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自分のマインドセットを作る

今日は子供のマインドセットを作り上げた話をしたいと思います。

このマインドセットが出来るまで
大体1年が経過しました。

なぜ私がマインドセットの話をしようと思ったかというと
子育てには多くの想いがあって
その中でも
私にとっての育児は
「生きる力」を子供に伝えるのが育児だと思っているからです。

苦戦した育児


私の息子は
良かれと思ったことをすると全てそれが
「嫌なこと」
になってしまい
今まで色々苦労しました。

他人からは
なんて最高な子供!!!!!と絶賛されますが

皆さんもお分かりの通り、自分の子供はそうは簡単に行きません。


人に会ったら挨拶もできない
人に話しかけられると不機嫌、大泣き

週に4日しか保育園がないフランスに住んでいて
毎日昼ごはんも帰ってくる。

午前は3時間
2時間のお昼休みを家で過ごして
また午後は2時間半保育園へ戻る。


少しでもいいから他の子供との時間を多く持ってもらおうと
4歳の時にベビー柔道を始めました。


不安が募る習い事


柔道を始めたものの
技を覚えるのは6歳からという決まりがあり

毎回一人づつ障害物アクティビティをするので
1時間の稽古のうち40分は並んで待つという
耐え難い習い事でした。

息子も辞めたい辞めたいと言っていたのですが
先ずは技を学べる歳まで頑張って
その後は辞めるか続けるかを決めるように伝えました。


子供の言うことに従うことが全てではない


子供は小さいうちから好き嫌いがハッキリしていますが
判断ができません。

そのため、楽しくないことを続けさせるのは
酷じゃないかと思いがちですが
環境問題と比例して
優柔不断、そして何に対してもモチベーションが持てない息子には
小学生までは家でダラダラするより良いという判断で
他人がいる空間に慣れさせるために続けてもらいました。


そしてヒアリングを深めれば深めるほど
息子がやりたくない理由は
技を教えてもらえないが、最大の
やってても意味がないから辞めたい
と言う理由、ということが分かったのです。

6歳からの習い事


6歳になり、やっと待ちに待った稽古。

どんな技を教えてもらえるのかワクワクしていた息子。

足払いという技だけをひたすら1年間やり
後は引き続きただ走ったりジャンプしたり
自分の番が来るのを待って障害物アクティビティをやる。

やっと柔道ができる!と期待していたのに
1時間の稽古の20分は列に並んで待つ時間。。。

列に並んでばかりいる子供たちに
そろそろ私も、息子の柔道は今年が最後になるのかな。

と心のどこかで考え始めていました。

柔道という競技の素晴らしさを見つけることができない状況ばかり
責めていても仕方がない。

そして息子と話をして
今年の最後までは続けてみようと決め

そんな話をしながらも
私たちは引っ越しをすることになりました。


引っ越しで転機が


引っ越し先の近所には柔道クラブは無かったものの
車で15分の場所にあるクラブを見つけ、体験しに行ってみました。


1つ1つ基本の技が始まり
始めは付いていけないほどの多さの技。

毎回行くたびに15分くらい柔道の歴史
嘉納治五郎への敬意
「心・技・体」についての語りがありました。

嘉納治五郎さん

フランス人の夫はちょっとつまらないなー
なんて言っていたものの
歴史が大好きな息子は柔道の虜になり
技が力づくではないということを学び
毎週2回もある稽古にもっと行きたい行きたい!と
激変していったのです。


初めての試合


新しいコーチのお陰で
練習試合や試合に行きたい!と言い出した息子。

人の集まりが大嫌いだった息子が
柔道でもっと頑張って帯を取りたい!
とやる気満々になっていったのです。

(フランスでは柔道に帯の色があり
白から始まり黄色、オレンジ、緑と段階があります)


