺じゃないかなと考えています。
つまり9巻の後ですね。

「安達はわたしの裸をまた見たいんだなぁ」

言葉にするのかしまむらさん……

「また」ということは前回があるということで、その前回は修学旅行を指しているのではないかと思います。

好きな人の裸を見たいというのはなんらおかしなことではなく、最後にその姿を見たのが10月(およそ3か月前)となれば、それを実行に移すために温泉旅行へ誘うのも頷けます。早く見たいよね裸。

いや、もしかしたら本編では書かれていない「また」があったのかもしれませんが、それを言うと無限に可能性が広がるのでここは置いておくとして……。

また他の話では、これがいつの物語なのかが明確にされてきました。

例えば大学生になったとか、社会人になったとか、20歳を迎えるとか。

今回ムラでは時系列がハッキリと明かされていません。もし高校を卒業した後であれば、おそらくそのような文言が書かれているだろうと思います。

え、高校2年生でそういうのをするの……?と信じられない光景に眉をひそめる29歳はどこの誰でしょう、そう私です。

僕は高校時代に恋人のこの字すらなかったのでその辺の事情または情事はわからないのですが、まぁ恋人同士で17歳とかならそうなんじゃないんですか?(もしこれが娘なら僕は泣くけどね)(でも女の子同士ならいいと思います)

どの時系列が正しいとか間違ってるとかそう言いたいのではない、ということだけ。「思います」「でしょう」「だろう」を多用している時点で確証のない考察に過ぎないんです。

まぁそれはさておき。

ずっと応援してきた恋が実り形になり受け入れられる。大好きな人がこちらも愛してくれている。

本当に素晴らしいなあと。こんなに暖かい気持ちになったことが今まであっただろうか。僕も暖かいものが好きです。

しまむらは安達を受け入れるために温泉旅行まで「じゅびん」「勉強」をしてきたんだろうなと考えるとぽかぽかしてきますね。
変な意味じゃないですよ。

愛ってなんだろうとか、好きってなんだろうとか。
そういった抽象的な心について、しまむらも言葉にしていますが安達は目に映してくれます。
だからわかりやすいし、なるほどとなりますし、好きだなあとなるんです。

改めて気づいたことがあります。
ムラの32ページから35ページにかけて僕はしまむらに感情移入していました。
安達のまっすぐな愛を受け止めるしまむらに感情移入していました。
言葉に乗せた愛はどんな人にでも輝いて見えるものなんですね。


おわりに


結局賢者タイムになっても書くことあまり変わらなかったな?

感想らしい感想なんてそんなに書けなかったし。

なんかもうあれこれここはどうだああだと感想を書くよりも、
愛!ラブ!好き!抱き!キス!=尊!
で十分ですねこれは。

なんだかいつ終わってもいいようなストーリー展開ですが、入間人間先生がそのように意図して書いているそうなので、きっとこれからもまだまだ続くはずです。「ちなみに」で振り返るファーストキスフィードバックのハイライトを全編瞬きせず凝視していたいですからね。そこだけはそこだけは。

あ、Twitterアカウントを変えました。

もともとサッカーとか野球とか、そういった人たちをフォローしてきていたにも関わらずここ一か月間ずっと安達としまむらについて話してるbotと化してきており、なんだか申し訳ないなあという気持ちしかなかったので、新しく作る運びとしました。

いやいやまさか同じ作品について毎日ツイートするとは思ってもなかったですしね。最初から作っておけって話なんですが。
熱が冷めるどころかどんどんヒートアップしていくばかりですし。
すごいですよね。アニメ自体はもう終わってるのに右肩上がりではまり込んでいくの。

というわけで今後も引き続きよろしくお願いいたします。


追伸

突然始まったキスの振り返りに心のじゅびんができていないあだしま民たちは「17ページ」この言葉だけで何が言いたいのかを共有することができるのであった。


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