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SK∞の、土地への敬意に惚れた

今クール、ここらでちょうど折り返したところですね。完走してから振り返るより、放送されているうちに「あれ観た??」「おもしろいよねえ」という他愛のない感想戦をしたくなっている。

今追っているのは、楽しみにしていた続編が半分、新たに観始めた作品が半分、どうしても避けられなかった大名作の再放送が1本の合計13本というラインナップ。

なかでも、沖縄で繰り広げられるスケボーバトルを描いたオリジナル作品「SK∞(エスケーエイト)」の第6話にやられました。

沖縄本島から宮古島に渡るバカンス&湯治のほのぼのギャグ回…かと思いきや、まさかパーントゥをあんな形で登場させるなんてなあ。
パーントゥ、というのは宮古島の仮面来訪神のこと。旧暦9月、由緒正しい泉の泥を全身に塗った仮面の神様がやってきて、無病息災や新築のお祓いなどを祈願しながら集落の人や家に泥を塗りつけてまわる厄払いの儀式です。
2018年には、男鹿のナマハゲやトカラ列島・悪石島のボゼなどと一緒にユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。

泉の底に溜まった泥はむちゃくちゃ臭いらしい。パーントゥに襲われることが厄除けになるとはいえ、顔や服についた泥のにおいは数日消えないそう。…という、パーントゥそのものに関する基礎知識や説明を潔く省いて不気味さを演出しつつも、描写は事実や風習に基づいていて感動しました。

あと、パーントゥの人(?)スケボーむちゃくちゃうまかった。

民俗や風習を取り上げる作品や表現には、作り手が持つ、風習や土地の人々へのリスペクト度が透けて見える。どんなにかっこよさそうに表現しても、本質の理解やそこに暮らす人への敬意がなければ白けるし、見ればわかると私は思っていて。
この回は地元の方々が観たら嬉しいだろうなぁと、私まで嬉しくなった。
エンドクレジットで宮古島市島尻自治会も協力していました。

この作品が舞台を沖縄にしたのは雪が降らないから?と勝手に予想していたけど、島や周辺の民俗や文化を細やかに拾い上げてるところに、沖縄を舞台にしたことへの気概を感じました。

キャラクターが一人一人個性的で、スケボーのアクションもダイナミック。流し見のつもりがすっかりハマっています。7話以降はクライマックスに向けたバトルと、主人公である暦&ランガの人間関係、才能や技量と友情とのせめぎ合いが柱になるんだろうな。

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