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君の名は。

怒りに満ちたインド・マドゥライでの滞在。
最後は笑顔でこの地に別れを告げ、ローカルバスでマイソールに向かう。

ローカルバスの予約をしに、前日にバスターミナルへ行ったのだが、その際ある男性に「どこに行くんだ?マイソール?バスの予約はこっちだ!」とついて行ったら、バスターミナルからかなり離れたオフィスに着いた。

(こんなに遠いっておかしくない?)と思い、聞いたバスの金額も相場より高かった。「もっと安いのはないの?」と言うと「ない」と言われた。「ごめん、いらない」と言って、バスターミナルの方へ引き返そうとすると、戻ってくるように言われて戻ってみる。「電車はないの?」と言うと、「売り切れてない」と言う。「ごめん、いらない」と言って今度こそバスターミナルに引き返す。

バスターミナルで制服を着用した人に「マイソールのチケットオフィスはどこですか?」と言うと、バスターミナル内にチケット売り場はあった。無事に相場通りの金額でチケットを購入でき、移動日を迎えることができた。

バスは夜行で、朝マイソールに到着した。まだあたりは少し薄暗かったので、バスターミナルの中でガイドブックを読みながら待機していた。

すると「日本人?!」と話しかけられた。「日本人だよ」と言って、同性で年が違いということもあり、お互い久しぶりの日本人との再会を喜んだ。

私は南インドから北へ上るが、彼女は逆で北から南へ下る。インドは何度か来ているらしく、今回はまだ回っていない南インドが中心とのことで、インドについてのいろんな情報を教えてくれて、私もこれまで話し相手がいなくて溜め込んでいた旅のアレコレを爆発させた。

「これからどこへ行くの?」と聞かれ、行先が一致したので、この後一緒に観光に行くことにした。彼女はマイソールは1日のみで宿泊しないが、私は2泊するつもりなので、まずは私の宿探しをしなくてはいけない。

1件目は、目星を付けていた最安値の宿。行ってみると、シングルルームがなくダブルルームしか空きがなかったので2件目の宿へ。2件目の宿もこんなものかと言った印象で、1件目のダブルルームと同じぐらいの値段だった。

再び1件目の宿に行き、「2泊する」と伝えると、少し安くしてくれた。微弱ながらWi-Fiも一部完備。友達と「なかなかの汚さねぇ」と言いながら、荷物を置いてまずは朝ご飯を食べに出かける。

超ローカルな店でチャイとフルーツと軽食を。あとは、大きなスーパーマーケットがあるという情報を友達が持っていたので探しに行ってみた。やっと見つけてしばしショッピング。

そして、昼はチャームンディーの丘へ行き、夜はマイソール宮殿のライトアップショーを見に行った。ライトアップショーは、インドっぽくないというかディズニーランドのような華やかさだった。

マイソール宮殿のショーを見ていると、友達のバスの時間が迫ってきた。「私は行くけど、ここで見てていいよ」と言われ、私は最後までショーをみることにした。しかし、一人で夜道を歩くのが怖い。見終わったあと、私は早歩きで一目散に宿に帰った。

宿に帰ってシャワーを浴びて、通常なら私はさっさと寝る。しかし、調べものをしたり今後の計画を立てたいなと思い、すぐには寝なかった。そうしていると、ベッドに虫がいた。私はデコピンをするように、親指と人差し指でピンと虫をベッドから落とした。しばらくすると、全く同じ場所にまた虫がいた。よく見るとその虫に見覚えがあった。(もしかして、君の名は…)グーグルに訊ねた「南京虫_画像」、間違いない。ここにいるのは"南京虫"である。

恐怖を感じて、荷物をベッドの近くから全て移動させた。刺されないようにバッグからウィンドブレーカーを引っ張り出し、パーカーの帽子をかぶって顔をガード。

南京虫は布を伝うが、ツルツルのナイロンには弱いという情報があったので、防寒用に持っていたサバイバルシートをベッドに敷き、これでなんとか耐えようと思った。

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しかし「なんでお金払っているのに耐えなきゃいけないんだ」と思い、受付に「南京虫がいるから部屋を変えて」と言ったら、あっさり変えてもらえた。

部屋は移動したものの、この宿の清掃状況は信用できない。ネットで調べた南京虫の特性と対策を元に、再びサバイバルシートをベッドに敷き、ウィンドブレーカーを着て、パーカーの帽子をかぶって、部屋の扇風機は最強にし、電気をつけっぱなしで寝た。

無事、何事もなく朝を迎えて、朝は郊外のソームナートプルという寺院、昼は昨日行ったマイソール宮殿の見学に行った。

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観光を終え、この宿での2日目の夜を迎える。

明日は、マイソールの郊外観光の拠点となる、ハッサンという街へ移動する予定だ。

やっとこの宿を離れて、南京虫の心配はしなくて済むと思ったが、戦いにはまだ続きがあることをこのときはまだ気づいていなかった。

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※2016年8月21日~22日 インド・マイソール
「Over30女子バックパックでアジア周遊」

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