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【気まぐれ日記】 夏休みなんていらない

《昨今話題になっているタイプの話ではありません。》


人生で初めての夏休みを覚えている人はいますか?

私は覚えています。

今日は少し、子どもの頃の話を書くことにしました。

書いたのはいいけど、いざ投稿となるとずっと迷っていたのですが。

もしかしたらいつかこの先、どこかの誰かの心に何かが届くかもしれない。
そんな思いで公開することにしました。



時は遡り、私は3歳。
幼稚園に入って、初めての夏休みの初日の朝のことでした。

私は母の言うことをまったく信用せず、いつものように制服に着替え幼稚園のお迎えのバスを待つために玄関に行きました。

もちろんバスは来ません。

夏休みだから。

しばらくすると母によって私は家の中に呼び戻されました。そして母は幼稚園に電話をかけてくれました。

それから私は幼稚園の先生と初めて電話で話しました。

先生と話してようやく、私は夏休みというものを頭で理解したのです。

ええ、今もよく覚えています。
記憶力はいい方です。

当時の我が家の電話には子機というものはありませんでした。受話器は本体にくるくるとしたコードで繋がっているものがすべてでした。
背の低い私は椅子を踏み台にして電話で先生と話をしました。

先生は、みんなも家にいることや、幼稚園のバスは9月まで来ないことを教えてくれました。

前から何回か夏休みについては聞いていたはずなんです。
でも私は、そんなことがあるわけがない、と思っていたのです。
そんなに長い休みなんてあるわけがない。先生の作り話だろうと。
この世界の休みは日曜日だけだと思っていたのです。

今思えば、夏休みなのに幼稚園に先生がいてくれてよかったです。

母の言うことと先生の言うことの両方を聞いて、バスが来なかった事実を受け止めて、ようやく幼い私は納得したのです。

母は、そんな私のことを、

「昔から幼稚園とか学校とかが大好きな子なの」

とよく知り合いに話していました。


私自身もそう思っていました。
長いことずっと。

幼稚園、小学校、中学校、高校、大学…

夏休みなんていらない。
毎日学校(幼稚園)に行きたい。
冬休みも春休みもゴールデンウィークもいらない。
友達や先生に会いたい。

でも大人になった今だからわかります。


私は家にいたくなかっただけ


詳細を書く気にはなれないので書きません。というか、書けません…でも、そういう人もいるだろうと思うのです。

子供の頃は祖母の家によく預けられていました。その時も家に帰るときにはすごくしぶりました。

今だからわかることですが、私は多分家には自分の居場所がないと感じていたんだと思います。

確かに少し変わった家庭環境ではありました。
うちが自営業で、住み込みで働く若い人たちと一緒に生活していたのです。
それでも、実の家族と共に暮らす家でした。

家ではゲームをしたり、テレビを見たり、マンガを読んだりして、標準的な子どもとして過ごしていました。勉強もそれなりにしていました。


それでも、私の家は本当にここなのか?という疑問が常に頭の中にありました。



夏休みは本当に長く感じました。小学生の頃は特にそうでした。
途中、ガールスカウトのキャンプに行ったり、1週間くらい祖母の家に行ったりしていましたが、それでも夏休みはとてつもなく長い時間でした。

宿題を早く済ませてしまうと手持ち無沙汰になるのでわざと先延ばしにしたり、それでも終わってしまうと、今度は、自由研究のためなどと言い訳をして、図書館に1日おきくらいのペースで行ったりしていました。

図書館が自転車で行けるところにあってラッキーでした。
涼しいし、静かだし、1人でいられるし、好きな本をいくらでも読めるし、借りてこれるし、返しに行くという理由もできるし、親もダメとは言わない。

塾の夏期講習も、自分で選んで、これとこれに行きたいと親に頼みました。

そう、キャンプの時期と、祖母の家に行く時期の間の空いている週にある講習(だいたい1週間単位だった)を私は毎年選びました。

なるべく家にいる時間を短くしたかったのです。

社交的だけど繊細、という私の変わった性格はこのころに形成されたのかもしれません。
知らない子や知らない大人と話すことは全然苦痛ではありませんでした。

(非HSS型HSEという謎の結果が出た話↓)


noteでは外に出られないという経験をした人の話の方が目につく気がするけれど。


私みたいに夏休みが嫌いで、できれば家にいたくないという子どもも、今でもきっとどこかにいるんだろうなということも想像して欲しいなと、なんだかちょっと思ったのです。


私は運良く間違った道に進まずにすんだけれど、夏休みを機に家出をしてしまったり、悪い大人に騙されたりする子はなかなか減らないと思います。

これって、

「家に居場所がない」


というのも原因の一つなんじゃないのかな?と思ったりしています。

いろいろな事情はあるでしょう。

でも、家にいるくらいなら学校や塾にいる方がいい。
夏休みなんていらない。

さあ楽しい夏休みだ!
みんなは今年の夏は何をする?


みたいなノリが全然理解できない。
夏休みの宿題が嫌なわけじゃない。
家にいたくないだけ。
夏休みだけじゃなく、長期の休みが苦痛でしかない。

そんな子もきっといるんですよ、というお話でした。


「普通の人」なんて多分どこにもいません


ちなみに今の私は、家でのんびりするのがようやく好きになりました。

が、夏休み独特のなんとなく浮かれた世間の雰囲気には、やっぱり馴染めなさそうです😅
楽しそうにしている人たちを眺めるのは好きですけどね😊

とりあえず早く涼しくなってほしいなと思っています。

ではまた( ´ ▽ ` )ノ


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