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銀行リテールの未来を語る

仙です。お世話になっております。
近年、リテール営業を取り巻く環境は大きく変わってますよね。
銀行の店舗の統廃合は進んでおり、まだまだ減っていく予定です。ポジションも勤務地も少なくなっていますが、一段と減っていくわけですね。

例えばA支店にB支店とC支店が統合されたとします。3つの支店が1つの支店に集約されると、支店長は3人も要らないので2人支店長がいなくなります。
課長はというと、例えば1課がプロパーのA支店の課。2課がB支店、3課がC支店…という形で、ライン(課)を増やして各支店の担い手の取り纏め役として置かれる場合もありますが、しばらくするとラインも統合され、1課あるいは2課体制になり、課長及び担い手が減る。

こんな形になることがほとんどではないでしょうか?

減ったその現場の人はどこへ行くのかというと、若ければ本部に吸収されるか、証券会社などグループ関連会社に出向するか。
何しろ、力を入れたい分野は海外(アジア)、ウェルスマネジメント、コンシューマーファイナンス(決済)、グローバルな大企業取引、受託財産の運用。加えてそれらを支えるデジタル。この辺りです。
注力したい儲かる分野には人員を増やして、そうでないところからは減らす。企業ですから、ここは当たり前ですよね。

下図はMUFGのホームページから抜粋させていただきました。

私の古巣でも、自分たちの将来に不安を抱いている担い手は多くいます。辞めた私に相談が来ることもしばしばです。
そもそもが少子高齢化で、中小企業も統廃合が盛んな時代です。黙っていても顧客は減っていくことは想像できますよね。
今までは箱の中の100個の飴玉を10人で取り合っていましたが、今は箱の中の10個の飴玉を3人で取り合っているような具合です。マーケットは縮小、プレーヤーも減少。結果、競争は激化している。
プレーヤーとして残っていくことは、以前とは比べ物にならないほど難しくなっています。

銀行リテールを取り巻く環境の変化は、一般的な世の中の変化に合っているものです。ざっくりと

①サービス開始期、サービスを受けている人が僅かしかいないので、A社もB社もC社もとにかくサービスを売って、サービスを受けている人を増やす。

②サービスを受けている人が増えてくると、A社は高級路線、B社は安い、C社は○○が強み…など、サービスの差異化が起こり、受け手はサービスを選べるようになる。この頃にはD社もE社もF社も参入してくる。

③サービスを受けていない人がいなくなり、何でも手に入るようになると、今度は「自分に合ったオーダーメイドのサービス」が求められるようになる。

という感じです。
イオンやセブンイレブンが銀行を立ち上げ、ネットバンキングも充実して久しいです。リテール金融はしばらく前から③の段階になっていますよね。
自分に合ったモノを探すのですが、何を頼りに探せばいいのか分からない。故にYoutubeで巡りあったリベ大に入信したりするわけですね。

こんな流れで、リテールマーケットは自分で考える力を持ち(勿論程度の差はある)、商品・サービスの差はネット上で公開されており、実店舗を持つ地の利を活かせるはずだが店舗と担い手は減っている。
そしてベテランは次々と退職していき、後進が育っていない。タスクが減っていかない。知恵をつけなければならないのに。
中々の状況ですよ。これは。

今後、どのようにキャリアを作っていきましょうか。あるいは立ち回っていきましょうか。

 大手金融グループが一斉にウェルスマネジメントに舵を切っているわけですから、当然この分野には未来があると思います。

 コンシューマーファイナンスも良いでしょう。決済は銀行の命綱です。

 また外国語を習得すれば海外リテールという道も拓けてくるでしょう。
シンガポールは日本に比べて遙かに大きなマーケットですし、タイなどの東南アジアはまだまだサービスが行き渡っていません。日系企業の駐在の輪の中に入ること自体も非常に良いと思います。

 法人営業に転身するのも良いと思います。個人営業のスキルはオーナーと話をする際に必ず活きるでしょう。ただし、顧客からも同僚からも、求められるパフォーマンスの期待値は高くなります。

 デジタル分野は勿論あり得ます。非対面でできることが増えれば増えるほどいいわけですから。現場で「こうだったらいいのに」と感じたことを実現することにはとても大きな意味がありますよね。ちなみに今はどうかわかりませんが、1年前にはNECなども、富裕層営業向けのソフトの開発・金融機関向けの営業の為に、金融の営業を採用したりしていました。

 色んな道が選択できると思います。努力は必要になります。
次回、ここから先は、それでもリテールに残って頑張る担い手向けに、お話していきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
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