初めての試合では全敗。
1年間で14回くらいの試合に出場して全敗しました。

ただ、息子のやる気はとっても強く
私までが期待してしまうくらいの柔道好きで
毎回遠い会場でも
経験を積ませるために連れていっていました。


先生が会場にいなくても
毎回負けても
「大切なのは経験を積むこと、今年は色んな会場に立つ経験を積んでいこう」
と話していました。


しかし
長い長い道のり
ガソリンを削って会場に行くも毎回全敗する姿に
私自身が疲れを感じてきたのです。

息子が
ただただ会場に遊びに行っている感覚になっていると
私の目に写っていたからです。

技を学んでも学んでも何も使えない姿に
ガッカリ感が膨らんでいきました。

その姿を目覚めさせようと
私は会場で誰よりも大きな声で
みんなに注目されながらも
負け続ける息子を応援し続けていたのです。


親の思い


私がお伝えしている
ポジティブ心理学では
ポジティブな思考を学ぶのではなく

ネガティブ思考がキーとなり
ポジティブ思考を最大限に活かして
普段のパフォーマンス、そして幸福感を上げていきます。


私がスポーツトレーナーとして学びを始めたきっかけは
息子の柔道がきっかけでした。


試合のビデオを撮っても
全く見たがらない息子。

試合前に他の子の試合を見るようアドバイスしても
興味ないと言われ。

応援しても気が散ると言い訳を始める。

出来ていたテクニック
出来ていなかったテクニックについて話しても
もううるさい!!と言われ

私はコーチに息子の状況を共有してみました。


コーチは他の子供にも共有できるよう
みんなの前で私の言いたかった、伝えたかったことを
話してくれ、少し息子にも言葉が届いた様子でした。


息子は柔道を楽しんでいるけど
技が身につけられていないのが明らかで
私はそれを正直に息子に伝えました。

息子自身も分かっている様子で
「俺は出来ている!!」と毎回逆上していて


出来ない自分とどう付き合ったらいいか分からなくなっている
息子を受け入れました。


迷子になっている息子への対応


ある日を栄に、稽古を毎回見ていた私は
稽古を見るのを止めました。

子供は
親に見ていてもらえると安心するけど
集中力が断然変わってきます。


私は単純に、息子が

柔道が好きという思いに集中
してもらえるよう稽古は席を外して
稽古がどうだったかの話を聞くようにシフトしていきました。

私もその時点で
息子がどの技が苦手で、どの技が得意で
何が苦手などの細かい詳細を全て手放したのです。

ただただ心から柔道を楽しむこと。

それに集中してもらいました。


やり方を変えてからの試合



毎回負ける姿が情けなさすぎて
もう試合は見たくない!と真正面からパパに言われた息子。


場所の経験を積むことが今は大切。
パパの言葉は気にしない。

この2つを私との間で確認しながら会場へと
毎回向かっていました。


半年振りに試合があり
息子はもちろん、いつも通り出場したい、と。

久しぶりの試合会場に着き
私も現場にすっかり慣れている感覚を味わいました。

試合が始まる前に
「今日は絶対1位になりたい!」と意気込みを私に伝えてきた息子。

毎回毎回意気込みだけが一丁前。

「今はどんな気分?」

「・・・緊張してる、不安、怖い」


もう1度同じ事を言う


1年間言い続けていた言葉をここで再度話しました

「1位になりたい!って気持ちの後ろに
そ不安とか緊張とか怖いっていう気持ちがあるんだね。

うんうん、良い状態にあるよ。
今日はいい試合できるかもしれないねー

勝ちたい!っていう気持ちは
不安や怖さのパワーが絶対必要なの。

今まではやる気だけの気持ちだけで頑張ってきたけど
今日はやる気も、不安も両方使って試合に挑んでみたらきっといいパフォーマンスができると思う。


試合する相手が目の前に立った時
緊張はどうなるかな?」

「何も感じない」


この時に、たった2ヶ月で息子が
自分の柔道に集中できていることに気づきました。


「その調子でいこう!
戦うのは相手でなく自分!自分のその気持ちと戦ってきて!
自分のテクニックに集中。
相手は関係ない。
自信無くなりそうになったら
大丈夫!できる!って自分に言ってあげて!
できる!絶対できる!行って来い!!」


私は、
毎回どの親御さんよりも大声で応援することをやらないと
決めたので
叫びたい気持ちを息子にエールとして伝えました。


1試合目 勝ち

2試合目 勝ち

一言も声を出さず、コーチと私はただ息子の顔を見て頷いていました。

今まで技1つも使えなかった息子が2試合共綺麗な技をキメていました。


勝ち負けより、技をキメてほしい!

そんな思いで

3試合目

結果はどうでもいい。
技が見たい。
そんなコーチと私の思いは

綺麗な1本を決め、息子は始めての1位を取りました。


マインドセットが出来上がった


とっても喜んでいた息子

私は1位になれたことより
息子の気持ちが知りたくてワクワクしていた。

「めっちゃカッコよかったやん!!!
すっごい綺麗な技!本当に素晴らしかったよ!」

「ありがとう!」

「今日は一言も叫ばなかったわ」

「うん、相手のお母さんがうるさくて、試合中に相手が
分かったよ!うるせー!って言ってた!笑」

(と聞いて、フランス人って子供まで冷静だな。
と思ったのです。)


「何度も何度も2位でもいいかなって思ったんだけど
でも、ダメダメ!俺は1位を取りたいんだ!と思ったんだ。
不安が沢山あったけど、相手と試合を始めるときに
怖さが全部消えて自分に集中することができたよ!」


そんな話を聞いて
9歳の息子が
自分だけのマインドセットを体験することができたと
確信したのです。


1位になることが大切なのではなく
試合の自分をどう励ませるか
その力は確実に

生きる力

なのです。


私が長年、人生迷子になっていた時も
自分を励ましたり、疑問を解明する力がどうしても足りなかった

このマインドセットの力は
勉強できる力や、継続する力、と同等に大切な力なのです。


最後に


最近、他の仕事に一生懸命になりすぎて
心理学についてブログを書くことに時間を作れなかったのですが

それが2週間も過ぎると今度は
なんだか罪悪感に変わり
今まで私がやってきたことが全て台無しなんじゃないか・・・
と言う不安になったのです。


私は恐ろしく長い時間、人生迷子をしてきて
学んだことが膨大にあるのです。

そこで学んだ1つは
心の定位置

人は自分の心の定位置がずれると歪みます。


この歪みは人生にとっても必要な要素なんです。


歪みは成長期に現れます。

その歪みを受け入れて
立ち直る力を発揮すると、人生の最低位置が底上げされていきます。

これを繰り返すと
幸福感がどんどん上がっていくのです。


ちょうど私はそんな時期にいて
息子の柔道に対しての対応にも変化を付けていった時期でもありました。

焦る気持ちや
出来ていない自分を受け入れて
よく頑張ったね!最近いい感じじゃん!って
そう思ったら、止めていたものがまた動き出したのです。

過去の日記を読み返したり
再度今まで勉強してきた教材を読み漁ったり。

そうこうしている内に
息子は自分のマインドセットのベースを作り、実践することができました。

私の自分の変化が
確実に息子にも伝染した時期だなと感じたのです。

自分の成長への投資は
誰かの成長への助けになるというお話を今日は皆さんに伝えたかったのです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。



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