AB社コラム 第10回:日本人は「分相応に行動する」ことを訓練されている!

AB社コラム 第10回:日本人は「分相応に行動する」ことを訓練されている!

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前回に引き続き、テーマは人材の「需給ギャップ」です。

前回は、需給ギャップが起こる理由は、英語やプログラミングなどのハードスペックの問題ではなく、日本に蔓延する「誰かがやると思っていました」とのマインドに問題がある、と指摘しました。

では、なぜ「誰かがやると思う」というマインドになるのか?ということについて、今回はお話します。

学校内の人間関係「スクールカースト」

これは、日本では子どもの頃に戻る話です。

日本の学校には「スクールカースト」がある、という話を聞いたことがありませんか?「スクールカースト」というワードは、ここ数年であっという間に浸透したように思います。それほど、日本の学校内の人間関係を的確に表現したワードだった、ということでしょう。

スクールカーストとは、端的に言うと、クラスの中にはカースト(階級)があり、そのカーストに沿った分相応な行動をしなくてはならない、という不文律が存在する、というものです。特に中学高校でその傾向が顕著のようです。

廊下で大声で笑っていい人、先生に野次を飛ばす権利がある人、というのはカースト上位の人と決まっています。

カースト下位がラインを越えて上位と同じことをすると、「おい、お前、いい気になってんじゃねえぞ」と上位が下位を恫喝する。要はいじめられてしまうので、下位は下位らしい行動を取ることに徹します。おとなしく、下位らしく。

では、上位は我が世の春になるのかと言うと、実は上位は上位でつらい。

下位が分をわきまえない行動をとったときは、恫喝しなくてはいけない。先生が笑いを交えて芯を食ったことを言ったときは、真っ先に突っ込まなくてはいけない。トップはトップとして、クラスの空気を作っていかなくてはならないわけです。

スクールカーストのトップ中のトップの子は、実はプレッシャーで抑うつ状態になっている、ということも聞きます。

※参考文献「教室内(スクール)カースト」鈴木翔著 (光文社新書)

このスクールカーストは言葉として一般的になったのはここ数年ですが、子どもの頃を振り返ると、まさにこの状況の人間関係が構築されていた、と思い当たるフシがある人は多いのではないでしょうか?

振り返れば、自分はスクールカーストに沿って、分に合った行動をしていたと。

社会人の今でも分にあった行動をする人たち

日本では、この中学、高校時代に刷り込まれた「分に合った行動をする」ことを、大人になった今でも組織の中で守っている人が実に多い。

例えば、メールのやり取りの際、レスの応酬で件名が長くなってきたり、内容が異なってきたりすると、件名を変えたほうがわかりやすくて良いですよね。ですが、「件名を変えることができるのは、それができる立場の人だけ」「私は件名を変えることを許されている立場ではない」と、“自分の分”を常に察知し、その分に合った行動を取ります。

メールに対して、「お世話になっております」といった前置きや、「楽しみですね」「今後ともよろしくお願いいたします」との後書きを書かずに、簡単に「了解しました」だけの短いメールで反応できるのは、それができる分を持った人だけです。

「働き方改革をするので、絶対に19時には帰りましょう!」と号令をかけたとしても、本当に19時に帰ることができるのは、その分を持っている人だけ、と考えます。「私は19時に帰る立場にない」と、分に合った行動をするために、少なくとも上司と同じ時間まで残業します。

つまり、働き方改革ができるのは、分が上位の立場の人だけなのです。

なぜ、分に合った行動を心がけるのか?それは、スクールカーストがあった頃と同じで、分を守りさえすれば、安定した立場でいられるから。

分を越えてしまうと、叩かれるからです。

ハードスキルの下にあるマインドの再構築が必要

今、人材の供給力を高めよう、企業の需要にあった人材を作ろう、としたとき、英語やプログラミングなどのハードスキルを付けることに躍起になっていますが、実際はハードスキルの下にある構造、マインドのインフラを再構築しないと難しいです。

よく言われる「同調圧力」ではなく、「分相応に行動すべし」というマインドです。

分相応に行動するから、それを越えた課題は「誰かがやると思っていました」となるのです。

野球で外野にフライが飛んだとき、キャッチャーに直接返球することは僕ごときの守備力では許されていない。だから、セカンドにまずは中継プレイで返球する、という外野手がほとんどですよね。

イチローなら許されますけど、僕は違います、と分をわきまえているわけです。

時々、そんな日本人マインドを持たない助っ人外国人が、堂々とキャッチャーにダイレクト返球したりしていますが(笑)。

企業の需要に合った人材は、このマインドがある以上、供給されません。企業は、プロとしての肩と足があった上で、ダイレクトにキャッチャーに返球できる外野手を求めているからです。

では、どうすればこの日本人に蔓延するマインドから脱却できるのでしょうか?
長くなりましたので、このテーマは次回にお話します!


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