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【特別寄稿】「日本は日本人が思うほど良い国ではない。」UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)保健局長 清田明宏さんが語る『未来の学校のつくりかた』

 清田さんとはじめてお会いしたのはヨルダンの首都アンマンだった。僕たちが掲げた五大陸ドラゴン桜の初めてのバングラデシュ以外の拠点を、ヨルダン、アンマンに定めた僕たちは活動を開始。その時に現地で清田さんに知り合った。それから清田さんにどれほど僕たちは助けられただろうか。その後、アンマンのパレスチナ難民キャンプ「バカア」の学校での映像授業プロジェクトの立ち上げ(2011年)、ガザでの映像授業の立ち上げ( 2012年)。そしてガザでの起業家盛り上げ事業の立ち上げ(2016~)。ロンドンで会い、エルサレムで会い、ガザで会い、清田さんは常にオープンで率直。何よりパレスチナの人々の役に立ちたいというパッションに溢れていた。そんな清田さんが中東の地でいち早く、僕の新刊『未来の学校のつくりかた』を読んで感想を寄せてくれた。ありがとうございます!清田さん。

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 日本は日本人が思うほど良い国ではない。そして、日本人は日本の方が思うほど優秀ではない。これは、長期海外在住の日本人の間では、ほぼ既成事実のように受け止められている。世界経済フォーラムが出す「ジェンダーギャップ指数」、今年日本は世界で何と121位。日本はこのままで大丈夫なのか。私は海外在住25年を超えるが、その危機感は強い。

  税所さんの本、「未来の学校のつくりかた」、希望の本だが、その裏には強い危機感がある。「近い将来学校が滅びる」といった教育長。学校が滅びることは国が亡びることだ。「教育のあるべき姿を取り戻せ」といった学校理事。これは、国のあるべき姿を取り戻せ、と同じことだ。強い危機感に裏付けされた強い信念がうかがえる。

  解決の鍵は「自分の考えを持つための感受性」にある。「何が課題なのかを見出す感受性」だ。英語でいう「critical thinking」、これが日本人には弱い。多様性も重要だ。生徒の多様性のみならず職員の多様性、「同質管理から、多様性をエネルギーに変える時代に」、と税所さんは強く訴える。希望の本だ。 

 多くの人に、特に、日本の教育は大丈夫だ、と思っている人にこの本を読んて頂きたい。税所さんが訪ねた「各地の教育現場で真剣に子どもたちと向き合う人たち」、今の日本が抱える問題と、その解決策が示されている。「新しい世界をつくり続ける学び舎をつくるために」絶えず前に、前に進む税所さん。その思いを共感することで全てが始まる。 

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清田明宏 

国際連合パレスチナ難民救済事業機関 保健局長

1961年福岡県生まれ。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA、通称ウンルワ)の保健局長で医師。高知医科大学(現・高知大学医学部)卒業。世界保健機関(WHO)で約一五年間、中東など二二カ国の結核やエイズ対策に携わった。2010年から現職。中東の結核対策では、患者の服薬を直接確認する療法「DOTS」を導入し、高い治癒率を達成。第一八回秩父宮妃記念結核予防国際協力功労賞受賞。

清田さんの必読本!!!(1)

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