日本という大きな国とアイルランド
「日本はとても大きい国でしょう?」
アイルランドでは、寮ですれ違った学生、スーパーの店員、大学内の工事のおじさんとも目が合えば、「Hi」と挨拶をかわします。知らない人ともすぐに話し、自己紹介をする。アイルランド人には、そこまでに全くのためらいはないように思えます。
パーティやお酒を飲んでいる時はなおさらです。
大学内のイベント(バンドのライブ)に参加した時は、急に隣にいえーいってやって来て、乾杯をし、自己紹介をし、一緒に踊りました。(日本でもあるのかな)また、終盤、飲むものがなくなって遠くからライブを眺めていたら、横に来た知らない人に飲みなっていって半分くらいになった飲みかけのお酒をもらいました(笑)
また、普段の大学でも、他の人に話しかけるハードルが低いのか、突然横で会話が始まり、横で聞いていた僕は「この二人は友達なんだろうな」と思っていたら、少しして自己紹介が始まり、「友達じゃなかったのか!」と驚くことが多々あります。
フレンドリーで、すぐに話しかけられるあたたかい文化です。
アイルランドの大学で受講している、Intercultural Communication の授業内で自分の国とアイルランドとの違う点、アイルランドにきて驚いた点を他の学生と話し合いました。
前述した、知らない人とも挨拶をして、会話が始まるということをペアのアイルランド人に言いました。一方、日本では、お互いがどういう人かなんて全く気にしないよと。
その学生は「アイルランドは小さくて人口も少ないからね。日本はとても大きい国でしょう?」と言いました。
国が小さいとフレンドリーになるのかな?という疑問と、
日本が大きい国か…という引っ掛かりがありました。
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日本という大きな”狭い”世界で生きてきた自分
日本から約1万キロメートル、時差は8時間。この遠く離れたアイルランドにおける日本の印象は「とても遠くにあって、とても大きな国」のようです。
正直、アイルランドに来る前は日本は世界でも有名で、東京と大阪、京都の名前くらいみんな知ってるものだろうと思って、こちらに来ました。
ただ、現実にそんなことはありませんでした。
今まで、狭い世界で生きてきたんだなという気持ちになりました。
アイルランドに来る前に出会った外国人は日本のことをよく知っていました。それが僕の中の”外国人のイメージ”になっていて、そのことがさらに”外から見た日本のイメージ”を頭の中に形作っていました。
思えば、当然のことですが、日本で僕が今まで出会って友達になった外国人は、日本になんらかの興味があり留学してきた学生が多いです。というか、日本にきている時点で、日本にどんな都市があってどういう国かなんてことは知っていて当たり前です。(むしろ、日本に来る留学生は日本人よりも日本文化に詳しいことが往々にしてありますよね。)
そして、彼らが僕の中の”外から見た日本イメージ”を作り上げていました。それなのに世界中すべての人が、日本に対してそのようなイメージを持っていると、僕は錯覚していたのです!どうしてそんな当たり前のことに気づいていなかったのでしょうか!
そんなわけで、アイルランドに来て、日本に行ったことは当然ないうえに、日本に全く興味はないような学生と話した時にショックを受けたのです。
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話好きなアイルランド
誰もが知り合いのようで、話すことが好きなアイルランド人。
国の大きさとそれが関係あるのかわかりませんが、歴史上、イギリスに支配されてきたアイルランドでは、自分の国を大切にしようと思う気持ちはとても強いと感じます。
それとともに、仲間意識というか、同じ国に住んでいるもの同士のつながりを大切にしようというような意識が日本はもとより、他のヨーロッパ諸国と比較しても強く現れていると思えます。
そういったことからこのような文化が生まれているのでしょうか。
理由がどうであれ、なんとなく心地の良い距離感です。
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好きかどうかはあれど、文化にどちらが良い悪いもありません。
僕は、アイルランドのこの”知らない人でも話かける文化”はとても好きです。自分が話しかける時にためらいは日本よりもないですし、気軽に友達になりやすいと思います。郷に入っては郷に従えということで、積極的に近くの人と話すようにしています。
幸いなことに、留学開始から3週間が過ぎて、英語を話すことへのためらいがほとんどなくなってきています。もちろん、文法の間違いや単語が出てこないことは10秒に1回くらいありますが、それよりも話さないことの方がだめ!と心に喝を入れる日々です。
話さなければ、自分のことを伝えることも相手のことを知ることもできないですからね。
偶然授業が一緒で。偶然バスで隣の席になって。偶然スーパーで同じ列に並んで。
新しい人と話すチャンスがたくさんあることは、この留学中の僕にとってもプラスに働くと信じて、今日の出会いを大切にしていきます。
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