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プレーモデルの構築=一貫指導とは?

新型コロナウィルス感染拡大防止、「緊急事態宣言」により、休業し、外出自粛、自宅待機生活となり、この期間中に取り組んだことがあります。
その一つが、アッチ・フットボールアカデミープレーモデル(スタイル確立)の構築です。

元日本代表監督で現FC今治代表・岡田武史さんの岡田メソッドを教本に、サッカーにおける原理原則となる、サッカースタイルの確立を作成中。
このプレーモデルをベースにトレーニングを行いながら、試合で生かす戦術面の構築と相互理解を深めます。指導者と選手が双方向で理解していれば、自ずと難しいことを言う必要もなく、無理で無駄なミーティングを行う必要がありません。
試合に勝ってプレー内容が良ければ、日々取り組んでいるトレーニングの成果であり、プレーモデルをさらにレベルアップさせて次のステージに向かっていけます。
試合に負けた時には、負けた理由(うまくいかなかった理由)を探し、なぜそうなったのか?どうしてそうなってしまったのかを考え、一般原則を見直してトレーニングの中で修正し、改善していけば良いのです。その方法論がプレーモデル(原理原則)です。

プレーモデルがなければ、何から手をつけ、何を修正し改善していけば良いのか?優先順位はどれなのかを見つけることすらできません。行き当たりばったりの指導になってしまいます。それでは選手は成長しませんし、うまくなるはずがないのです。
トレーニング→ゲーム(リーグ戦)→プランニング(分析・計画)→トレーニング→繰り返し

小学校1年生から6年生まで、一貫したプレーモデルをベースに指導を行います。たとえ1年生であっても6年生と同じようにサッカーの基本原則を学び実践していきます。
認知(観る・考える)〜判断(考える・決める)〜実行(プレー)=賢くプレーする
相手がいる中でのプレー、相手のプレッシャーがある中でのプレー
強度と負荷がかかった中でしか本当のプレー(スキル)は生かせない
それらを生かすためにあるのが、G-A-G型トレーニングです。

個の技術獲得(習得)のためのドリルトレーニング

少人数で相手をつけた技術トレーニング

4〜5名程度で行うグループ戦術中心のトレーニンング

7~8名での実戦形式(戦術中心)のトレーニング

すべてのトレーニングで必要不可欠な要素が、技術・体力・メンタル・戦術理解これらを併せ持ったトレーニングを90分で行わなければならない。無駄な時間と労力は敵だ。休んでいる暇はない。だからこそ、トレーニングオーガナイズ(やり方や設置、形式、広さ、大きさ、時間、人数、使用する用具)はとても重要なのです。

会員(保護者)の皆さんに知ってもらいたいのは、クラブが掲げる目標と目的について。
目標:選手の誰もがサッカーを楽しみ、選手の誰もがサッカーをプレーすること。
   サッカープレーヤーとして、サッカーの結果(勝敗)を楽しむこと。
   試合に勝つためには何が必要で重要なのかを考えなくてはなりません。
目的:インテリジェンス(賢さ)、イマジネーション(創造性)、テクニカル(巧さ)ハード(強さ)、タフ(たくましさ)な選手を育成し、輩出(普及)すること。

目的を達成するために必要なことは?

真面目さ、真剣さ、集中力、勤勉さ、素直さ、情熱

選手を上手くするために、すべきこととは?
どうのようにして、サッカーをプレーさせるのか?
サッカーにおける一般原則の理解について
戦術の共通理解と実践について
選手のレベル底上げ

上手くなる(伸びる)選手とは?
以前、アッチFAに入団してきた4年生(10歳)の子がいました。満足にボールを蹴ることも運ぶことも止めることも運動が十分満足にできない状態が続いていました。どこから指導し何を教えたらいいのか悩み考えました。一番悩んだのは、満足に走って動くことができないことでした。
股関節の回旋が硬く、上手くインサイドキックができませんでした。
グループトレーニングや最後のミニゲームでは、皆からお味噌扱いされ、ボールが回ってこない。ボールが回って来てもミスを連発。いつもただ居るだけ、立っているだけでした。そんな日々がしばらく続いていました。


そんなある日、遠征試合があり、FWとして出場させました。もちろん、試合での活躍はおろか、上手くいくことは、ほとんどありませんでした。
しかし、たまたまゴール前に転がって来たボールを軽くポンと蹴ってゴールを決めたのです!
これで気を良くしたのか、この日は何と2ゴール。翌週もゴール。以降、明るく楽しそうに振舞って、生き生きとプレーしました。それから1年後、彼は引越しのため他県のチームへ移籍。現在はジュニアユースで活躍中。毎日、ボールを触ってはボールと一緒に走り回る日々。サッカーに夢中でサッカー漬けの毎日だそうです。
何が彼をそうさせたのか?どのようにして上手くなったのか?

答えは、「気づき」と「芽生え」です。


私がしたことはただ一つ、「機会(チャンス)」を与えただけ。チャンスを掴んでモノにしたのは、彼自身です。それからは、基礎基本の習得に時間を割き、試合で試す日々が続きました。もしあの時、休んでいたらと思うと、大事なのは行動力だと思えてなりません。

サッカーは、「主体的」なスポーツです。教えられてやるものではありません。何もないキャンバスに絵を描いて初めて成り立つのです。だからおもしろいのです。それでもやはり、基本は大事です。どんなに上手くいっても、礎となる基礎基本がなければ成り立ちません。本能だけでできるのは、せいぜい9歳まで。それ以降は難しいというより、無理です。
だからこそ、プレーモデル(原理原則)が重要なのです。

自由に(原理原則に基づいて)動いて走ってボールを運び、味方にボールを蹴って、来たボールを思い通りに止めること。
練習をすることで、選手は上手くなります。でも基礎基本練習は面白くありません。つまらないのです。だからこそ、指導者の力量が試されるのです。
練習を楽しく面白くやれるよう工夫する。短時間で集中して効果が出るよう工夫する。
きつくて辛い練習を軽くやれるよう工夫するのが指導者なのです。
上手くなるかどうかは、自分次第。ポジティブなきっかけ作りや、機会を与えて成功体験を得られるような環境づくりをすることが指導者の仕事。

「緊急事態宣言」により休業し外出自粛、自宅待機期間中だからこそできたプレーモデルの構築。この作業を行うことで、「原理原則」が大事で、これに基づいてプレーすることが、いかに重要か改めて分かりました。
ここから先は、選手とともにトライ&エラーを繰り返しながら進めていきたいと思います。楽しみが増えて仕方ありません。

もちろん、上手くいけばの話ですが・・・・

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