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雪柳 あうこ
2020年3月23日 22:44
たわわに咲いた雪柳の花房の根元に幼い日のわたしがいる 小さな手で花房を握りしめたまま先へと沿って引っ張ると ぶちぶちと小さな音を立てて命が千切れる掌に、あふれる緑と白 汗ばむ中、毟った命の花吹雪を小さな手が空に巻き上げる 「きれい」は一瞬バラバラと散る残骸を幼さは、すぐに忘れる 小さなわたしの影を見送りわたしは葉と花をかき集め命のかけらを押し戴