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囲碁普及大作戦-囲碁界とZ世代

日本囲碁界のために囲碁普及のためのアイディアをnoteに残します。
本日は、第3回目となります。

第1回  囲碁人全員が心を1つにして、10級までの入門コースは無料

第2回 小口スポンサーが乗り易い仕組みづくりを構築する。

番外編  囲碁は信頼関係とコミュニケーション

お時間があれば、是非ご覧ください。
さて、本日のnoteは、囲碁界がどのようにみられているのか、そして若い世代や今の時代はどのような人が多いのかという事を筆者の目線で語らせて下さい。

1.囲碁界は侍文化

名作映画「ラストサムライ」をご存じだろうか

明治維新を時代背景として、武士道を生き様にした「サムライ」の生き様と西洋文化を日本国内に導入し、サムライの生き様を否定する政府軍という構図を描いた時代劇アクション映画の名作です。

囲碁のプロ棋士と囲碁は、この映画に出てくる武士道を重んじる侍や侍文化のように感じる。

これは、周囲の一般の方々からの「見え方」は、
・弁護士/東大生/医者/研究所/教授/官僚/政治家など

のように知能が高すぎて凡人では近寄り難い雰囲気が出ていると思う。

団塊の世代を中心とした「囲碁が大衆の娯楽(エンタメ)」というイメージは、団塊の世代の人口減少や他の娯楽(エンタメ)の増加に伴い、娯楽(エンタメ)というイメージが皆無になっている。

囲碁を長く接すると「棋士が求める棋士道」、「日本人の心」、「日本人の文化」という歴史、深さ、情緒、そして命を感じる素晴らしい競技だというのが理解できるのですが、囲碁を知らない一般の方々からの目線では、畏れ多い存在になってしまったのかも知れない。

私は、幼少の頃から50年近い人生の中、多くのプロ棋士の方と接してきた。実際、接すると話しかけやすくて、個性のある方々ばかりでとても優しい先生ばかりの印象があります。だけどやはり最初の1歩はとても緊張があるし、恐れ多く感じてしまいます。

この畏れ多いという感情は、敬意の表れでありますが、一歩間違えると凡人の私には到底近寄よりずらい即ち関わってはいけない世界だと誤認されます。

まず、この棋士道を求める囲碁のプロ棋士達の棋士道を求める文化は維持・発展しつつも、「囲碁は大衆の娯楽(エンタメ)」というイメージも回復しなければいけないと感じます。

2.今の人達

今の人達は、大きく分けて2タイプの若い人達がいると思います。
※.多様性のある時代に分類分けするのは、良くない事ですが。

1.能動的(狼・狩猟 )
自らの知的好奇心で行動し、興味のあることは1度やってみて自分の目で認識して、自らの判断で仮説を立てて物事を積極的に理解、知識に変えるタイプ。受験勉強、部活、アルバイトなど何をしても全身全霊で集中して走るタイプ。1人で行動することが苦にならない。

2.受動的(羊・農耕)
周囲の人達の反応によって、自分の心の安定度が変わる。自らの判断基準や深く考える事を少し放棄して、大勢の集まる方向についていくことで安心するタイプ。両親が経済的に豊かで実家があったり、仕送りされているケースが多い。芸能人、芸人、麻雀、ゲーム、TV、音楽、アニメ、アイドル、漫画、映画、SNS等の活動時間が長い。

「1.能動的(狼・狩猟)」のタイプは、囲碁に触れあうチャンスがあれば、囲碁の魅力に気が付き、自分の足で教室や碁会所に通い、勝手に強くなってくれます。

残念ながら今の日本人の若い方々は、「2.受動的(羊・農耕民族)」タイプが非常に多いと感じます。即ち、端的な言葉で表すならば、

「どのような活動でも、大勢の人達と共感できコミュニケーションを計れ瞬間的な快楽を得て生活のストレスを発散できれば、活動のターゲットは何でも良い」

そして、今後日本の「娯楽」の経済を支えるパイが大きい方は、
「2.受動的(羊・農耕民族)」タイプです。

芸能人、芸人、麻雀、ゲーム(オンライン、ソシャゲ)、TV、音楽、アニメ、アイドル、漫画、映画、SNSという娯楽分野に多くの人達が分散しています。

この娯楽分野の特徴は、「熱しやすく冷めやすい」です。
インターネットを背景に多くの娯楽分野から、現在流行している物に飛びつきます。そして、大勢が群れている状況に安心感を感じます。
そして、停滞を感じた瞬間に蜘蛛の子を散らすように解散していきます。

また、このように「熱しやすく冷めやすい」現象の理由も理解できます。
インターネットで膨大な情報をスマホ片手に同じ行為をしていると飽きてきたり、時間の無駄だと感じるようになり、次の刺激を求めるようになるからでしょう。30年以上昔であれば、娯楽の選択肢が少なく1つの娯楽をトコトン深める面白さを追及する時代だっだのが、多種多用な娯楽が存在する今の時代では、広く浅く接する人が多くなったと感じます。

3.将棋も侍文化なのに大差

囲碁と同じ棋士道を追及している競技に将棋があります。
その差は、間違いなくルールの分かり易さに起因しています。

3-1.将棋の場合

私は、将棋に関してはズブの素人です。
小学校で数回程度友達と打った程度でそれ以後は、一切勉強していません。
私の将棋のルールを以下に羅列します。

・自分の王将が取られる前に相手の王将を取られれば勝ち。
・各駒の動きは省略
・2歩は禁じ手
・相手の陣地に入ると駒を裏返し、駒が強くなる。
・大駒(飛車・角)の価値が高く、金は王を詰めるときに万能
・序盤は、大駒を活かす事や歩の有効利用、そして銀や桂馬が先陣を切る。

