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『カラマーゾフの兄弟』読破の道

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記事一覧

【カラマーゾフの兄弟 読破の道_9】言葉を作る/伝えるという仕事

【カラマーゾフの兄弟 読破の道_9】言葉を作る/伝えるという仕事

8/17(土)

 最近よく、言葉の力について考えている。同じ空間でも、呼び方が違うだけで、感じ方が変わってしまうのだ。
 台北で金野千恵という建築家の講演を聴いた。彼女は学生時代から、十数年続けているロッジアの研究を紹介してくれた。ロッジアとは、14世紀にイタリアで生まれた言葉だそうだ。元々の意味は、柱と屋根があり、少なくとも一方が外部に開いているといった簡素なものだが、彼女は現代建築の分析にそ

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【カラマーゾフの兄弟 読破の道_8】フィクション内ノンフィクションの現実感

【カラマーゾフの兄弟 読破の道_8】フィクション内ノンフィクションの現実感

8/6(火)

 何か凄いことが起こっている。というのも、自分の発信が人に行動を起こさせる、という体験が立て続けに起こったからだ。

 前回の記事で書いたネットの友達が、カラマーゾフの兄弟を読み始めた。あっという間に読み進めていて、自分が如何にローペースで読んでいたかを思い知らされた。「まだ200ページくらいだけれど面白いです。おすすめしてくれてありがとうございます。」と言われて、いや僕もまだ上巻

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【カラマーゾフの兄弟 読破の道_7】アリョーシャ的人生

【カラマーゾフの兄弟 読破の道_7】アリョーシャ的人生

8/2(金)

 仕事終わりに同僚の家にみんなで集まって、オリンピック観戦飲み会をした。人が集まりすぎて5人くらい立ちっぱだったし、画面があまり見えなかったが、スポーツ関連の様々な単語を学べた。

輕艇qīng tǐng:カヌー
馬術mǎ shù:馬術(そのままだ)
拳擊quán jí:ボクシング
金牌jīn pái:金メダル
決賽/準決賽/半準決賽:決勝/準決勝/準々決勝
などなど。

 みんな

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【カラマーゾフの兄弟 読破の道_6】お喋りな人々

【カラマーゾフの兄弟 読破の道_6】お喋りな人々

7/27(土)

 今日は台北へ遊びに来た。普段は9割型本屋さん目的なのだが、この日は全く別の目的だった。なんと、文章(つまりここ)で知り合った友達に会いに来たのだ。日本語を勉強している台湾の子で、僕の文章を日本語のまま読んで、日本語でコメントをくれたのがきっかけで、お互いの記事を読んで感想を伝え合う関係になった。僕も彼女も、日本語/中国語で本を読むし、文章を書くので、すごく話が合う。顔を合わせた

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【カラマーゾフの兄弟 読破の道_5】お前の体には、血が流れているか?

【カラマーゾフの兄弟 読破の道_5】お前の体には、血が流れているか?

7/20(土)

 台湾の離島、澎湖列島に遊びに来た。台北の松山空港から1時間で来られる。オンシーズンなので飛行機代がまあまあ高かったけれど、友達がちょうど澎湖に滞在中で誘ってくれたので、奮発して来てみた。飛行機の待ち時間で、三毛という台湾作家のエッセイを集中して読んだ。というわけでカラマーゾフはやはりなかなか進まない。台湾の離島で、台湾人がサハラ人について書いた本を、日本人が中国語で読んでいる、

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【カラマーゾフの兄弟 読破の道_4】道化の役割

【カラマーゾフの兄弟 読破の道_4】道化の役割

7/9(火)

 事務所に以前のスタッフが遊びに来て、今やっているプロジェクトのこと、3人もいる子供との生活のことを紹介してくれた。かつての仕事のことも色々聞かせてくれて、年末年始返上で働いたとか、夜中になっても事務所がうるさくて眠れなかったとか、数日で図面を書き上げたとか、お腹の子供が飛び出す前日まで仕事をしてたとか、日本のアトリエみたいな伝説的なエピソードがたくさん飛び出して、やっぱりどこでも

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【カラマーゾフの兄弟 読破の道_3】停滞2

【カラマーゾフの兄弟 読破の道_3】停滞2

7/5(金)

 進捗を見せる、と言い切って進捗がないのが、一番ダメな人間がやることだ。一週間ってなんでこんなに早いんだ。忙しいわけでは決してないが、3週目にして早くもXを見なくて平気な身体になってしまったので、カラ兄を開くというトリガーがなくなってしまった。その代わり、インスタやYouTubeは変わらず見てしまうので、次に犠牲になるのは彼らかもしれない。カラマーゾフの三兄弟ならぬ、現代人の時間を

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【カラマーゾフの兄弟 読破の道_2】停滞──予想していたよりも早く

【カラマーゾフの兄弟 読破の道_2】停滞──予想していたよりも早く

6/28(金)

 前の投稿で、「カラ兄が読みにくい?とんでもない」みたいな舐めたことを書いた記憶があるが、あの若造の思い上がりを拳骨で脳天からかち割りたい気分だ。なぜ上巻の10%ほどしか読んでいない段階でそんな、大それたことが書けたのだろう。前回投稿を読んでくれた皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。まあこれも、一週間に一度感想を投稿することで生まれる面白さだろうと、厚顔無恥に続けることにする。

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【カラマーゾフの兄弟 読破の道_1】解けた三つの誤解

【カラマーゾフの兄弟 読破の道_1】解けた三つの誤解

6/18(火)

 昨夜は、仕事のことで、すっかり凹んだ。できるだけ早く仕事を進めて、できるだけ早く進捗を見せて、チェックを貰って先に進むことが必要なことだと思い込んでいた。夜遅く、年下の先輩から、(すごく要約すると)「君は仕事が適当すぎる。忍耐力が足りないと思う。自分でチェックしてから見せて。」と言われてしまったのだ。本当に彼の言う通りで、細かなことまで、ずっと彼に頼りっきりだったのだ。これは仕

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【カラマーゾフの兄弟 読破の道_0】記念日

【カラマーゾフの兄弟 読破の道_0】記念日

6/16(日)

 先ほど、家の近くの運動公園にあるプールを泳ぎながら、ふと考えた。僕はどうも、X(旧Twitter)を見ている時間が長すぎる。仕事の合間とか、トイレとか、一人の時間があると、すぐに見てしまう。見ながら、95%くらいの内容に対して「くだらない、見なくて良い」と認識しているのにもかかわらず。これではダメだ、と思った。どうにかしてSNSを見る時間を減らさないと、人生なんてあっという間に

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