相談者がなぜそのように感じるかを理解できない時。
前回は、「労い・称賛にはCCの感情が伴うもの」というお話でしたね。
「共感的理解」にも通じます。
そこで!
「相談者が感じている感情」と「CC自身が感じる感情」が違ったら?
今回はこのことについて考えてみましょう。
▽前回の記事はこちら
相談者が感じている感情が分からないということ。
相談者がいる世界、経験してきた世界を見に行く努力をしてみたけれど、なぜそこで相談者がそういう風に感じるのかが分からなかったら?
前回、相談者がいる世界がなんとなく、ざっくりイメージできてきたら、必ず、CCの主観的な感情が何かしら自然と湧いてくる、と書きました。
これが出てこない場合、
もしくは出てきたCCの感情が相談者のものと違った場合、ですね。
相談者が感じている感情が分からないとき、
CCに何が起こっているのでしょうか。
「え、それはあなたが思っているほど○○ではないよね」
「そんなことがあったのは分かったけど、○○の感情を感じることではないよね」
「それのどこが○○を感じることになるのかなぁ」
「そういうことならふつう○○じゃない?」
という風に考えてしまう、ということになるでしょうか。
・・・どうでしょう。
改めて書いてみると、結構はっきりと分かりますね。
そのように感じながら、寄り添い、共感的理解を示し、相談者を受容する・・・・出来そうでしょうか。
「相談者の置かれた状況だったら○○なはず」というCC自身の思い込み、先入観、イラショナルビリーフ、などが影響し、キャリアコンサルティングを進めることを難しくしています。
CCとして相談者の支援をするということは、CC自身のそういったものを真っ白にして相談者に関わる必要があるということです。
相談者と感じる感情は違ってもいい
あれ、相談者は「○○」と感じているのに、なんで自分はそう思わないのだろう、という、「寄り添えない」「相談者の感情を理解できない自分」を受け入れ、自分がどう感じているのかを受容することで、CC自身が自己理解を深めていくことができます。
相談者と感じる感情は違っていいんです。
それを認めることで、ちゃんと白紙になって相談者の話を聴くことができるようになりますから。
1つ、注意点があります。
相談者が感じる「感情」は、相談者が生きる世界で起こっていること。
相談者の感じる「感情」をCCが本人のようにそのまま感じることは、不可能です。それをしようとは思わないこと。
※関係構築や状況の把握が不十分な段階での安易な「それ分かります!」は不信感(本当にわかってるの?)につながりやすくなります。
そんなに簡単に分からなくていいんです。
相談者の人生も、感情も、たった数分話したくらいで分かってしまうような、そんなに軽々しいものではないはずです。
だからこそ、耳も心も相談者に傾けて、全身で声を聴く。傾聴する。その姿勢そのものが相談者との関係を構築し、相談者は自由に語れるようになっていきます。
そして、
相談者がいる世界だったら、そのような感情になって当然だ。
そのように理解することができたら、相談者が感じているままを承認、受容することができますね。それは、想像も及ばない相談者のこれまでの人生も含めて「今ここで、そのような感情を感じていること」を丸ごと肯定する関りです。
相談者本人のように感じることはできなくても、「共感的」に「理解」することはできます。
「分ってもらえた」と相談者に思ってもらいたいなら、
「分かったつもり」で進めることは決してしないこと。
そして「称賛・労う気持ちが生じていない中で、賞賛・労うこと」は避けましょう。
称賛・労う気持ちは、傾聴の後にやってきます。
CLもまた、話を聴いてもらえ、状況を分かってもらえていると感じられた後での労い、賞賛の方が受け止めやすくなるのではないでしょうか。
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