じゃあなんでそんな男と結婚したの?

昨日は夫の悪口ばっかり書いてしまったので、今日は私のことを。

かつての私は俗に言う「起業系キラキラ系女子」(皮肉を込めて)だった。

さほど儲けもなく、都会にいたらこんな人もいるよねーレベルの存在だと思うが、地方都市では割と珍しい職種だったり人種だったりしていたので、目立っていたらしく、役所に目を付けられて「女性の活躍推進」の為に利用していただいたり、地元のテレビに半年に一回くらい呼んでもらったりもしていた。

が、しかし、実際の私はキラキラ感とは程遠く、孤独で貧乏な日々を送っていた。

お客様には恵まれていたものの、そうそう簡単に儲けは出ないもので、日々の仕事と生活を回していくだけで、時間的にも金銭的にもいっぱいいっぱいだった。貯金なども無かったし、なんなら実家に寄生していた。


その時の年齢は35歳くらい。


同世代の友人は新卒で就職した会社で順調に15年ほどのキャリアを積み、結婚し、子供も何なら三人くらいいて、家まで建ててるという人が多かった。

私はというと、、、26歳で転職し東京で丁稚奉公のような日々を送り、29歳で地元に帰ってきてからは責任者を経て33歳で独立。

結婚するタイミングも無かった訳ではなかったが(負け惜しみじゃないよ)、その時はちょうど上京したてだったり、仕事が楽しかったりで、「結婚」「出産」というものが楽しそうには見えなかった。


でも、そんな私も35歳くらいになると、ふと「子供を設けるタイムリミット」を意識しだす。


自分の人生で、経験していない事があるというのは勿体ない気がした。

ファミレスで散々迷った挙句オムライスにしたのに、料理が運ばれてきた途端に、連れが頼んだカレーが急に羨ましく感じる。自分で選択してきたはずの人生なのに、「じゃない方」も味あわないままに死んでいってもいいのか、そんな感情が芽生えてきてしまった。


どっちも食べてみたいと思うのは強欲なのかもしれないけど。


そんな訳で、婚活から始めた訳だが、もともと男性に上目遣いをしたり(?)可愛げがあったりモテるタイプではない上に、周辺の人々からは「結婚を捨てて仕事に生きる女性」みたいな謎のレッテルを貼られていたようで、うっかり飲み会で「早めに結婚したいんすよ〜」と口走ったりした暁には、「えっ、そうなの…?」と、周囲をドン引きさせてしまう事などが多々あった。

身近な人からの紹介とかもあったが、そんな訳で周囲が作り上げている謎の「私」(外ヅラ良い)に反して、意外と私の癖がヒドい為にマッチングに苦労し続け(私が相手に興味を持てずにたいてい話が続かない)、数年が過ぎてしまったある日、「これではラチがあかないな」と思った私はマッチングアプリに手を出した。

もともと達成意欲は強い方。こうなったらなりふりかまわず、世界中のどこかにはいるであろう一人をこちらから見つけに行こうとインターネットの広い海に船を漕ぎ出した。


そこで出会ったのが現在の夫である。


彼は私にとっては「話しごたえのある人」だった。

初めてやり取りをした日から、メールの文面やレスの間隔が心地よく、イラッとすることが無かった。また、話題も独特で同じく独特なタイプの私は楽しかった。

ただ、彼の人柄を深く知っていくにつれ、前述のとおり何事も自分優先で、相手に対して優しいようでいて実は無関心、男女問わず友人関係は大切にするが、家族を大切に扱うことには重きを置いていないという特性が、結婚生活を送る上では自分とマッチしているのか、気になるようにはなっていた。


その為、私は彼とやりとりしながらマッチングアプリ活動は継続していた。


この人は結婚したらきっと素敵な夫やお父さんになるだろうな、という方もいた。現夫とのデートは自分の趣味に付き合わされるだけだったが、それとは全く違うほのぼのとしたデートを何度繰り返しても、結果としてはこの人と距離を詰めたい!と思う程のエネルギーが生まれなかった。


夫とは毎晩のように長電話するようになっていた。いつも意見が合う訳ではなかったし、議論みたいになったりもしてたけど、それが面白かったりで延々話し続けて朝になったこともあった。一番長くやり取りを続けることができたという理由で、結婚することになる。

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