など小学校1年生の同級生との遊びだけで、ほぼ全ての将棋の最低限のルールや価値観が理解できます。

そして、将棋デビュー1日目にしてプロ棋士の対局を視聴できる「観る将」が1人誕生します。

更に、将棋デビュー1日目にして将棋デビューした2人だけで、結構楽しめる。

ここが囲碁と将棋の差がついてしまう最も重要な点です。

3-2.囲碁の場合

囲碁は19×19の交差した点に石を置き、黒及び白の囲った陣地の大きさを競うゲーム。

一見簡単そうなゲームにみえる。

例えば、こんな図であれば簡単だろう。
右上の黒石2つがある赤のエリアが凡そ黒の陣地と影響力のある範囲。
そして、左上の白石2つのある青エリア白の陣地と影響力のある範囲。
だが、囲碁初心者が打つと次のような事が発生します。

先ほどの図の左上に黒石1つを追加しただけなのですが、囲碁初心者には既に理解不能な状態に陥ります。囲碁には、「活き」と「二眼」という概念があり、相手に囲まれている陣地内に自分の石が存在して良い理由は、最終的に眼が2つあること。

というルールがあります。

この図で白が黒を全部囲っていますが、黒は眼が2つある状態なので活きており、2目(2点、2point)の陣地を確保しています。白地は、黒石を囲った方には、1目も有りませんが、外側が白の勢力になっています。

囲碁は、自分の勢力圏に入ってきた相手の石を攻めたり、捕まえたりする事で相手より最終的に得をする所に面白さがあります。しかしながら、この面白さが、初心者には複雑なルールとして認識され、常に上級者がいないとゲームの終了状態を判断することができません。

そして、「観る将」は僅か1日でプロ棋士の将棋を視聴して、それなりに楽しむ時間を過ごせるのですが、「観る碁」は最低でもアマチュア10級位にならないと何をしているのか理解し難い性質が有ります。

即ち、囲碁と将棋の人気の違いは、ルールを覚え競技の面白さを理解できる習熟度の差に影響しています。

将棋入門の場合
 ・ほぼ1日で分かる。
 ・上級者がいなくても楽しめる
 ・翌日から観る将に参加でき、プロ棋士の対局を楽しめる。
囲碁入門の場合
 ・最低10日~3ヶ月(アマチュア10級程度)
 ・上級者がいないと何をしているか分からない。
 ・対局者2人とも、混乱した状態になり勝ち負けさえ分からない。
 ・プロ棋士の対局は、序盤6手位は理解できるが、以降は理解できない楽しめない。

即ち、囲碁の普及には気軽に囲碁のルールを無料で聞ける指導者の存在が必要不可欠なんです!!!!

4.纏め

今までの話を纏めると、現代の娯楽の経済を決める「受動的(羊・農耕民族)」タイプの方々は、気軽に接しられて、気軽に参加できるコミュニケーションと娯楽を求めている。

囲碁界は、棋士道を求め過ぎる余り、侍のような鋭さや知性を感じさせ、現代的な短絡的な快楽を求める人達のニーズに応えられていない所か、大きな壁を作り出してしまった可能性があるのではないか?

棋士道というのは、流行りや廃りで自分達の生き方を変えるものではないのは重々理解しているが、何も適応せずに本当のラストサムライのようになっていくのも切なすぎる。

まずは、我々囲碁人が娯楽を求める人達の感性に寄り添い、寄り添ったコミュニケーションを構築するのが一番大切だろう。

策の1つとして、以下を提案する。

3~65歳(主に3~15歳をターゲットとする。)の囲碁未経験者は、日本棋院発行の入門フリーパスポートを申請すると都内の指定された囲碁施設に無料で出入りが自由になって、入門コースを無料で習えたり、手の空いたプロ棋士やアマチュア囲碁普及員達と雑談できたり、お茶が飲めたり、気軽なコミュニケーションをとれる空間を提供する。

別に囲碁を習わなくても良い。

気軽に世間話をできる要員を用意して、お茶やちょっとしたお菓子でも用意して世間話や馬鹿話をできる空間を提供すれば良い。

狙いとしては、囲碁のある場所に馴染んでもらったり、囲碁人達の人の良さを理解してもらう事で、囲碁の入門位勉強しよっかなというちょっとした興味を持ってもらう事が一番大切です。

人って、
・自分の名前を呼んでくれたり、
・笑顔で挨拶してくれたり、
・ちょっとした話を聞いてくれたり
・ちょっとした世間話や馬鹿話を共に笑いながら楽しむ
・1杯のお茶や1杯のお酒を飲む時間を楽しむ

そんなちょっとした時間を提供してくれる空間やコミュニティに惹かれる。
タレントやアイドル、ミュージシャン、芸人、芸能人、麻雀プロなどが一時期的にでも流行っている理由は、インターネット内やメディアを通してそのような空間やコミュニティを戦略的に作れている。

囲碁人全員が、囲碁を知らない人達にお茶でもしていきなさい。いつでも遊びに来なさい、有難うという重くも軽くもない気持ちを全員で行動に示せば、囲碁は必ず復活する。

まずは、市ヶ谷の日本棋院に気軽にお茶を飲みに来て貰いましょう。

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