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バイオ産業の成長力など大掴み

こんにちは
 テーマとして人気のある分野の一つに「バイオ」がある。この記事を見ていただける方はこのテーマへの関心が高いものと推測。バイオ産業を捉えるにには知識が必要です。これを機会に、そのバイオ産業全体を理解するための情報を少し整理したので、参考にしてください。

製薬・バイオ産業を大きく掴む

 製薬・バイオ企業等について分析・予測をし情報交換するサイトとして、企業なら「EvaluatePharma」、機関ならWHO、各国保健省(日本は厚生労働省)がある。今回は以下のEvaluatePharmaのリンクを貼りました。

 同社HPの中に、世界の処方箋売り上げ高の中期予測(19-24年)がある。

・売り上げ高【増加】
  2019年:約8,750億ドル → 2024年:約1兆2000億
・CAGR(Compound Annual Growth Rate: 年平均成長率)
  +7%

 バイオ医薬品業界の成長予測をする場合、

 ・人口の増加
 ・平均余命の増加
 ・新興市場の中間層の成長

などの世界的な長期的な増加トレンドと捉えることできる。
アメリカ食品医薬品局 (Food and Drug Administration)による新規分子エンティティおよび先発生物学的製剤の承認率は、2000年から2010年までの平均約23/年から、2017年から2019年までの平均51/年に増加している。さらに、過去5年間でバイオ医薬品の合併および買収活動は年間平均2,200億ドルを超えている
 それら合併や買収の背景にあるのは技術革新と言われる。新技術である、RNA(リボ核酸)の研究のほか、治療法としてベース療法、細胞療法、遺伝子療法を含む新しい治療法など、著しい成長が期待出来ると言われている。昨年末にバイオンテック・ファイザー連合、モデルナ、アストラ・ゼネカなどがメッセンジャーRNAによるワクチン開発に成功するなど、既に成果も出ている。

医薬品への研究開発

 19年のバイオ医薬品への研究開発への投資総額は推定3000億ドルと言われる。3000億ドルの内訳は以下の通り。

 ・2000億ドル 医薬品業界
 ・1000億ドル NIHなど米機関、米政府、学術機関、研究機関

約1000億ドルの各機関による追加投資等により支えられている。なお、バイオ医薬品部門への研究開発費は、世界における研究開発費の約19%を占める。その他産業への投資割合は以下の通り。

 [16%] コンピュータハードウェア
 [12%] 産 業
 [ 9%] ソフトウェア
 [ 9%] 半導体
 [ 5%] 材 料
 [16%] 消費者の裁量   など

比較するとわかる通り、他産業よりも著しく高い

米バイオ企業の現状とRPRXについて

 新たに承認された医薬品の平均開発費が現在14億ドル超

 15年から19年にかけ、米バイオテクノロジー企業が公共市場で調達した資金は計1700億ドル超。この1700億ドルのうち、210億ドルはIPOを通じ調達されているそうです。その5年間において年平均のIPO数がは36件。同期間における比較は、

 テクノロジー部門 約34件
 他部門      約15件

以上がIPO実績です。また19年末時点で、米国には時価総額200億ドル未満のバイオテクノロジー企業が約500社ある。

 最後に、バイオ企業のロイヤルティ・ファーマ(RPRX)について。
 RPRXは、米国以外のバイオ成長を背景に、米以外の地域のパートナー候補とのネットワークを拡大中である。EvaluatePharma社のデータによると、2015年から2019年の間に3000億ドル以上のバイオ医薬品に係る取引があったと推定(米国外にの内訳は全体の約50%とされる)
 RPRXが保有するパテント(バイオ医薬品に係る特許、特許権)から新たなロイヤリティ契約取引に関し、

・19年の実績 約200件のレビューの内7件
・20年の実績 265件超のレビューの内8件

以上の取引実績があった。また、パテントにからロイヤリティを得るだけでなく、パテントそのものを取引することもある。
 RPRXは、パテントごと買収する経営を行っている。買収時に子会社となり、戦略的な側面から一部のパテントを他社に売り、利益を得ている。通常、企業買収は時価総額及び売り上げなどの収益ちょり算出する。しかし、バイオ企業は保有するパテントのほか、保有するパテントによる既存製品のロイヤルティに基づき、資本調達する方法があり、RPRXはこの方法により実施している。この方式は、より低いコストでかつ資産の運用管理を維持する能力を評価できるなど、従来よりも多くの利点を提供できるとされる。

ここまで読んで頂きありがとうございます。